Waste meaningless worthless man   作:勇者系魔王アマッカス

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第1話

周りから向けられる好奇の視線、己を含めて2人しかいない男子、いつか読んだ物語の主人公もこういった気持ちだったのかとどうでもいい事を頭の片隅で考えながら

 

「なぜ俺はこんなところにいるんだろうか」

 

ため息と共にそう小さく呟くも返事は帰って来ない

今は入学最初の自己紹介の真っ最中だが、基本的に話しかけられなければ人の名前は覚えられないので聞き流している

周囲が自己紹介を行っていようと女子達の興味は俺ともう1人に向いているらしく、こちらを眺めてくる

まるで見世物の珍獣にでもなった気分だが、これでもマシなほうだ

視線の何割かには明確な敵意や悪意が込められているものもあり、イジメの対象にならないか戦々恐々としている

このような視線が交じる理由は女尊男卑と言う考え方が今の世の主流になっているからだろう

男というだけで排斥される可能性すら存在するのは正直笑えないのだが、此処はIS学園と呼ばれる場所で女尊男卑の原因とも呼べるインフィニット・ストラトス、通称ISを学ぶための学園である

そのため、そういった思想にどっぷり浸かってきたものも少なからず存在しているのであろう

そういった女子からすると俺達は目の上のたんこぶと言える存在であり、突っかかってくるだけならまだいいが、本格的に追い込もうとしてくる可能性も高いのだ

さっきから話に上がるISとは、多目的マルチフォームスーツであり宇宙での運用を想定してたった1人の天才が作り上げたオーパーツとも呼べる代物だ

しかし、白騎士事件と呼ばれる事件の時に兵器として現行の兵器全てを上回る性能を見せつけたため軍事利用に着目された

しかし、絶対数が少ないため現状はスポーツにされており、競技大会も存在する

これに関しては国際アラスカ条約が結ばれており、基本的にコアを保有する国は条約に参加している

まあ、どの国も裏で如何に軍事利用するか研究しているのだろうが、そんな事はどうでもいい

このISにおいて何より重要な点というのはISは女性にしか乗れない(・・・・・・・・・)という点である

これにより、女性利権団体が力を持ちはじめ、今の世界の状況へと相成ったわけだ

そのため、俺が此処にいるのはおかしい事のはずなのだ

しかし、1ヶ月程前織斑一夏という名の男がISを動かしてしまったのだ

当然世界は驚愕に包まれ、他にも動かせる男が存在するのではないかと全世界で一斉に検査が行われた

その検査にて何の因果か動かせてしまったのが俺である

何故俺なのかという疑問が湧き上がるが、動かしてしまったものは仕方ないので流れに身を任せていると、この学園の入学が決まったのである

 

「織斑くん?織斑一夏くん?」

 

「は、はい!?」

 

「ご、ごめんね?自己紹介の順番が「あ」から始まって、次は織斑くんの番なの、ごめんね?」

 

この、先生は何をそんなに緊張しているのだろうか?立場はそちらの方が上だろうに

そんな事を考えていると名前を呼ばれた男子が急いで立ち上がり、自己紹介を行う

 

「織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

それだけを言うと周りの女子から他には?という視線が織斑に集中する

その視線に一瞬たじろくと意を決したかのように

 

「以上です!」

 

その一言だけを力強く述べると周りの女子がズッコケる

そして織斑が席に着こうとすると、パアン!!という乾いた音が鳴り響く、その方向に視線を向けると出席簿を構えた女性が立っていた

 

「げえ!関羽!?」

 

と織斑の叫びが聞こえた所で

 

「誰が三国志の英雄だバカ者」

 

そのセリフと共にもう一度出席簿が振り下ろされた

 

「すまないな山田先生、HRを押し付けてしまって」

 

「いえいえ、私も副担任ですから」

 

そして、その女性は教壇に立つと

 

「私がお前達の担任となる織斑千冬だ。私の仕事はお前達を使い物になるように育て上げることだ。故に私の言うことには全てYESとこたえろ、いいな?」

 

理不尽な内容の自己紹介を行うのと同時に

 

「キャー!!本物の千冬様よ!!」

「千冬様の指導を受けられるなんて夢みたいです!!」

「私千冬様に会うために北海道から来ました!!」

「千冬様ー!!付け上がらないように調教してくださーい!!」

 

などの黄色い声援が上がる

そのあまりの喧しさに眉間に皺が寄るが、すぐに表情を戻す

当の担任は額に手をあてながら嘆いている

 

「はあ、何故私のクラスは毎年こうもバカばかり集まるのか」

 

多少同情しないでも無いが他人事なので同情の視線を向けるだけに留める

 

「それで、お前はまともに自己紹介もできんのか?」

 

「いや、千冬姉俺は「パアン!」」

 

言い切る前にもう一度頭を叩かれる織斑

 

「学園では織斑先生だ」

 

「はい・・・、わかりました」

 

その言葉と同時に女子達が騒ぎだす

 

「え?織斑くんって千冬様の弟?」

「それなら、IS動かしたのも納得出来るかも」

 

などなど、様々な声が聞こえてくるが

 

「静まれ!」

 

織斑先生の一喝で静かになるクラスメイト達

 

「HRも残り時間が少ないため、全員の自己紹介は出来ん。しかし、このまま授業に入っても身に入らん者もいるだろう。故に大和自己紹介をしろ」

 

そう言われ立ち上がる

それと同時に女子達の視線がこちらに突き刺さり、期待を多少とはいえされているのに辟易しつつ、それを表情に出さずに自己紹介を始める

 

「大和武です。趣味は読書、好きなものは物語と甘い物、嫌いなものはきのこ類全般、得意科目は文系です。3年間もしくは実験動物になるまでの間よろしくお願いしますね」

 

所々から拍手は聞こえるが数は少ない、最後に挟んだジョークは受けなかったようで、引きつった笑顔を浮かべている女子までいる

 

「織斑。あれが自己紹介だ。最も最後の一言は余計だがな」

 

その言葉に織斑は若干恨めしそうこちらを見てくる

その顔を見て直ぐに悟る、コイツはシスコンだと

ああ、面倒くさそうだなコイツと若干思っていると

 

「それでは、HRを終了する。各自1限の準備をしておけ」

 

ああ、これから面倒くさくなりそうだ




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