基本的に男女の比率1:7だった種族。
優秀な種を残すため子供の頃から身体が大きく栄養を溜め込みやすいので狩りを受け持つ雌が多く生まれ、
逆により良い種を残す為に多くの種を作り競わせる結果性交できる回数が決まっており、尚且つ種の段階で競って勝てない為雄が少ない種族。
…人類。
今の世界でもそれは変わらず、
それどころか昔と違い法が整った事で襲う事が出来ず、
たくさん産んで男の子だけ育てるという事も出来ない現代ではその比率はさらに片寄った。
因みに現在は情報を漏らしたら襲ってくるかもしれないという考えで男性が組織した団体が調査を妨害し、比率は不明だ。
女性は種の繁栄という本能と数が少ないので見つけたら即刈らなければという危機感により、
昔より性欲が強くなった。
逆に男性は周りを見ればいる上に、国からの援助があるので媚びる必要はなく、さらに狙われているという危機感から、
性欲は減少。
少しの性欲も余り見ない同性へ向けられてしまう始末だ。
それが現在世界的な問題にまでなっているのである。
◇◇◇
兄と携帯を買いに行った日の夜。
私はリビングで考え事をしていた。
……私のお兄ちゃんは天才だ。
私の知っている1番古い事では、
お兄ちゃんは小学1年だった時、
何故か私に英語で話しかけていた覚えがある。
しかもちゃんとした文だった。
後から聞いた話では英語の試験を受けて最年少で受かり、テレビにも呼ばれたらしい。
無論母が断ったが、そういう存在がいるとだけ紹介された事で才男を一目見たいという事で家を探し当てられ、その後裁判を起こしてテレビ局を訴えるなんて大騒動にまでなったらしい。
因みにその時お兄ちゃんはパジャマが気に入らなくてグズっていた。
次は小3の時だ。
テレビで後数十年は解けないだろうと言われていた何かの数式を見たお兄ちゃんは
「ん?んん?んんん〜〜???」
と言った後に紙に凄い勢いで何かを書き、お母さんに頼んで何処かに送って貰っていた。
お母さんも頼られた事に酔いしれ、
どうせ不備があって送り返されるだろうと何も考えずに言う事を聞いていたのだが、
その数日後、
その数式が解かれたというニュースとともに凄い数の報道陣が引っ越した場所に殺到していた。
まぁ考えたてみたら当たり前だ。
専門家が解いて後数十年かかると言われた物を番組を見て試したら解けたと言うのだから。
因みに手に入ったお金は凄かったと言っておく。
私達はまた引っ越した。
さらに因みにだが、
その時お兄ちゃんはそろそろ自分の部屋が欲しいとグズっていた。
そして引っ越すと聞いて申し訳なさ半分嬉しさ半分の顔をしていた。
うん。
原因はお兄ちゃんだけど、
そうじゃないんだよお兄ちゃん。
次は小4だ。
お母さんの携帯を見て沈黙。
そして何かをお母さんに質問したかと思うとまたしばらく沈黙。
そしていきなり株を買って欲しいと頼んでいた。
あんまり必死に頼むのでお母さんが去年手に入ったお金の半分までねと言う許可を出した。
まぁ元々国から最低額の補助は貰えるしお兄ちゃんが稼いだお金だからね。
ただ、全額を一つの会社に注ぎ込んだ時はお母さんが倒れそうになった。
その1年後、新しい携帯を発明して株価が跳ね上がりお母さんは倒れた。
……因みにだが、数年後にもういいやと言って株を売り払った後、少しずつ株価は落ちて言った。
お金が洒落にならなくなってきた。
ここでさらに因みにだが、
お兄ちゃんは共学に言ってみたいと母に言い、説得されてグズっていた。
中学になると小学校よりも勉強に精を出し、それを見て母はホッコリしていた。
うん。だって男の子があんなに頑張ってる姿なんて珍しいもんね。
その数ヶ月後、家に届いた全国1位の成績表をみて母は倒れた。
因みにお兄ちゃんは、
『パーフェクト取れなかったぁ』とグズっていた。
お祝いはお寿司のチェーン店。
因みに兄はグラタンばかり食べていた。
それを指摘したら『子供のうちしか食べる機会あんまりないから』と笑っていた。
……やろうと思ったら一生グラタンいけるよ??
……うん。やはりお兄ちゃんは天才だ。
しかし天才だからこその弱点に目を向けなければならない。
お兄ちゃんの弱点、
それは『偏り』だ。
お兄ちゃんは天才だけど、興味がない物には極端に疎くなる。
過去の報道陣に気付かなかったのと、今日がいい例だ。
その中でもお兄ちゃんは特に性的な事に理解が無さ過ぎる。
学校でも、
『やはり勇希様も女は嫌いらしい』
『勇希様はそういった話は聞く事すら嫌らしい』
『しても冷めた目で見られるだけらしい』
『同性すら興味ないらしい』
『そもそもそういう話をする意味を見出せないのでしたら二度と話してくれなくなるらしい』
…こんな感じらしい
……いや、別にこれには問題はそこまでない。
最後はともかくとしてそれまでなら少数だがいる事にはいるのだ。
だが、お兄ちゃんはこのレベルでは収まらない。
お兄ちゃんには、危機感が全くないのだ。
男子のあからさまな物には気付いているが…。
……いや、気付けてしまえるせいで女の隠した欲望にとことん鈍い。
私も何度オカズを提供してもら……ゲフンゲフン!!
というか恐らくだが、
そもそもお兄ちゃんの中に女性が危険という概念がない。
普通ありえないが、分からなくもない。
お兄ちゃんは男子校に通っていたし、
そういう話が嫌いなので知識を与えてくれる人はいなかっただろう。
私達は嫌われるかもしれない事を言うわけがない。
お母さんに至っては偶に凄いことをする以外、
天使のように奇跡的なほど優しいお兄ちゃんを変えないために情報規制に余念が無さ過ぎる。
高校で携帯が買えるのも防犯の為、しかも余計な知識が入らないようガラケーだ。
私にもそういった事を絶対伝えるなと鬼気迫る様子で言ってきた。
………あれ?もしかして私達のせい?