そして戦闘シーンは相変わらず下手くそなのでご容赦を。
―――アインside
時速2500㎞を軽く超えるスピードで銀の福音(以下福音)に接近する。黒鋼の絶対防御は
「見えた」
『行くわよ、アイン』
シュペーアを展開して回転しながら散弾で撃つ。
すると福音は右に急旋回しつつ、回避するが、右翼に展開された焔四基のレーザーを食らった。
左翼に展開していた焔四基を追わせ、前後から攻めると上へと逃げたる福音。そこに向けてミサイルポッド《重砲》を展開して撃つ。
「敵機確認。迎撃モードへ移行。《
機械音声の言葉に操縦者の意思がないものと判断した俺の頭に、一人の容疑者が浮かび上がった。
(なんて考えている暇はないか)
機体一回転させた福音はそのまま上昇。俺は重砲とシュペーア、焔で迎撃するも、さすがは軍用と言うべきだな。スピードが早い。
(だが、俺たちで仕留められないほどではないな)
そう確信するといきなり作戦本部から通信回線が開いた。
『ウォーヴェン、今すぐ戻れ』
「はぁ?!」
まだ仕掛けたばかりなのに何を言っているんだ、この女は。
「偵察の任務は生きて情報を持ち帰ることだと承知している。だが、いくらなんでも早すぎるだろ」
『……学園上層部からの命令だ。織斑と篠ノ之で迎撃しろとのことだ。今二人には準備させていて、もうすぐ出る。今すぐ離脱しろ。いいな』
まだ回線は開いた状態だ。だから俺はそのまま本音を言ってやった。
「……篠ノ之束か」
『………』
「そうじゃなかったら篠ノ之を出撃させる意味もないだろうしな。おそらくコアを一つ提供したってところだろ」
俺の言葉に対して無言を通す織斑千冬。彼女もそうだと思っているらしい。向こうの破天荒さも相変わらずだろうし、こうなるのはもはや当たり前のレベルだろうし。
『これでわかっただろう。今すぐ福音を撒いて離脱しろ。さもなければお前まで―――』
「………それがどうした?」
『何?」
「それがどうしたんだ。あぁ、別にお前が責任を負う必要はない。俺のせいにすればいい。教師としても大した期待なんてしていないさ」
福音がこっちに突っ込んでいることを確認しつつ、俺は龍牙以外は消した。
「それにお前が中途半端なのは―――昔からそうなんだから」
『待て! 今のはどういう―――』
回線が俺ではなくクロによって閉じられる。
『言い過ぎよ、って本当なら言うべきところなんでしょうけど』
『悪いなクロ』
『別に謝る必要なんてないわ。友達面している癖に止められない無能に同情する気はないから』
足蹴りを叩きこんでくる福音に対し、龍牙を横に振って黒い波動を飛ばす。
「La?!」
途中から歌い始めた福音は面食らい、避けようと体を回転させるが甘い考えだ。見事に食らった福音は攻撃の後付効果の爆発によって大ダメージを食らったはずだ。
―――だが、その予想は大きく外れる
晴れた煙から先程と変わらない銀色の装甲が姿を現し、その手には槍を持っていた。
『……これ、アメリカのデータベースにない奴よ』
『ということはやっぱりあの女か』
《武器名:ジャッジメントランス》と出たので俺は思わず吹きそうになった。お前に誰かを裁く権利があるのかよって話だ。
俺から距離を取り、福音はウイングスラスターの砲門をすべて開いて発射する。
さらに俺の方へと一直線に飛んで槍で突いてくるが、
「あめぇえんだよッ!!」
龍牙を振り回す度に出る曲がるレーザーで迎撃し、今度はこっちが距離を取ってシュペーアで牽制。そして、
「舞え、飛空斬!」
これだけは技名を叫ばないとまだ出せないレベル。だが任意で方向を変えられるし、使い勝手はいい。
「ラァッ!!」
最後は伸び、一対の翼をぶった切って海に叩き落とした。
『……なんとかなったな』
『これで一安心―――いや、まだよ』
ホッとしたかと思いきや、クロは慌てた様子で黒鋼のハイパーセンサーに海面を映した。
見るとそこは光っており、さっき福音が着水したところから何かが―――いや、形が少し変わった福音が銀の膜を被った状態で浮かびあがってきた。
それを解き放ち、ようやく姿を確認できた。
「……ヤベェ」
『…アイン。……え? 待って!? どうしてあなたが―――』
ハイパーセンサーに何かが映し出されると同時に福音が爆発する。
「……何だ、これ」
まるで鬼を模したようなヘッドバイザーをした何かがそこにいた。
■■■
―――秋羅side
「福音が撃墜?!」
『ああ。だが二次移行して今はウォーヴェンが所属不明機と福音を同時に戦っている』
姉さんからそう説明され、箒の背中に乗った僕は心の中で奴に対して悪態を吐く。
(だからさっさと戻ればよかったのに)
今頃僕たちの救援を待っているに違いない。気に入らないけど、死んで姉さんの責任にするわけにはいかないから仕方なく助けてやることにする。
『!? 織斑君、気を付けてください! そちらに所属不明機が―――』
山田先生が突如通信回線に割り込んでそう言ってくるがすべていう前に僕は上に飛んで回避する。
「大丈夫かい、箒」
「ああ、なんとかな」
僕への攻撃が当たると思っていたらしいその機体は、驚いた仕草をする。
「『驚いた。まさか今の攻撃を回避するなんて』」
「あんな突っ込むだけの攻撃を回避できない方がおかしいさ」
雪片弐型を展開し、僕はそう答える。
箒は雨月と空裂を展開して戦闘態勢に入る。
「貴様は何者だ……と言っても答えんか」
「『もちろん。あなたたちのことは知ってるけど、だからと言って私はみすみすあなたたちに情報を渡すつもりはないもの、マヌケちゃん』」
その言葉を受けた箒が雨月で攻撃しようとするが、背中を踏み台にしたその所属不明機は僕に向かって飛んできた。
「『ねぇ、この世界はおもしろい?』」
近接ブレードを展開した所属不明機はそう問いかけてくる。
「さぁね。でも今は、あのクズがいなければ十分に満喫しているさ!」
雪片でそれを受け止めるとそれを支えにして踵落としを食らわせてきた。
「くっ!?」
「『………へぇ』」
―――ゾクリッ
急に寒気がし、僕はその場から離れようとするが遅かった。
「『あなたにそれを言う権利はないのに……何様のつもり?』」
ビームが僕を襲い、シールドエネルギーが一気に減る。
(そんな!? まだ零落白夜は使ってないのに?!)
「『まだよ、まだまだ。一夏が味わった苦しみの半分も味わってないのだから』」
途端にその女が光はじめ、僕は眩しさのあまりに目を瞑ってしまう。
「『死になさい―――不穏分子』」
途端に腹部辺りに衝撃が走り、その所属不明機が遠ざかった行く。次第には見覚えがある白い装甲が視界に入り、何らかの痛みが走る。
そして徐々に霞んでいく視界。最後に見えたのは、苦しむ箒だった。
■■■
「秋羅ッ!!」
秋羅がたった一撃で吹き飛ばされ、海面に直撃してから沈む。
「『ん~。やっぱり脆かったか~』」
まるで予想通りだと言わんばかりの所属不明機。だが箒はそんなことよりすぐに秋羅の元に向かおうとするが、
「『おっと。行かせないわよ』」
自分の機体色と同じ機体が目の前に現れ行き先を塞ぐ。
「邪魔だ! 退け!!」
「『はい、どうぞ―――なんて展開にはならないわよ~』」
箒を蹴り飛ばした所属不明機。唯一見える口は笑っていた。
「邪魔を…するな!!」
空裂で攻撃し、さらに紅椿にのみ今の所搭載されている展開装甲が射撃を行うが、所属不明機はそれをいともたやすく。
「『へぇ。展開装甲かぁ』」
「?!」
いともたやすく見抜いたことに驚きを隠せない箒。だが、その後に出てきた言葉に箒を止めてしまった。
「『にしても今更そんなお古な装備って、時代遅れね』」
するとまるで誇示するかのように所属不明機は形状を変える。
「なん……だと!?」
「『あのクズテロリストも開発できるのよ。私が開発できないわけがないじゃない』」
展開装甲を出した所属不明機はさっきよりも倍以上のスピードで箒に接近し、連撃で箒の動きを封じた。
「『…こんなものね』」
ボロボロになった箒を捨て、ある一点を見る。
「『……来たわね』」
再び戦闘態勢に入る所属不明機。そして現れた三機のISを見てにやりと笑った。
「箒さん!? あなた、秋羅さんは―――」
「『沈めたわよ』」
あっさり答える所属不明機。その言葉に激昂したセシリアは攻撃を仕掛けようとするが、ラウラが瞬時にAICを使って止めた。
「止めないでくださいな、ボーデヴィッヒさん!」
「落ち着けオルコット! どう考えてもここは二人の回収が最優先だ」
福音は早々に撃墜された。
そして秋羅と箒の二人が目の前の所属不明機にあっさりと負けたことで千冬から仮の部隊長を任されたラウラは所属不明機の戦闘力は少なくともアインと同等かそれ以上と判断する。
「―――じゃあ、それはアンタたちがしなさい」
そう言って鈴音は双天牙月を展開し、構える。
「『ふーん。私としてはそっちの方と戦ってみたいんだけどなぁ』」
「悪いわね。こっちはアンタと戦ってみたいの―――よッ!!」
瞬時加速で所属不明機の前に接近した鈴音。双天牙月を横に振るが、既に所属不明機は距離を取っていた。
するとその所属不明機に向かって閃光が走る。
「―――これ以上仲間はやらせない!」
二次移行した白式を纏った秋羅が乱入し、所属不明機に斬りかかる。
「『………まだやるんだ、不穏分子』」
所属不明機は展開装甲を切り離し、ビットとして扱い始めた。
「こいつ、展開装甲をビットとして―――いや。ビットを展開装甲のように扱っていたのか」
「『まぁ、似たり寄ったりって所ね』」
ビットを戻し、再び射出して秋羅へと向かわせると思いきや、急に方向転換して箒の所へと向かっていく。
「セシリア!!」
箒のフォローに入っていたセシリアが間に入り、同じくビットを展開した。
「念のためにストライク・ガンナーを量子変換しなくて良かったですわ」
「『だけどあなたの弱さゆえ、その行為は仇となる』」
ストライク・ガンナーは強襲用高機動パッケージであり、ビットの射撃機能を封印してしまうのでその分の火力を補うために武装が二つ送られてきていた。
それを展開しようとするセシリアだが、そのスピードを遥かに超えた所属不明機がセシリアを吹き飛ばす。
「セシリア!?」
「『無謀よ。まともに
「!?」
事実を言われたセシリアは動きを止めてしまい、その隙に所属不明機は箒の場所へと向かう。
だがセシリアが作った時間を秋羅は無駄にせず、所属不明機と箒の間に入る。
「箒をこれ以上どうする気だ」
「『巻き込まないための処置だけど?』」
「巻き込まないため?」
「『そう。巻き込まないため。あのゴミ兎は自分が神だと思っているから普通に渡したけど、本来ならそれがどれだけのことか理解できないからさ』」
一拍置き、その所属不明機はIS界では禁句に等しいことを言った。
「『あのクソ束は、自分が愚者だと認めらないガキなのよ』」
「束さんの………悪口を言うな、このテロリストが!!」
激昂する秋羅。零落白夜を発動し、光の刃が所属不明機へと向かう。
「『笑わせる』」
機械だが、周りにいる秋羅と箒以外の全員がその声に怒気が含まれているのを理解した。
「『ならば貴様は―――ここで死n―――』」
所属不明機が光の刃を躱して秋羅を切ろうとしたとき、二人の間を何かが通った。
「ボーデヴィッヒ」
「…アイン」
「こいつを頼む」
そう言って後から現れたアインはラウラに女性を託した。
「『………そうね。やっぱり自分の手で決着をつけたいか』」
「……何の話だ?」
「『良いわ。あなたはいずれ知ることになるから、今は話さない』」
そう言って所属不明機はそこから離脱し、秋羅はそれを追おうとするがアインが止めた。
「何するんだ!? まだ敵は生きているんだぞ!!」
「それがどうした。それとも何か? ここにいる手負いの奴らを見捨ててやりあう気か?」
「………」
アインに指摘され黙る秋羅。
その後、彼らは花月荘へと帰還した。
今度の投稿で三巻の内容は終了。その次はオリジナルだけど、予定通りうまくいくか心配だ。