ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~   作:syogo

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お待たせしましてすみません!!


さて、カオスな状況の中、翔クンはどうするのでしょうか?
それでは、続きをどうぞ。


第10話 2時間目 ~平凡な高校生の入学式~

 

………ど、どうすれば。

 

 

ドアを開けてから3秒。このカオスすぎる教室の光景+空気に、俺の脳内の緊急サイレンがウーウー鳴り始めている。

目の前の壇上には、突然の俺の登場で驚いたような顔をしている梨子さん。

そして教室の後ろの方の席には、立ちあがっている千歌ちゃん。…おい、いつまでロミオポーズしてる気だ。いいかげんその腕を下ろしてはくれないか。

さらに、千歌ちゃんの隣の席に座っているのは、昨日プールで会った、曜ちゃん。…あの、なんでジト目で見てるんですか。俺、この状況でどうしたらいいかわからないんすけど。

 

……さらに固まること10秒。

 

 

俺が教室に入ってから、誰も一言も発する事のないまま時が過ぎる。

このままだと、何時間でも膠着状態が続いてしまうんじゃ……、と思った時。

梨子さんの隣に立っていた先生が、動いた。

 

「さ、さぁ!桜内さんは、高海さんの前の席が空いてるから、あそこに座ってね。…それと、榮倉君。次はあなたの番よ。こっちに来て。」

 

その瞬間、まるで止まっていた時が動き出したかの様な感覚に陥った。体中こわばっていた筋肉の力が抜け、脳内サイレンも鳴りやむ。…あぁ、ありがとう先生。あと、梨子さんと千歌ちゃんの存在が強すぎて忘れててごめんなさい。

 

「は、はい。」

 

先生に促され、梨子さんが席に向かう。席の方を見ると…、やっと千歌ちゃんも座ったようだ。席に着いた梨子さんと小声でなにか話している。…って、曜さん?なぜ、あなただけ俺に対するジト目が継続されているんですか。俺なんもしてないじゃないですか。

 

そんなジト目(+クラスの視線)を浴びながら、梨子さんがいた壇上へ向かう。

 

「さ、さぁ。自己紹介をしてね。」

 

先程の沈黙を打ち破ってくれた救世主様に促され、クラスのみんなの方向を向く。……うっ、クラスのみんなの視線が痛い。

膠着状態が解けたとはいえ、微妙な空気感はいまだ残っている。…まぁ、当然だろう。転校生が来ることは、まず貴重だろうし、それが同時期に二人、しかも俺は「男」なのだ。みんなが警戒するのも無理はない。

…くっ、切り出しづらい。

しかし、これ以上延ばしてしまっても、より苦しくなるのは明白だ。

心の中でそう感じた俺は、口を開き…

 

「埼玉県から来ました。 榮倉 翔 といいます。これから、よろしくお願いします。」

 

軽く頭を下げながら、そう言い切る。…よし、言えた!出来たぞ俺!良く頑張った!

 

…と、少し安堵して顔を上げると。

は?? と首をかしげているクラスの人たち。な、なぜだ!?ちゃんと名前言ったぞ!?なにかおかしい所あったか!?

と、しどろもどろしている俺に、先生が横からこっそり耳打ちする。

 

(榮倉君。…なんでこの学校に来たのか言わないと!)

 

……あ。

そうだった。ここは「女子高」。基本的に男がいるのはおかしいのだった。

 

「え、えっと…。父親の転勤が理由で内浦に来ることになりまして________

 

 

 

 

クラス全員からの視線を浴びながらの俺の説明は、実に10分以上続くのであった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんとか乗り切った………。」

 

椅子に座りながらため息をつく俺を、両隣りに座っている千歌ちゃん、曜ちゃんがクスクス笑う。

場所は変わって体育館。入学式に出席するために、あの後すぐに移動したのだ(俺の自己紹介、もとい釈明が長すぎてすぐ移動になった、というのは別の話。)。

 

「転入初日から、遅刻するのが悪いんだよっ。」

 

教室でずっと俺をジト目で見続けてきた曜ちゃん。…ちなみに、なんでジト目で見てきたのか聞いたところ、「男の子のクセに、自分から動かなかったから。」らしい。

 

…いや、だって女子の視線が痛かったんだもん。緊張してたし。あんな空気だったし。

俺の考えてることがバレているのか、軽いジト目をしてくる曜ちゃん。…はいすいません、言い訳しません。

 

「そ~そ~。さっきの話もすっごく長かったし! 一言、『チカの家に住んでます。』でいいじゃん。」

「余計誤解を招くだろうがっ!!」

 

さらに俺が口を開こうとしたところで、体育館内に先生のアナウンスが流れる。…どうやら、式が始まるようだ。

 

「新入生、入場。」

 

パチパチパチ、と拍手を浴びながら、1年生たちが体育館内に入ってくる。……お、おぉ、少ないな。

ざっと見て40人弱くらいだろうか。約一クラス分か…、俺はそんな事を考えながら、少しの期待を持って男子を探す。

…が、いるわけもなく。

大きめの制服の裾をつかみながら、どことなく緊張した表情の新入生たちは次々と着席していく。

 

「かわいいね~。新入生たち!…特に、あの子達。かわいいなぁ~。」

 

千歌ちゃんが俺の制服を引っ張り、指を新入生の方に向ける。

その先には、赤い髪のツインテールの子と、その隣の薄い茶色の髪を下ろした子の後頭部が見える。

 

「そ、そうなのか?…良く見えたな。俺たちの横を通ったのって、つい数秒だろ?」

「にしし、かわいい子には目がないのだよ♡」

 

ドヤ、と親指を立てる千歌ちゃん。…そ、そうかい。

 

「理事長の挨拶。  …小原理事長、お願いします。」

 

先生のアナウンスが流れる。…どこか、アナウンスの声に曇りが感じられたのは俺だけだろうか。

「高校生のクセに、理事長なんて。」そんな先生の心情など、まるで気にしてないようにニヤニヤ笑顔で登壇した鞠莉さん。…お、恐ろしい。

 

『新入生のみなさん。入学オメデトウ。』

 

おお、鞠莉さん、マジメな挨拶もできるんじゃないか。

そう思っていた俺。 …だが、次の鞠莉さんの言葉で、体育館中が凍りつく。

 

『え~。新入生のみなさんには突然で申し訳ないのデスガ。  …この浦の星女学院は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来年度から、統廃合します♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「はぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全校生徒、約100人。全員の声が、体育館内に響き渡るのだった……。




鞠莉さんによって突然発せられた廃校宣言。


そしてついに次回から、『スクールアイドル』の事に徐々に触れていきます。
お楽しみに。
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