ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~ 作:syogo
俺「は、はい…。何でしょう、ダイヤ様…?」
ダイヤ「また、かなりの日数がお空きになられた様ですが、さぞかしお忙しかったのでしょうか…?」
俺「…は、はい。でも、執筆は進めて___」
ダイヤ「…ほお。では、貴方は2ndのHP先行の応募もせず、スクフェス感謝祭も行かずに、黙々と執筆、推敲を重ねに重ねて、これだけの間が開いてしまった。ということでよろしいですね?」ニッコリ
俺「すいませんばっちり応募しましたし感謝祭両日参加しました。」
ダイヤ「果南さーん?この不届き物にハグ(物理)してくださるー?」
俺「すいませんでしたぁぁぁぁ!!!!許してぇぇぇぇぇ!!!」
…はい、誠に申し訳ありません。久々の更新です。毎度毎度スミマセン…。
今回は花丸回です。
それではどうぞ…。
「はえぁぁ…。つかれたよぉぉ…。」
「はっ、はっ、はっ…。」
「ま、待ってよ曜ちゃーん…!」
「こ、これは…キツい…わ、ね…!」
「はっ、はっ…。は、花丸ちゃん!頑張ろう!」
「つ、つらいずらぁ…!」
GW合宿、2日目。
午前中は昨日と同じく、体力作りから始めようという事になり、「それならお勧めの場所があるよ!」と言う曜に引きつられ、俺にとっては2度目である、淡島にやって来ていた。
「こ、これは…。かなりきついぞ…。」
2度目の船に乗り、若干テンションが高かった俺だが、曜が言うトレーニング場所である淡島神社の入り口を見た瞬間に、一気に絶望へと落とされた。鳥居の先に見えるのは、階段、階段、階段。終わりの見えない階段に、俺の体は正直、始める前から悲鳴を上げていた…。
というか正直、俺は曜を舐めていた。ここに来るまでに多少なりとも曜の超人っぷりに気づいていれば、心の準備もできたのだけども…。と、俺はもう見えなくなりそうな曜の背中を見ながら、内心そんな事を考える。
今、思い返してみると、曜の体力は普通の女の子レベルではない事にはなんとなくは気付いてはいたのだ。…こんなに凄いレベルだとは思っていなかっただけで。
昨日の練習だって、ただでさえ足場の安定しない砂浜で筋トレ+長距離をみっちりしたにも関わらず、「動かしたりないよ~」とぶぅぶぅと不満げに言っていた。その時は『ああ、元気な奴だな…。』とほほえましい感じで見ていたがあれが仇となっていたのか…。
「…まあ、曜にぶつくさ言ってもしょうがない。体力があるのは良い事だし。…男の俺よりもあると、ちょっとへこむけど。」
もう一度曜前を見ると、曜の姿は完全に消えていた。自分との体力差にへこみつつ、呼吸を意識しながら、自分のペースで走って行く。ちなみに、順番は曜、千歌、梨子、善子、俺、ルビィちゃん、花丸ちゃん。…あれ、曜どころか、2年生+善子にも抜かれてる。…もしかしなくても、俺ってかなり体力ない奴なんじゃ!?
「はぁ…、はぁ…。る、ルビィちゃん。マルの事は気にしなくて良いから、先に行って?人のペースに合わせてたら、余計に疲れるでしょ…?」
「で、でも…。花丸ちゃん…。」
「ほ、ほら…っ。早く、行って…?マルは、後から行くから…。」
「…う、うん。わかった。」
しばらく階段を上り進めたところで、看板に『ロックテラス』と書かれている、ベンチが設置されている、休憩所のような場所が。そこで一度立ち止まった俺が息を整えていると、後ろから声が聞こえてきた。会話から、花丸ちゃんがルビィちゃんを先へと促している様だった。…しばらくすると、ルビィちゃんがやってきて、俺にぺこりとお辞儀をすると、そのまま立ち止まることなく先へと進んでいった。というか、ルビィちゃん結構早い…。下手したらさっきの俺のペースより早いんじゃ…。
「はっ…。はっ…。はっ…。………はあ、はぁ、はぁ。」
ルビィちゃんが先に行ってから数十秒。…ふらふらとしながら花丸ちゃんが階段を上ってきた。相当参っているようで、足元がかなりおぼつかない。俺は花丸ちゃんの元へと駆け寄ると、花丸ちゃんは俺の目の前で止まり、膝に手をついて息を荒げる。
「大丈夫か…?花丸ちゃん…?」
「だ…、だい、じょうぶ……ずら…。」
「大丈夫じゃないだろ…。ほら、そこにベンチがあるから。そこまで歩けるか?」
「ず…。ずら…。」
俺は花丸ちゃんの背中に軽く手を当て、ベンチまでゆっくりと誘導する。そしてベンチに座らせると、俺は腰につけているポーチからペットボトルの飲み物を取り出し、花丸ちゃんに手渡す。相当しんどそうにしている花丸ちゃんは、俺からそれを受け取ると、よっぽど喉が渇いていたのだろう、すぐに飲み始めた。
「…っく。ぷはぁっ。…ふう。師匠、ありがとうずら…。」
「いやいや。そんな事より、大丈夫か?」
「少し休めば、大丈夫ずら…。…えへへ、なんか最近、師匠から飲み物ばっかり貰ってる感じがするね。」
「そりゃあ、一応君たちの裏方だからな。そういう準備はしてきてるんだよ…。あ、今日はタオルもあるぞ。…ほれ。」
俺は再度ポーチの中を漁り、花丸ちゃんにタオルを手渡す。花丸ちゃんはお礼を言いつつそれを受け取ると、顔に当てて、汗を拭きとった。…が、体が未だ火照っているままなのか、貌からツー、と汗が一筋、また一筋と流れる。大丈夫だろうか。確かに最近暑くなってきたとはいえ、少し汗をかきすぎな気もするが…。
「…ふう。少し落ち着いたずら。ごめんなさい、師匠。足を止めさせる事しちゃって…。マルはもう大丈夫だから、先に行って欲しいずら。」
「何言ってんだ、さっきも言ったろ?俺は君たちをサポートするんだから。回復するまで、一緒にいるよ。何かあったら大変だしな。」
「で、でも…。マル、凄く足遅いし…、体力ないから。迷惑になっちゃうずら。」
「俺も体力無いから、一緒だよ。…さっき善子の後ろ走ってたしな。はは…。」
さっきの事実をもう一度自虐し、乾いた笑いをする俺。やっぱりこの辺に住んでる人達って、体力あるのかなぁ…。『田舎の人は元気いっぱい』っていう、俺の勝手な偏見だけど。でも…、あながち間違いでもないよなぁ。曜はめっちゃ速いし。さっきのルビィちゃんのペースも、結構ハイペースな感じに見えた。うん、やっぱりそうなんだろう。自然に囲まれて育った子は、自然と基礎体力もついていくんだろう…。あ、梨子…。都会から来たのに俺より速い…。………。
「師匠?どうしたずら?」
「…え?ああいやなんでもないよ…。うん…。はは…。」
もうこの事を考えるのはやめよう。うん。どんどん自信がなくなってくる…。
「…師匠は、運動苦手ずら?」
「あ、ああ…。人並みの体力だとは思ってたんだけどね…。」
「マルもずら…。マル、小さい時から本ばっかり読んでたから。外で遊ぶ、とか全然してこなくて…。そのせいか、今ではこんな感じで…。」
「そうか…。俺も、一応部活とかはやってたけど。そんなに走り込みだとか、筋トレだとか熱心にやった記憶は無いからなぁ…。」
俺の心を見透けているかのようなピンポイント、どんぴしゃタイミングの話題に、内心ドキリとしたが、どうやら花丸ちゃんの悩みを俺に打ち明けてくれたのがたまたま重なっただけらしい。…しかし、初めて見たときから落ち着いている雰囲気の子だな、とは思っていたけど…。そんなに外で遊んだりしなかったのか。まあ、外で遊ばないのが悪い事では全くないし、寧ろ小さいときから本を読むって結構凄い事なんだと思う。俺なんて本なんか全然読まないからなぁ…。
「ルビィちゃんに誘われて、スクールアイドル始めたけど…。マル、体力ないし、本ばっかり読んでたから、その…明るくないし。『おら』とか、『ずら』とか言っちゃうし…。ルビィちゃんと一緒に入部届けにサインした時は、わくわくドキドキだったけど、最近…、ちょっと不安になってきちゃって。『ちゃんとスクールアイドルやれるのかな。』って、思う時があって。」
「……!」
ぽつり、と話の流れから出た、花丸ちゃんの悩み。いや…、「本音」とでもいうべきか。俺はそれを聞いた瞬間、真剣な表情で花丸ちゃんに向き直る。曜達の時と同じように、悩みを聞いて、相談に乗る。これは裏方としての最重要レベルの仕事だからな。『スクールアイドル』という未知のものに挑戦しようとしているんだ、そりゃあ不安にもなる。だから俺は少しでもその不安を取り除けるように、しっかり耳を傾けないと。
「花丸ちゃんは、スクールアイドルは、あんまり…。って感じなのか?」
「いえ、そんなことはないずら…。ルビィちゃん、善子ちゃん、優しい先輩たちと一緒に過ごす時間は、とても楽しいし。でも…、やっぱり、不安はあって。本屋さんでスクールアイドルの雑誌を見たら、そこに載ってる子たちは、とってもかわいくて、キラキラしてて…。マル、『ずら』とか言っちゃうし…、田舎者っぽいから、これから上手くやっていけるか、怖くて。」
「そんなことないぞ。花丸ちゃんはやっていけると思う。そりゃあ、まだ曲もないし、ダンスとかも練習してないけど…。きっと、うまくいくさ。」
「でも…。マル、体力ないし。今も、みんなは走ってるのに…。マルだけふらふらで。休憩してしまってるずら。こんなんじゃ、この先もみんなの足を引っ張ってばかりになりそうで…。」
だんだんと口調が弱弱しくなり、顔もだんだんと俯き始める花丸ちゃん。…まだ活動は始めたばかり。というか、まだスタートラインにも経っていない、いわば準備期間のような時だ。俺からしてみれば、花丸ちゃんの見切りは速いと思うし、これからみんなと頑張って行けば、この先きっと成功する、とも思う。しかし、それを花丸ちゃんに伝え、「だから大丈夫。」と励ましたところで、花丸ちゃんには何も響かないだろう。『自分の事は自分が一番解る』、とはよく言ったものだ。このままでは、最悪の場合「自分にはできない」と部を抜けてしまう恐れもあるかもしれない。それは絶対に避けなくては。もちろん、人数が少なくなって活動に影響が出る、という部分もあるが、何より、花丸ちゃんがそのコンプレックスを抱え続けたままになってしまう。なんとしても、避けなくては。
「…引っ張ったっていいんだよ。」
「え……?」
その俺の言葉に、ふっ、と顔を上げる花丸ちゃん。「何を言って…?」と、不思議そうな表情をしている。
「みんながみんな、全部の事を全員が同じようにできるわけないだろ?ほら、さっきだって曜がぶっちぎりで走ってたし。ああやって、足の速いやつもいれば、花丸ちゃんみたいに、走るのが苦手、って子もいる。そんな事、この先の練習でだって得意不得意が出てくるだろうし、出来ないからって責めるやつらじゃないよ、あいつらは。」
「で、でも…。迷惑かけちゃうのには変わらないし…。」
ニヤっ、と笑いながら話す俺の言葉に、少し表情が柔らかくなった花丸ちゃん…だったが、すぐにシュン、と落ち込んでしまう。花丸ちゃん…、良い子過ぎるだろ。
「そんなに気にする事ないんだよ。花丸ちゃんには花丸ちゃんの良いところだってあるだろ?得意な事とか。例えば…、そうだな、さっき本ばっかり読んでたとか言ってたから、相当な読書家だろ?それで得た知識で、歌詞作りの手伝いとかさ、できそうじゃん!」
「………!」
…と、何か感じたものがあったのか、そこで花丸ちゃんの表情がはっ、と何かに気付いたように、俺を見つめてくる。まるで、「自分にも出来る事がある…?」と俺に聞いているかのように。
「マルにも、出来る事がある…?」
「そうだよ。花丸ちゃんは足手まといなんかじゃないし、迷惑でもない。大切な、『スクールアイドル部』の一員だよ。」
「…!!」
その瞬間、彼女の両方の瞳から、ぽつ、ぽつ、と涙が流れる。
「自分にも出来る事がある」。みんなに貢献できる、という嬉しさからか、安堵からか。
彼女の瞳からは、何粒も何粒も、涙があふれ出してきて。
「し、ししょっ…!グスッ、師匠…!」
「おいおい、泣くなって!可愛い顔が台無しだぞ…?」
「ししょぉ~!」
「っておいおい、急に抱きつくなって!ビックリしたわ!」
「良かった…!よかったずらぁ…!」
ハンカチでも、とポーチに手を入れようと視線を移したところで、腕にかかる軽い衝撃。それが花丸ちゃんだと気づき少し驚いたものの、俺はふっ、と少し笑うと、花丸ちゃんの頭に手を当てる。
「…大丈夫。絶対、うまくいくよ。…なにせ、俺たちが直々にスカウトしたんだからな。」
「全く、グスッ、う、嬉しさが、ヒック、わからないずらっ…!」
「ふふっ…。泣くか笑うか、どっちかにしろって。」
頭を撫でながら、俺は腕に顔を埋めている花丸ちゃんに微笑む。いつの間にか高く昇っていた太陽から、木漏れ日が優しく2人を照らしているのだった。
●●●
その夜。
一人の少女が、湯船に浸かり夜空の星を見つめながら、物思いにふけっていた。
「なーにたそがれてんのよ、ずら丸。」
「…今日の事を振りかえってたずら。」
そう言って、親友の事を軽く受け流して、また空を見上げる。「なによ!ちょっとはかまってよ!」と声が横で聞こえてくるが、…気にしない。
…今日は、色々あったはずなのに。
みんなで淡島に行った。凄い量の階段を上った。おいしいご飯を食べた。
「それでも…。」
色んな事があったはずなのに。なぜか、頭の中があの人の事でいっぱいになってしまう。意識してるわけではないのに、自然と、今日のあのベンチでの出来事ばかり繰り返し再生してしまう。
「ふわぁ~。やっぱり温泉は気持ちいーねー!」
「ホントだねー!ヨーソロー!」
「曜ちゃん?泳いじゃ駄目だからね?」
「よ、善子ちゃん。ここの温泉、ちょっとあついよぉ…。」
続々と、みんなが湯船に入ってきても、夜空を見上げ続ける。
…なんで、あの人の事ばかり考えてしまうんだろう。なんで、あの人の言葉が頭を回り続けるんだろう。
「大切な、『スクールアイドル部』の、一員だよ。」
その時、夜空に一筋の光が流れた。
「花丸ちゃん?」
「おーい。どうしたのー?」
ああ、そうか。
「た、大変。湯あたりしてるかも…!?」
「ええっ!?は、花丸ちゃぁん!」
本で、何度も読んだ事がある___
「ずら丸!?大丈夫なの!?」
そうか、これが____
「これが、恋なんだ。」
果南「呼んだかなん?」
俺「ひぃぃぃぃ来たぁぁぁぁ」
ダイヤ「今回は、Aqours関連のイベントに参加していた、と言う事で刑は見送りましょう…。しかし、次回は、わかってますね?」
果南「ハグ、しよ?」
俺「ぜ、全力で書きますぅぅぅ!!!!」
…次回もお楽しみに。