ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~   作:syogo

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俺「………。」ドゲザ
果南「………」ハグッ
俺「ぎゃああああああ!!!!」バキバキメキッ
ダイヤ「前回、言いましたわよね?」
俺「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」
ダイヤ「毎回毎回、こんな事させないでください…。果南さん推しの方に申し訳ないのですわ。」
俺「次は必ずぅぅぅぅぅ!?!?!?」メキメキメキッ
果南「次は一緒にダイブだね。」
俺「ひぃぃぃぃリアル堕天するのは嫌だァァ!!」

本当に毎回ごめんなさい…。
では、3日目です。今回も花丸回となっております。それではどうぞ。


第28話 ~GW合宿3日目~

「師匠。マル、師匠の事が好きです。」

 

 

 

 

合宿3日目の朝。本日もお日柄の良い天気で、窓から入ってくるサンサンと照りつける朝日を浴びながら、各々談笑しながら朝食を摂っていた時____

爽やかな気分を一瞬にして破壊する攻撃力を持った、というか全く予想していない一言が全く予想できない相手から飛び出した。

カッチャーン。と箸を落とす音が5人分聞こえ、その音を試合開始のゴングとするように…、空気が一変した。因みに箸を落としたのは俺と発言の主以外の全員であり、かくいう俺も味噌汁のお椀を持っていたため、これを落とすと大惨事になる。という潜在的意識がなければ、今頃俺の箸もテーブルの上に落下していただろう。もっとも、その意識もすぐにこの動揺で書き消えてしまうような、かなり憔悴したものなのだが。

 

「ま…、まてまてまてまて花丸ちゃん!?まだエイプリルフールには早いぞ…!?」

「早い、どころかついこの間過ぎたばかりずら…。あ、この漬物おいしい。」

「なんで当の本人がそんなに普通でいられるの!?」

 

ひとまず手の中で凄い勢いでカタカタと震えているお椀を、なんとか溢さずにテーブルに置く事に成功し、安堵すると同時に視線を花丸ちゃんに戻す。…が、当の本人は自分の言った事に微塵も動揺を出さずに、小皿に乗っている漬物を口に入れ、ポリポリと食べている。こ、この子…。自分の言った事の意味が解ってらっしゃるのでしょうか?

 

「よ、よよよよよよーちゃん?い、今のって聞き違いだよねぇ!?」

「よ、よよよよよよーそろぉぉぉぉ!!!」

「よ、曜ちゃん!?お、おおお落ち着いてぇぇ!」

「ず、ずずずずらまるぅぅぅ!?!?!?何言ってんのぉぉぉ!?」

「は、ははは花丸ちゃん!?!?」

 

あっちはあっちで大変な事になってるし。す、凄い動揺してる…。他人を落ち着かせるより、まずは自分が落ち着けよ×5。…というか、今のこの状況、誰もツッコミ役がいなくない?いつものツッコミ役がこの現場を作りだすという特殊な状況、…あれ?一体だれが納めるの?

というか、なんで俺も落ち着いてきてるんだ?あれ…、一応俺、告白されたってことでいいんだよね?と、俺が一番動揺しているハズなのになぜか謎の落ち着きを見せ、周りのこの状況をどうしようかと考えると同時にまず、俺は本当に告白されたのか?と数十秒前の事実まで疑い始めたその時。

花丸ちゃんが俺の方に体を向け、動揺など全くないいつもの表情をしながら、カチャン、とテーブルに箸を置いた。

その瞬間、全員の視線が花丸ちゃんに集まり、しーん、と静まり返る。おお、鶴の一声とはこのことか。いや、箸の力だったから箸の一声か。と意味のわからない事を感嘆する俺。すると、俺の考えている事を読んだのか、花丸ちゃんが俺の事をジト目で見てくる(何度も言うけど、なんで俺の頭の中はいつも見透かされて以下略)。あ、どうもすいません、どうぞお話をお願いいたします…。

 

「師匠はたまに変な事考えてるずら…。」

「もう俺の考えが読まれてる事にはツッコまないぞ…。」

「あ、後、告白したのも本当ずらよ。」

 

あ、そこまで読まれてるんですね。と俺が少し肩を落とすと、花丸ちゃんがクスッ、と笑う。…もう余計な事考えるの止めよう。

 

「あ、そうそう。でも、さっきの告白には、少し語弊があったんです。」

「ご、語弊?」

 

そうだ、コンビニ行こう。みたいな軽い感じで手をポン、と叩いた花丸ちゃん。

 

「正しくは、師匠の事が好き『かも』しれない。って言いたかったんです。」

 

……。

………。

…………。

 

「「「「「「いやだから何!?」」」」」」

 

数秒の沈黙の後、全くの同じタイミングで同じツッコミを入れる俺たち。あれ、早くも合宿の成果が出てきたのかな?

 

「か…、『かも』でも、好きなことは好きなんでしょ!?」

「そ、そそそそうだよ!全く解決になってないよ!」

「で…、でも!気のせいってこともあ、あるかも…よ?」

「そ、そうよ!ずらまるの気のせいよ!」

「は、花丸ちゃん…!どっちなの…?」

 

「もう我慢できない!」とでも言いたげに、荒々しく席を立ち、俺と花丸ちゃんの周りを取り囲むように完全包囲をする5人。まぁ…、そりゃあこうなるわな。さっきの発言を撤回するのかと思いきや、さらに意味深な発言をぶっ込んでくるんだもの。俺は平静を装ってはいるものの、心臓はものすごいスピードで波打っている。「告白(?)」という今まで経験した事のない人生初イベントを、ただでさえ頭の回転が悪い朝っぱらから経験しているのだ。最初こそ驚きの方が心のパラメータを占領していたからまだ考える余裕が少しはあったものの、時間がたつにつれそれが薄れ、さらに今の意味深なセリフだ。「結局どっちなんだよ!?」と、「マジで告白だったら…!?」という期待と不安が俺の胸の中を渦巻いている。やっべえマジでどうなるんだ…!?

 

「…正直なところ、まだ解らないんです。」

 

「どっちだ、どっちなんだ…」とまるでカジノのルーレットで赤か黒か考えている人の様に血眼一歩手前の様な視線を送り続ける2年生+善子と、ただただ心配そうに見つめるルビィちゃん、さらに真正面から見つめる俺の視線を受けながらも全く動揺を見せない花丸ちゃんは、少し…、間を置いてから、そう言った。

 

「わ……、わか、らない…?」

 

ゆっくりとした口調で、そう告げた花丸ちゃんをぽかん、と見つめる俺。…と+5人。ふと視線をみんなに合わせてみると、全員が全員、「???」という顔をしている。あ、良かった、みんな同じ反応してくれてるわ。俺だけ話についていけてないのかと思った。

 

「はい。初めて師匠と会って、正直、初めて見たときは何とも思っていませんでした。へえ、女子高に男の人が入るなんて、ライトノベルの主人公みたいな事、本当にあるんだなぁ。って。」

「お、おう…。そうなのか…。」

 

ぐふ。…『何とも思っていなかった』というワードが心に刺さる俺。特に悪気があったわけじゃないのだろうが、彼女から語られた出会いがしらの印象がひどかった事にダメージを受ける。

 

「でも…。師匠と出会ってから、段々と印象が変わっていったというか。不思議な人だなぁ、って…。善子ちゃんを一日で学校に連れてきたのも、凄く驚きましたし。…今思うと、『師匠』って呼ばせてもらってる、あの時から、もうこの気持ちが芽生えてたのかもしれないずら。」

 

え、だとしたら初めて会ってからたいして経ってないときから、そういう感じだったってことか…!?…いやあ、周りから唐変木だの鈍感だの言われ続けてきたけど、あながち間違いでもなかったらしい。しかも、その経緯からすると善子が、その…いわゆる『恋のキューピッド』的な立ち位置だったんじゃ…。これじゃ堕天使の名目丸潰れだな。…といういつものどうでもいい思考は置いておいて。

なんていういつものくだらない思考を読まれたのかは定かではないが、少し話を止めていた花丸ちゃんが、ふっ、と話を続ける。

 

「…それに、いつも周りの事を見ている、優しい人だってことも。昨日の練習中の事だって、マルはとっても嬉しかったんです。…でも、マルは『恋』というものが何なのか、よくは解っていなくて。本では良く見る表現、場面ではあるけど、実際に体験したことはなくて。…師匠に興味を惹かれていて、それがどんどん大きくなっているのは事実です。でも、この気持ちが本当に『恋』なのか、まだ解らない。だから『かも』という風に追加で補足をさせてもらった、という事ずら。」

 

話が終わり、ふーっ、と小さく息を吐いた花丸ちゃんは、満足げな表情で軽く椅子にもたれかかる。俺はその様子を目で追いながら、先程の花丸ちゃんの話を頭で整理する。

えーっと…。まず、

①「俺に告白をしてきた。」

②「しかし、それは本当に好きなのかどうかは解らない。」

③「でも、俺への興味、関心が段々と大きくなってきたのは事実。」

…という所、か?

…うん。②から③への移行は理解できる。そりゃあ恋をした事のない人にとって、その感情がどのようなものなのか、解らないというのは、当たり前と言えば当たり前だろう。「そんなもん、感じたままだろ。」と言われてしまえばそれはそれなのだが、花丸ちゃんの性格+大量の読書家という事もありその気持ちというのは自分の中で論理的に説明がつくまでは納得できない、というような律義で難儀なものになっているのだろう。勿論、人の感じ方、考え方は千差万別だし、その事に答えが出るまでゆっくりと考えてくれれば良いと思う。

しかし、謎なのは①のことだ。まだ自分自身のその気持ちに答えが出ていないその状況で、なぜそれを当の本人に告白してしまったのか、という事だ。結局最終的には、これが告白なのかどうかも怪しい、変な雰囲気になってしまった。現に、さっきまで心臓バクバクだった俺の今の心音は、平常値そのものだ。緊張感など微塵もなくなり、ただただ「???」が残っている。

うーん…、、、やはり何度考えても花丸ちゃんの心情が理解できない。俺に伝えた意味は何なんだ?…でも、『かも』の告白とはいえ、「興味がある」なんて面と向かれて言われたら多少なり、いや大分花丸ちゃんの事を意識してしまうしなぁ。俺の事が好きなのか、それとも違うのかモヤモヤしたままだし…。

…。

……あれ?

もしかして、これって…。

 

「…師匠が自分で気づくなんて、ちょっと予想外ずら。そうです、この告白は、『師匠の意識をマルに向けてもらう』為の意味も含まれているんです。」

 

…。

……当たってたぁ!?嘘ぉ!?

「他人の思考を読む」という俺には不可能かと思われた所業を意外や意外、初成功し内心舞い上がる俺。だっていっつも俺の頭の中読み散らかされてたんだよ!?これで俺もスキルを会得して……、おっと調子に乗るのはやめよう。花丸ちゃんの視線が痛い。さっきはマグレマグレ、はははは…。

 

「…師匠はすぐに調子に乗るずら。」

「いや…、面目ないです。」

「…まあそれはいいとして。とにかく、これで師匠はマルの事を意識せざるを得なくなったずら。えへへ。改めまして、これから宜しくお願いしますね。」

 

『この気持ちの意味が解るまで、興味の対象にこちらに意識をしてもらう』

なるほどなぁ…。花丸ちゃんの気持ちが本当に『恋』だった時のための布石だって訳だな。確かに、「部活の仲間」としての目線と、「恋愛対象」としての目線は違うしな。予め俺に「恋愛対象」としての意識を花丸ちゃんに向けさせるようにした。例えば、ダンスを踊っている花丸ちゃんを俺が可愛い、と思った時、「部活の仲間」だとそれ止まりの可能性が高いが、「恋愛対象」として意識していれば、その可愛い、と言う感情がさらに発展するかもしれない。今は俺は花丸ちゃんに対してそういう感情は無いが、そうやって意識し続けているうちに、自然と…。という可能性もある。その時に花丸ちゃんの気持ちが本当に『恋』だったら、見事相思相愛カップルの完成___という、「告白の先行投資」って感じか。

と、俺がそこまで考えたところで、ジト目だった花丸ちゃんが、元の朗らかな表情に戻った。そして、軽くお辞儀をして俺にニッコリと笑顔を向けてくる。それにつられて、俺も…に、にっこり。

花丸ちゃん…、相当策士でございました。

だが、だとすると最後に一つ、素朴な疑問が残る。

 

「なぁ…、花丸ちゃん。こんなに直接的な方法じゃなくても、方法は他にもあったんじゃないか?勿論、花丸ちゃんの方法を悪いって言うわけじゃないけど。…俺が言うのも大分変で何様だよって感じだけど、ちょこちょこアピールをするとかさ、じわじわと距離を縮めていく方法もあっただろ?というか、むしろそっちの方がベーシックな感じだと思うけど。」

 

え????

その瞬間、全方位からの「何も解ってないよこの人…。」とでも言う様なため息が俺に向けて放たれた。花丸ちゃんなんて、「ずらぁ…。」と、もはや声が出てしまうほどの深いため息だ。…え?なんで?普通、そんな感じだよね?漫画とかドラマとか、大体じわじわタイプだよな。

 

 

 

「それが効かない前例がありまくるから、これしかなかったんずら…。」

 

…。

……全員の目が湿度100%を超えるジトジトさになっている。

 

「はぁ…。結局翔くんは翔くんだね…。」

「私、これからどうしたらいいか解らないであります…。」

「私たちも、こうするしかないんじゃないかな…。」

「意識ゼロだから、余計にタチが悪いのよね…。」

「が、がんばるびぃ…、です…。」

 

はーい、撤収撤収ー…。と、追加で全員一回ずつため息をつきながら各々の席に戻り、朝食を再開していく。彼女たちから流れる苦々しい雰囲気。…その後は、各々の咀嚼音が小さく響くばかり。俺は、話の後朝食が終わるまで誰とも会話をすることは無かった。

とまあ、そんな様子で俺の人生最初の告白イベントは、何とも言えない終わり方をするのだった………。




次は、こんなに間隔を開けない様に全力で頑張ります…!

次回で、合宿回は最終回、かな?
次もどうぞお楽しみに。
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