ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~ 作:syogo
そこに、あの東京からの転校生が…
「…一体、なんだったのだろう。」
夕焼けに染まる空を見上げながら、そう俺は呟く。
時刻は午後5時。俺と千歌ちゃんは砂浜で立ち尽くしていた。
「ま、まぁ、いいじゃん!!学校も決まったし!これで千歌と同じ学校だね、翔くん。家も同じだし…。ずうっと一緒だぁ。」
にししっ、と千歌ちゃんが笑う。俺はその言葉にドキっとする。そうだ、考えてみれば俺、女子高に入るんだ…。しかも男一人。
恥ずかしい事に、俺は女子への耐性がない。彼女なんて今までいたことないし、クラスの女子とだって、最低限レベルの会話しかしてこなかった。 あれ…、自分で言ってて胸が痛い。
「お、おう…。そうだな。学校でもよろしくな、千歌ちゃん。」
照れからなのか、少し早口にそう答える俺。ちくしょう、今まで女子と接してこなかった(というか機会がなかった)俺が恨めしい。
なにせ男は俺しかいないのだ。…なんとか普通に対応できるようにしなくては。
「うん!よろしく! …あっ!せっかくだから学校にも行ってみる?私、案内しちゃ………。」
千歌ちゃんの話が止まる。ん?なんだ?
千歌ちゃんの視線の先には、堤防の上を見ているように見える…。ん?待て、誰か…いる?
目を凝らして見てみると、制服を着た女の子が見える。なんだ…?なにしてるんだ、あの子?
と思っていると、女の子が動いた。上着を脱ぎ、スカートも脱いで、水着姿に…。…っておい!まさか…ウソだろ?
千歌ちゃんも同じことを感じたようで、
「ウソでしょ…まだ4月だよ…!?」
といって、走り出した。お、おいっ!!
俺も走り出す。……間に合えっっ!!
「……たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「「待て(待って)!!」」
ガシッ。間一髪…!俺と千歌ちゃんがギリギリで女の子を止める。痴漢、とか言われるかもしれないが、なりふり構ってられない。
「放してっ!行かなくちゃいけないのっ!!」
「待って!死ぬから死んじゃうからっ!」
「と、とりあえず落ち着……!?」
「「「あっ……」」」
ぼっちゃーん。
「「………で?4月にも関わらず海に飛び込もうとした理由は?」」
場所は堤防横の砂浜。うへぇ、海水がベタベタして気持ち悪い…。おまけに寒い。やっぱり春とはいえ水かぶった後の風は冷たい。
「……海の音を聞きたかったの。」
と、水着姿で体育座りをしている女の子が話す。
身長は160センチくらいだろうか。キリッとした目に、赤に少し茶色がかかったような髪をストレートに下ろしている。…美人だ。
「…海の音?」
くしゅっ、とくしゃみをした千歌ちゃんが聞く。…おい、マジか。水に濡れてもなおアホ毛が立ち続けているとは…。
「私、ピアノで曲を作ってるの。…でも、どうしても海の曲のイメージが浮かばなくて…。」
「へぇ~!曲を!作曲なんてすごいね!ここら辺の高校?」
…俺は千歌ちゃんのコミュ力の高さに尊敬する。俺、初めて会った人にそんな事聞けねぇよ…。
「…東京。」
「東京…!?わざわざ?」
「わざわざっていうか…。」
口ごもる女の子。…なにか特別な事でもあるのだろうか。
答えたくない、と感じたのだろうか、千歌ちゃんが質問を変える。
「あなた…名前は?」
「私?私は……
桜内梨子。」
辺りはだんだん暗くなってきている。風邪をひいてしまうから、と、梨子さんはそそくさと帰ってしまった。…結局何しに来たんだろうか。
しかし、濡れているのは俺たちも同じなので、とりあえず家に帰ろう、ということに。
「結局あの子、なんだったんだろ…。」
横を歩く千歌ちゃん。相変わらずアホ毛は健在だ。…どうやったら立たなくなるんだろうか。
「見た目からして…女子大生っぽかったように見えたけどな、俺。」
「翔くんもそう見えた!?大人っぽかったよね~、美人だったし!」
おう、やっぱり女子目線から見ても美人だったんだなあの人。…でも、ちょっと変わった人だったよなやっぱり。
そうこうしてる内に十千万に到着。…やばい、寒さの限界だ。風呂に入りたい。
だが、俺も男だ、レディーファーストの事は知ってる。
「千歌ちゃん、風呂にでも入ってきたら?俺の事はいいからさ。そのままじゃ風邪ひいちゃうぜ?」
ホントは俺も入りたい(けして下心はない)が、客用の大浴場を使うわけにもいかないだろう。部屋の布団にでもくるまろう。
そう思って2階に上がろうとする俺。が、千歌ちゃんが俺の服を引いて止める。ま、まさか…!?
「あ、あのさ…。そのままだと翔くんも風邪ひいちゃうし…、その…。」
ま、ま、まさか……!?!?
「一緒に入る?」
………マジすか?
桜内梨子、登場です。梨子ちゃんの髪の色は赤なのか…?
次回、まさかのお風呂回…なの、か…?
お楽しみに。