ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~ 作:syogo
さてさて、お次は千歌の幼馴染が登場…!?
ぴちょーん…。
湯気立ち込める風呂場で、俺は湯船に浸かっていた。
…それにしても、広い。大浴場、とまでは及ばないまでも、3~4人で余裕で入れる広さの風呂だ。
そのデカイ湯船の真ん中で湯に浸かりながら、俺は色々と考えていた。
「…今日はすっげぇ濃い1日だったな。居候先は旅館だし、こんな風呂デカイし。…それと、女子高の入学も決まったんだよなそーいえば。」
急に不安になる。…鞠莉さん、大丈夫だろうか。
「急に海に飛び込む変な人にも会ったし…。すっげぇ美人だったよなぁ、あの人。梨子さん、だっけ。」
何だったんだろうなあの人、と苦笑いを浮かべつつ、頭の上に乗せていたタオルで顔を拭く。
「後は…、千歌ちゃん。最初に会ったときからグイグイ引っ張ってくれたし、明るいし…。いい子だよなぁ。」
あと、かわいいし。すっげえかわいいし。
「…突然、「一緒に入る?」なんて言われた時は、すっげぇ驚いたけど。内浦の子たちって、みんなこんな感じなんかな?」
と、言ったところで瞬時に思い直す。ないない、そんなこと。
さっきの事だって、俺が風邪ひくから、って事で善意で言ってくれたことなんだから。
…後で、しっかり謝っとかないとな。
そう結論を出すと、ざばっ、と思い切り立ちあがった。
………
俺は、風呂上がりで濡れた髪をタオルで拭きながら、千歌ちゃんの部屋に向かった。
コンコン。
「千歌ちゃん?いる?俺。翔だけど。」
いまさらなんだが、千歌ちゃんの部屋って、俺の隣なんだな。プレートに「千歌の部屋」と書いてあり、吊り下げられている。
しばらくすろと、部屋のふすまが開き、千歌ちゃんが出てきた。
「あ、翔くん?お風呂入ったんだねっ。うちの風呂、広いでしょー。」
明るく出迎えてくれた千歌ちゃん。髪の毛がしっとりとしている。それもそうか、風呂入ったんだもんな。……相変わらずアホ毛は跳ねているが。
「立ち話もなんだし、入りなよっ!さ、どーぞどーぞ~。」
「え?あっ、ちょ、ちょっ…」
するっと俺の後ろに回り込み、背中を押して部屋に促す。俺はよたよたっ、と千歌ちゃんの部屋に入った。
中に入った瞬間、ふわっ、といい香り…というか、みかんの香りが俺の鼻孔をくすぐる。…なぜみかん?
部屋の広さは俺の部屋と同じ。勉強机が端に置かれていて、部屋の中心にはカーペット。その上に、ちゃぶ台が置かれている。それと本棚、ベッド。…べッドの上に、いくつか海の生き物のぬいぐるみが置かれている。あ、こいつ何て言うんだっけ。……そうだ、ダイオウグソクムシだ。
「てきとーにすわって!あ、みかん食べる?」
そう言ってスクールバッグの中からみかんを取り出す千歌ちゃん。…学校に持っていってるんすか。
ありがたくみかんを貰い、一粒口に入れる。風呂上がりで渇いた喉に、みかんの甘酸っぱさが広がる。…うまいなこれ。
「で?なにか私に用でもあったの?」
「おお、そうだったそうだった。じゃあちょっと失礼して…。」
と言って、千歌ちゃんの方に正対、正座。そして思いっきり頭を打ち付ける勢いで…
。
「さっきはすいませんしたぁぁぁ!!!」
「ええええええ!?」
古き良き日本の伝統、土下座。誠意を伝えるにはこれが一番。
だが千歌ちゃん、あんぐり口をあけている。あれ、誠意が足りなかったか。よしもう一度。
「すいませんし…「もういいよっ!!!」」
思いっきり止められた。
「いや、だってさっき、思いっきり逃げちゃったし…。千歌ちゃんは善意で言ってくれただけなんだろ?勝手に一人でテンパっちゃって俺…。」
「だ・か・ら!!気にしてないって!!…こっちこそごめんね?いきなり変なこと言っちゃって。」
…逆に謝られた。なんだ?この子は天使か?
「わざわざそんなことのために来てくれたの…?優しいね、翔くんは。」
なんか感謝されてる。…おかしい、悪いのは俺のハズなのに。
「いや、でも…「もういいって!!」」
「じゃあ、仲直りの握手ねっ! …はい、これで終わり!」
千歌ちゃんに手を握られ、ぶんぶん振られた。
「じゃ、そろそろご飯だから行こっか!今日は、翔くんの歓迎会らしいよ…?」
ニヤっ、と笑う千歌ちゃん。
まだ納得できてない気もする俺だが、これ以上うだうだ言ってても仕方ない。千歌ちゃんと仲直りできた、それでいいじゃないか。
そう自分で思い込み、千歌ちゃんの後を追って下へと降りていくのであった…。
千歌ちゃん天使回でした。翔クン、今度は気をつけろよ。
次回、あのヨーソローが…?
お楽しみに。