ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~   作:syogo

8 / 38
さて、後編突入です。
翔クンとヨーソローの出会い。


第7話後編 ~平凡な俺とヨーソロー~

 

 

…。

………。

……………遠い。

 

 

 

 

 

 

 

 

…かなり走った。体感、7~8キロくらい走ったんではないだろうか。

ちらり、と地図を見る。地図には、「道なりに進んで‘浦の星女学院前’のバス停まで行って、そこにある坂道を登った先」と解説が書いてある。

そうなのだ。走り始めてしばらくしてから気づいたのだが、バスが出ていたらしいのだ。なぜ、もっとよく地図を見ておかなかったのか…。正直、もう限界。卓球部にこの距離は辛すぎるぜ…。

 

 

 

 

 

ひぃひぃ言いながら、さらに走ること十数分。

………やっと見つけた。

‘浦の星女学院前’と書かれたバス停を見て、安堵する俺。よし、ここまでくればあとは坂道を………!?!?

 

 

 

 

 

…見た瞬間、へなへなと俺は座り込んだ。

かなり急な坂道が目の前にはあった。……だが、俺が見ていたのはそこじゃない。

遠くにポツン、と見える建物。あれが、浦の星女学院なのだろう。

…そう、ポツン、と見えるのだ。ポツン、と。

つまり、まだ到着には時間がかかり、おまけに坂道を登って行かないといけないわけで………。

 

今度から、色々なことに確認を怠らないようにしよう(特に地図)、と自分に言い聞かせるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はっ、…はっ、…はっ、……はぁっ。」

 

死ぬかと思った。

 

残りの力を振り絞り、全速力(すっげぇへろへろだったが)で坂道を駆け上がり、…やっとの思いで到着。

明日は筋肉痛だな。確定で。…明日から学校なのに。

半分涙目になりつつ、校門を見上げる。

 

 

 

 

 

 

‘私立 浦の星女学院’

 

 

 

 

 

ぱっと見、普通の学校、という感じ。…いや、普通じゃない学校って何なのかは知らないけども。

 

三階建ての校舎が目の前にある。それと体育館らしき建物、校庭。

…入って行ってもいいんだろうか。

しかし、せっかくここまで来たんだ。(しかも徒歩で)少しくらい見学しても罰は当たらないだろう…、と思い、おそるおそるではあるが、浦の星女学院に足を踏み入れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、駄目か…。」

早速、校舎にでも入ってみようと思ったのだが、鍵がかかっている。ガラス戸越しに校舎を覗くが、人の気配はない。

 

「開いてないんじゃしょうがねぇよなぁ…。」

 

確かに、今は春休み中だが。…でも、教師だって色々仕事があるはずなんじゃないだろうか。大体、一人くらいはいるもんなんじゃないのか…?

その時、頭に鞠莉さんが思い浮かぶ。…そうだ、ここの理事長鞠莉さんだ。あの人なら、「今はホリデーなんだからぁ、センセたちも休みましょ!休校休校♡」なんて言ってホントに休みにしてそうだ。

とりあえず、開いてない事にはしょうがない。

 

「あ、そーいえば。ここって、プールないんかな?」

 

俺の通っていた小、中学校にはプールがあった。25メートルの競泳プール。暑い夏の日に水に浸かれる有り難い授業。授業のある前日は、楽しみで眠れないときもなんどかあったものだ。

そんな昔の思い出に苦笑しつつ、それとなくプールを探して歩く。…いや、別に「プールがあれば、女子の水着姿拝める!」なんて決して思っていない。うん。

するとどこからか、

 

 

 

 

 

 

 

ぽちゃーん。

 

 

 

 

 

 

 

何かが水に落ちた音。…でも、小石が水たまりに落ちたとか、そんな軽い音ではなく、もう少し重い感じ。

 

「別に雨が降った、とかそうゆう訳じゃないしなぁ…?」

 

不思議に思った俺は、その音のした方へ歩みを進める。

体育館の角を曲がったところで、俺は異様な物を発見した。

 

白い柱が立っている。…飛び込み台だ。

なんで飛び込み台!?と思うも、プールを見つけたことの喜びで、若干ニヤケ顔になる(けして女子の水着が(以下略)。

……ん?

その飛び込み台の上に、誰か登っている。…女の子?

 

「あれ…。なんかこのパターン、見たことあるよーな…。」

 

その子は台の端に立つと、大きく深呼吸をし、構えて……。っておい!またかよ!?

 

「まだ4月だっちゅうに!!どんだけ気が早いんだこの辺の子たちは!!」

 

疲労した足に鞭打って走り出す。…だが、その子は俺に気づくこともなく台からジャンプ。

 

「早まるなぁぁぁ……おおぅ!?」

 

その子の飛び込みを見て、俺は理解した。

その子は「海の音が…」とかそういう理由じゃなく、練習で飛び込んでいるのだと。

 

…俺は競技の飛び込みを全く知らないから、うまく説明できないが。

空中に浮いた瞬間、足を抱え込み、そのままクルクルと前回り…1、2、3回?回った後は体を1本の線のようにピン、とはりそのまま着水。すげぇ、着水音が超静か。

 

そういえば、さっき聞いたぽちゃーん、って音もあの子だったんかな…?なんて思いつつ、プールへと近寄る。フェンス越しにプールを見ると、ちょうどさっきの女の子がプールサイドに上がろうとしていたところだった。

すげぇ~、もう一回やってくんないかな、なんて思いながらその子を見ていると、プールサイドを歩いてこっちの方へ……ヤベ、気付かれた?

…って、あれ?フェンス5メートル前くらいで、急に歩みを止めた。

一体何を…?と思った矢先、いきなりこっちにダッシュ。

 

「ちょ、ちょっ!?なにを!?」

「…とりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

と、フェンスに向かってジャンプ。そのままフェンスにしがみつくと、なんとまたいでこっち側に来た。…このフェンス、2メートルくらいあるんですけど!?

 

「捕まえたっ!!覗き魔だなぁ!?へんたーい!!」

「ちょっ!?待て待て、誤解だ!!」

「問答むよーう!!…どりゃぁぁぁぁ!!」

「うわぁぁぁぁ!?」

 

どしーん。いきなり服をつかまれ、そのまま足をかけられた俺は、なす術もなく地面へ。…うぉぉ、痛ぇ。

 

「ここは女子高だよ!?キミ、男の子だよね?…なにしてんの!?」

 

ぐい、っと詰め寄られる俺。

身長は…、155センチくらいだろうか。ボーイッシュな顔立ちに、ベージュ?に軽く白がかかった感じの髪が肩まで伸びている。癖っ毛なのだろうか、髪の先端がクルクルっとしている。ぱっちりした目。服装は競泳水着。…それもそうだ、さっきまで飛び込みやってたんだから。う…、それにしても目のやり場に困る。

 

「い、いや…。俺は、けして怪しい者ではなくて…。」

「じゅーぶん怪しいよ!!」

 

やばい、すっげぇ警戒されてる。このままだとマジで警察とか呼ばれるかもしれない。…それはマズイ、転入前からそんな騒動、起こしたら絶対マズイ。

 

「お、俺は…!明日からここに転入することになって…。学校がどんなんなのか見に来ただけなんだ!」

 

顔を赤くしながら、なんとかそう答える俺。するとその子は目を丸くして、

 

「え!?じゃあ、キミが千歌ちゃん家に来た、って男の子?」

「あ、ああ…。そうだけど。」

 

なんで知ってるんすか。…すると、ずずいっ!とさらに俺との距離を縮めて……って、近い近い!!

 

「うわぁ~!!じゃあ、キミが翔くんなんだぁっ?……あ、私、渡辺 曜 って言うんだ!よろしくね!」

 

すっ、と俺の手を取り、ギュッと握手。…おおう、この子、結構握力強い。

 

「あ、さっきはごめんね。ここ、女子高だからさ~。てっきり、不審者が来たのかと思っちゃって。」

 

にこっ、と笑いかけてくる、えっと…渡辺さん。か、かわいい。ボーイッシュな感じにかわいさもプラス。カッコかわいいとはこのことか。

 

「私ね、千歌ちゃんとは幼馴染なんだ。だから、キミがここに来ること、教えてもらっててね~。名前、翔くんで合ってるよね?…それにしても、イケメンだね~。さっき初めて見たとき、ちょっとドキドキしちゃった。」

 

俺って、そんなにかっこいいんだろうか……??謎だ。

 

「あ、ああ。俺の名前は榮倉 翔。改めてよろしくな、渡辺さん。」

「あ、名前で呼んで!私も、翔くん、って呼ぶから!」

 

…何だろうか、内浦の子達って。基本的にコミュ力が高すぎやしないか?

俺、初めて会った人に、「名前で呼んでくれよ。」なんて、言えないぜ?

 

「じ、じゃあ…。よろしくな、曜ちゃん。」

「よろしく!翔くん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、俺と曜ちゃんの初めての出会い。

 

 

 

…ちなみに、旅館の事は、すっかり忘れてた。




やっと曜ちゃん(ちなみに私の押しキャラです)を登場させられました。
曜ちゃんの話し方っぽくなかったらすいません…。
次回から、やっと翔クンが浦女に入学です。
お楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。