ストライドゲート事件の後、俺、新導クロノは夢の中でユニット達と出会った。
 この話は、トコハが留学する前に一時的に俺の手元にやってきた、【ラナンキュラスの花乙女 アーシャ】の話。

クロノとユニットをイチャイチャさせたかっただけ。

続きは無い。(2回目)

※キャラ崩壊とヴァンガードGのネタバレ注意
※この小説はPixivとのマルチ掲載です

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前作、クロノと【スチームメイデン エルル】もよろしくお願いします


クロノと【ラナンキュラスの花乙女 アーシャ】

「アーシャのSP? 確かあったけど……急にどうした?」

 

 カムイさんが【ラナンキュラスの花乙女  アーシャ】のSPが欲しいと言った俺に変な顔をする。

 まあ、予想はしていたけど。

 

「トコハの奴、そろそろ留学するじゃないですか。だから祝に何か渡したくって……」

 

 なるほど、と頷いたカムイさんは、掃除をしていたシンさんに声を掛けた。

 

「なら半額の1000円でいいぜ。店長、俺の給料から減らしといて下さーい!」

 

「いえ、私の分も載せておきますので800円までまけて、2枚あげちゃってください」

 

「はーい!

 そういう訳で俺達の分もよろしくな!」

 

「っはい! ありがとうございます!」

 

 本当に、カムイさんもシンさんも、良い人達だ。

 

 

 

 家に帰った俺は、シオンとプレゼントが被らないか心配になったので電話する事にした。

 

『あ、アーシャにしたんだ。そう言えばトコハ、SPが欲しいってずっと言ってたね』

 

「で、シオンはもう決まったのか?」

 

『取り敢えず、フランス語の本を送るつもりだよ。それが読める頃には、流暢に喋れる様になってると思う』

 

 それを聞いて安心し、本を送るのはシオンらしいと思い笑った。

 

「そっか……プレゼントが被らなくてホッとしたぜ」

 

『心配しなくても、被ったら僕の方で変えるよ』

 

「それはお前に悪いだろ」

 

『ふふ……クロノらしいや』

 

 何故か笑われた。それがどうも鼻についたので、俺は電話を切ることにした。

 

「……もう切るからな」

 

『うん、じゃあまた明日』

 

 

 

「クロノ! クロノ!」

 

「ん……またか……」

 

 もはやこれにも慣れてしまった。

 ストライドゲート事件から暫く経った後、俺の夢に俺の持つユニット達が現れるようになった。

 

 今日も昨日と同じ様に【クロノ・ドラン】の声で夢の中にやって来た。

 

「た、大変だよ!」

 

「今度はどうしたんだよ……」

 

 この夢で困った事と言えば……少し前に、ずっと不機嫌だったユニットと仲直りした事があった。

 

 まさか、また似たような事が……!?

 

「僕達の基地、お花だらけにされちゃった!!」

 

「え?」

 

 

 俺のデッキはギアクロニクル。歯車や機械がモチーフになってたりするクランだ。

 なのでその拠点も当然、機械や歯車でいっぱいの筈だったが……

 

「本当に花だらけだな……」

 

 赤い花が壁や床のみにならず、機械の外側にまで根を伸ばしている。

 

「女の子達や草食動物のギアビースト達は喜んでるけど、その内大事な機械まで根が伸びたら大変だよ!」

 

「んー……この花、どっかで見た事あるんだよなぁ」

 

 床に綺麗に咲いた赤い花を見る。

 内側から外側に花弁が開いていて、その枚数は多い。

 

 花に詳しくない俺でも、しょっちゅう見てる気がする……

 

「(花……花って言ったら、トコハ……トコハと言ったら……あ!)」

 

「あー! クロノ君だぁ!」

 

 背中から誰かに呼ばれたので振り返ると、この事件の犯人を見つけた。

 

「【ラナンキュラスの花乙女 アーシャ】!!」

 

「やっほー!」

 

 アーシャは鍬を手に持ちながらこちらに近付いてきた。

 

「君だな! 僕達の基地を花だらけにしたの!」

 

「初めて別のクランの場所にやってきたからちょっとテンション上がっちゃって! どう、綺麗でしょ!」

 

「綺麗だけど……こいつらの大事な物にまで根が伸びたら大変だから、出来れば片付けてくれないか?」

 

「えぇー!? もっと咲かせようと思ったのにー!」

 

「これ以上花だらけにされたら機械が動かなくなるよ! 片付けないとイタズラするよ!」

 

「ふふふ、グレード0のドランちゃんがどんなイタズラをするの?」

 

 なんか嫌な雰囲気になってきたし流石に止めるべきだろうか?

 

「行っけぇ、【クロノドーズ・シープ】! 【クロノボレー・ラビット】!」

 

 ドランの合図と共に歯車の飾りを頭につけた羊と足にブースターを着けた兎が飛び出す。

 

 すると羊はラナンキュラスをむしゃむしゃと食べ始め、ウサギはローキックをサーシャに連発し始めた。

 

「あ痛っ! だめ、痛! 食べないで、痛! ちょっと、やめて羊さん、痛! ウサギさんも蹴らないでぇ!」

 

 流石に涙目になったアーシャが可哀想なので止めに入った。

 

「シープ、もう食べるな。

 ラビット、蹴るな」

 

 シープを右手捕まえて左手でラビットの首根っこを掴んだ。

 

「う、うう……助かったよ、クロノ君……

 ごめんなさい、もう花は片付けるよ」

 

「へへっへぇ! あ、っ痛ぃ!」

 

「ドラン、お前も謝れ。やり過ぎだぞ」

 

「ごめんなさい……」

 

 

 

「クロノ君が私を手に入れるとは思わなかった! すっごいな! ギアクロニクルの世界!」

 

「まあ、あと少ししたらトコハに渡すつもりだけどな」

 

 アーシャがラナンキュラスを片付けた後、俺はアーシャにギアクロニクルの拠点を案内した。

 と言っても、俺が知らない事も沢山あったけど。

 

「じゃあ今の内にいっぱい見ておかないとね!」

 

「……なんか、トコハと随分違うな?」

 

「ほぇ? 当たり前だよね?」

 

 俺達ヴァンガードは、ファイトの中でイメージする。

 ユニットの攻撃、ファイトの展開、未来の自分。

 だから、俺の知っていたアーシャは“安城トコハのライドしたアーシャ”だった。

 

「マイヴァンガードは夢に向かって日々精進してるよ! 私と同じでね!」

 

「夢を紡いで、咲き誇る為に……か?」

 

「うん!」

 

 今の俺のセリフには、彼女の未来の姿が持っていた肩書が含まれていた。

 

 我ながららしくない事をしたが、アーシャはそれを理解した上で、自信満々に笑う。

 

「クロノ君だって、これからも先に進むんでしょ?」

 

「……まぁな」

 

 まだ、それを探している途中だと悟られたくなかったので、笑った。

 

「それでそれとして! クロノ君はマイヴァンガードの事、好きだったりするのかな?」

 

「はぁ?」

 

 何だ、薪から棒に……

 

「だって私の周りの人って基本真面目でそういう話が出来ないんだもん! 折角クロノ君とお話出来るんだし、楽しいこと話したいの!」

 

 アーシャの話によると彼女の従者(バドミニやカトリーナ)は説教が長く、真面目で、アーシャの未来の為にと勉強や仕事を教えているそうだが、彼女自身は自由に遊んだり、畑を耕している方が楽しいそうだ。

 

「でも恋バナなんて女子同士でするもんだろ?」

 

「うーん……あ、そうだ!」

 

 アーシャが何か思い付いた様だ。何故か、嫌な予感がする。

 

「あ、そろそろクロノ君の起きる時間だよね! また明日ね!」

 

「お、おう……」

 

 

 

「夢の中にアーシャが? 例のユニットの夢でかい?」

 

 【クロノジェット・ドラゴン】にライド。

 

「おう。多分、昨日買ったカードが原因だと思う」

 

 超越、【時空獣 メタリカ・フェニックス】。

 

 プレゼントをバラす訳には行かないので、シオンに昨日の出来事を話してみた。

 シオンには前から夢でユニット達と出会った事を言っていたので、信じてくれたようだ。

 

 前列のベニゼールを山札の下に。

 

「僕やトコハはその夢を見れないから、やっぱりリューズとの戦いで生まれたカードが原因なんだと思う」

 

 メタリカ・フェニックスでヴァンガードにアタック。ドランをタイムリープして【クロノエトス・ジャッカル】をコール。ドランのスキルでクロノジェットをコール。

 

「【クロノドラゴン・GG】……か」

 

 っち、完全ガードか……クリティカルとパワーはリアガードのアップストリームに……ヒールしてパワーはアップストリームに……トリガー無し。

 

「それでそのアーシャがどうしたんだい?」

 

 Gガードか……アップストリームは攻撃終了時にグレード0に。クロノジェットでアタック。

 

「なんか、お前と似た立場っぽくてさ。お転婆なお姫様、って感じだ」

 

 まあ防ぐよな……ターンエンド。

 

「へえ、意外だね」

 

 超越、【飛天の聖騎士 アルトマイル】。

 

「だろ? けど本人は自由奔放なんだよなぁ」

 

 コールして、パワー上がって、上がって、アタック。

 

「未来の彼女を見る限り、大丈夫そうだけどね」

 

 リアガードはノーガード、ヴァンガードは完全ガード。

 

「恋バナしたいーとか言ってたな。で、俺が女子同士でしろって言ったら何か思いついたらしい」

 

 超越、【クロノドラゴン・ネクステージ】。

 

「もしかして今夜、デートに誘われるんじゃないかい?」

 

 ヴァンガードにアタック。

 

「あーぁ……やべえ、当たってるかも……」

 

 クロノジェットにライドしてスタンド。

 

「もしそうだったら、しっかりエスコートしてあげなよ。ユニットにだって、息抜きは必要さ」

 

 ダブルクリティカルトリガー、貫通だ。

 

「……相談相手に……鬼か君は?」

 

「うっせぇなー! 引いちまったもんはしょうがねぇだろ!!」

 

 

 

「クッロノくーん! デートしよ……ぉ……」

 

「お嬢様、何処までですか?」

 

 アーシャの呼び声に、スーツでビシッと決めて答えた。

 

「……っぷふふ! クロノ君、目付き悪過ぎてヤクザみたい!」

 

「あー! 笑うなよ!」

 

 シオンの奴が【サイレント・トム】をイメージしろって言うからその格好で現れたが、やはり落ち着かない。

 

「ふふ、普段の格好で良いよ」

 

「分かってるよ、全く……」

 

 イメージを解いて普段着に戻る。これでいいんだろ?

 

「うんうん、それが一番! じゃあ早速レッツゴー!」

 

 

 

 アーシャがギアクロニクルの皆に無理を言って祭りっぽくして貰った道を歩く。

 

 ドラゴン達にコロッサスやドローン達が屋台をやっている。

 

「えへへ……マイヴァンガードは祭りが好きだからね、私も行ってみたかったんだ」

 

「たこ焼きに射的……ワーカーすくいもあんのか……」

 

 スチームメイデンやスチームバトラーの様な人型のユニットが沢山歩いている。皆武装を外しているので誰が誰だから分からないかもしれない。

 

「……マイヴァンガード、浮気ですか?」

 

 背後から響く鋭い声に背筋がピンと伸びる。

 

「え、エルル……!?」

 

 表情は動かない無表情の筈だが、その顔からはデミウルゴス以上の威圧を感じる。

 

「え!? 誰!? クロノ君の彼女!?」

 

「……違ったようですね」

 

 殺気は消え、俺はそっと胸を撫で下ろした。

 

「……マイヴァンガード、夜道にはお気を付けください……」

 

 物騒な言葉を残して、エルルは去っていった。

 

「ほぇー……クロノ君、モテモテだね!」

 

「いや、そんなんじゃない、と思う……」

 

 去っていったエルルの言葉に溜め息を吐く。

 

「それじゃあ気を取り直して……祭りを楽しもう!」

 

 アーシャと一緒に先ずは食べ物の屋台へ。

 

「って……これは……」

 

 俺が看板を見て驚いていると店員をやっている【メーザーギア・ドラゴン】が声をかけてきた。

 

「マイヴァンガード、ドラゴンエンパイヤ焼きはどうだ!」

 

「ドラゴンエンパイヤ焼きって……懐かしいな! 皆と一緒に祭りで作った!」

 

 まだチームトライスリーが誕生していない頃に行ったドラエン支部のイベントを思い出す。

 あの時はシオンとトコハだけじゃなくて、トリニティドラゴンや岡崎とも一緒だったな。

 

「本物と全く一緒……では無いですが、どうです、お一つ?」

 

「ああ! 貰うぜ! って俺、金ないんだよな……」

 

「大丈夫です! マイヴァンガードのイメージ、それが俺達の通貨だ!」

 

 そう言ってメーザーギアは俺に2箱入った袋を渡した。

 躊躇いつつも受け取ると掌から光の粒がメーザーギアの胸の歯車へと吸い込まれた。

 

「これでオッケーです!」

 

「へぇ……イメージか……」

 

「クロノ君! 早く食べよう!」

 

 アーシャがベンチに座りながら手招きしている。

 

「はいはい……」

 

 俺は袋を持って彼女の元に急いだ。

 

「わくわく、わくわく!」

 

 開いた箱の中身は8個のカステラの様な生地だけが見える。

 中には1つずつランダムで違う物が入っているのが俺達のドラゴンエンパイヤ焼きだった。

 

 俺は1つ摘んで食べた。

 

「ん、クリームだ」

 

「私のはチョコ!」

 

 もう1個。

 

「これは、ハムだな」

 

「チーズだね!」

 

 更に1個。

 

「トマトか。こっちはちくわだ」

 

「んーピーマンだぁ」

 

 そして……ラスト1個。

 

「……」

 

「はいクロノ君! あーん!」

 

 笑顔でこっちに最後のドラエン焼きを向けるアーシャ。

 

 だが、当然ながら俺は知っている。

 このドラエン焼きの中には激辛が入っている事を……

 

「あーん!」

 

 しょうがない。逃げ場が無いので俺は腹を括ってアーシャの指に摘まれたドラエン焼きを食べた。

 

「あーー……ん、上手い!」

 

「え? アレ? 辛いやつじゃないの?」

 

「ほら、俺の分だ」

 

 俺の箱の最後のドラエン焼きを指で掴むとアーシャは喜んだ。

 

「じゃあ頂きます! あーんっ!?」

 

 だけど、辛くない訳が無い。

 

「〜っ!! 我慢出来ねぇ! あ、【スモークギア・ドラゴン】! ラムネ2本!」

 

 平気なフリを中断し、近くの屋台から飲み物を買った。

 

 

 

「っふん!」

 

「ゴメンなって、悪かったよ」

 

「もう知らない!!」

 

 変な所でトコハに似てるな……怒ると面倒臭い所とか。

 

 すっかりご機嫌斜めなアーシャ。なんとか機嫌を取ろうと屋台を見渡す。

 

「……あ、アーシャ!」

 

「……何?」

 

「綿飴、食べない?」

 

「あのね、そんなお菓子で私の機嫌が取れると思って――」

 

 

「――甘ぁい!」

 

 取れた。胃袋でご機嫌になれる辺りも、やっぱりトコハにそっくりだ。

 

「あ、クロノ君! 私アレやってみたい!」 

 

 そう言って指差されたのはワーカーすくいの屋台だ。

 

「俺もよく分かんないけど……どんな屋台だ?」

 

 俺が近付くと、そこには【スチームメイデン ウルル】がいた。

 

「ウルル?」

 

「あ、マイヴァンガード!」

 

「ちょっとワーカーすくいがどんな物か興味があってな……」

 

「うう、私、欲しいのに一個も取れませんでした……」

 

「え、そんなに難しいのか?」

 

 ウルルの後ろを見る。

 そこには背後の蓋が開いたドキドキ・ワーカーが宙に浮いている。

 

「……えっと……?」

 

「1分以内にワーカーの足りない歯車を見つけてピッタリ嵌めるゲームなんですけど、歯車をはめる場所がピンセットを使わないと嵌められない上に偽物含めて歯車が30種類あって嵌められません!」

 

「へぇー! ……クロノ君! 私この子欲しい!」

 

「いやこれそんなに簡単じゃ無さそうだぞ?」

 

「大丈夫、まっかせなさい!」

 

 予想はしていたが、細かい作業が苦手なアーシャは3度目のチャレンジで降参した。

 

「ムーリー! 出来ない! クロノ君、バトンタッチ!」

 

「っはぁ……」

 

 今度は俺の番。ピンセットで適当な歯車を掴んでドキドキ・ワーカーの複雑な電線を避けて、嵌めた。

 

「お、ピッタリ」

 

 ピンセットを中からどけると、突然、ドキドキ・ワーカーの目が輝き出した。

 

『……ドキドキ、起動開始、ドキドキ……!』

 

「クリアしたぞ」

 

「うっそぉ!?」

 

 

 

 最後は祭りの締めに花火が空へと打ち上がった。

 

「えへへ、今日はありがとうね?」

 

「気にすんな。俺も楽しかったからさ」

 

『ドキドキ、楽しい、ドキドキ』

 

 アーシャに礼を言われたが、実際俺は何もしていない。ギアクロニクルの皆が頑張っただけだ。

 

「そんな事、無いよ」

 

 そう言ってアーシャは俺に抱きついた。

 

「な、何だよ急に!?」

 

「クロノ君が頑張ってるの、私もアルトマイルもよく知ってるよ」

 

 アーシャは俺の耳元で囁いた。

 

「何時も隣にいて、目の前に立って来た私達は、よく知ってるよ」

 

「だから、これからも、一緒に未来へ――」

 

 

 

「あっちでも頑張れよ、トコハ!」

 

「僕達は何時だってチームで、ライバルだ。何かあったら、何時でも電話してよ」

 

「うん! ありがとう、2人共!」

 

 留学当日、お別れ会の翌日にフランス行きの便まで時間があったのでトコハを誘って俺達トライスリーは、3人で空を眺めていた。

 

「お、そう言えば、昨日渡しそびれてたな、留学祝い」

 

「友人としてじゃなくて、チームメイトとして渡したかったからね」

 

 シオンと顔を見合わせながら、プレゼントを取り出した。

 

「はい、僕からはフランス語の本だ」

 

「あ、ありがとうシオン!」

 

「これが読める頃には、きっとプロファイターにフランス語でインタビュー出来る筈さ」

 

「うん、頑張って読破するよ!」

 

 トコハは嬉しそうにシオンのプレゼントを抱える。

 

「じゃあ、俺からはコレだ! まあ、カムイさんとシンさんからも預かってるんだけどな」

 

「あ……アーシャのSP!? 嘘、良いの!?」

 

「おう。ちゃんと見せろよ?

 安城トコハの、描く未来!」

 

「……あ、あったりまえでしょう!」

 

 珍しくトコハが涙目になった。

 

「……ん、っふふふ……!」

 

「ん……あはは……!」

 

 それを見た俺とシオンは、何故か笑った。

 

「も、もう! 笑う所じゃないでしょ!?」

 

「あっはは……ゴメンゴメン!」

 

「なんかお前が泣いてるのが、おかしっくってさ……」

 

「んー、もう頭来た! フランス行く前に、誰が最強のジェネレーションマスターか、思い知らせてあげる!」

 

「良いぜ! 来い!」

 

「フランスに行くんだ。泣き虫のままじゃ困るからね!」

 

「上等!」

 

 結局いつも通り、俺達はファイトして、本気でぶつかって、自分達の未来へと進み始めたんだ。

 

 

 

「クロノ……アーシャがドキドキ・ワーカー持ってるんだけど……」

 

「……しーらない」

 


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