やはり猫が可愛いのは間違っていない。   作:如月の夢

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どうも、しずねは最かわっ☆です
私事ですが、進路が決まった時からやることが無くてですね……
え?あ、はいちゃんと書きますよ……


猫の寝相は

寝不足または睡眠不足、読んで字のごとく、睡眠時間が足りないことを示す。

寝不足の症状として一般的に有名なのが、目眩や頭痛などである。

他にも、ストレスが溜まりやすくなったり、記憶力が低下したりもする。

つまり、寝不足、睡眠不足は女子の言う『お肌に悪いから。』どころでは済まないのだ。

 

何故そんなことを語るのか、それは、

昨晩、小町による質問という名の尋問を受けたため、絶賛寝不足なのである。

 

 

 

今現在は既にお昼休みで、ベストプレイスにていつもの食事を取り終えたあとだ。

本当なら今すぐにでも寝たいのだが、今寝たら夕方まで起きないことは明白である。

ちなみに、教室で寝るという考えは一切無い。

恐らくだが、昼休みがまだ半分以上は残っているため、教室は賑やかなことだろう。

最近噂で、葉山と並ぶようなイケメンがクラスに現れたらしい。

なんとも急な話らしく、そいつの情報はなかなか手に入らないらしい。

「あれが噂の…カッコいいね」

などの会話も耳にしたことから、伝わっている人には伝わるらしい。

それに加え、最近は何故か人の視線を感じる。

そして何故か、前川がそれを見て唸る。

その後で霧谷も。何故だ

 

さて、どうしたものか。

俺が悩んでいる、そんな時、普段なら人が来ないはずこの場所に、足音が響く。

「ひーくん、やっぱここにいたか。」

「なんだよ前川」

「別にー、隣、お邪魔するね」

と、横に腰掛ける前川。

ここで新喜劇よろしく、邪魔するなら帰りな!って言いたいとこだが、通じそうにないので止めておく。

「そう言えばひーくん、朝からねむそうだったね。」

「なんで知ってんだよ。」

「えぇ!?いや、ほ、ほらたまたま目に入ったから」

そこで慌てられると、些か好意がバレますぞ?とは口が裂けても言えない。

あの時、葉山に言われた、好意を避けるな、という言葉は、未だに頭を悩ませる種である。

「まぁ、実際眠いんだよ…」

「そ、そうだ!私ここに居て起こしてあげるから、寝たらどう?」

普段なら断るような提案だが、状況が状況だけにとても有難い。

「なら少し寝ていいか?間違っても置いていくなよ?」

「し、信用なさすぎるにゃ」

んじゃあ、と言って横になる。

普段人といると警戒心しかわかないが、心がとても落ち着いている事に気づく。

きっとその原因は……

 

そこで俺は意識が遠のいた。

 

 

 

どれ位経っただろうか、ふと目を覚ます。

目の前にあるのは、なんとも幸せそうな寝顔。

そんな彼女に少しだけ見とれていた。

「やっぱり、許されるのであれば、この寝顔は他のやつに見せたくないな」

それは、高望みだな、と小さな声で呟いたそれは、風の音でかき消された。

 

 

 

前川が寝ていたこともあり、俺らは二人共、5時間目のスタートを寝過ごした様だった。

にしても、何故かやられただけでは気が済まない。

そして、起こさないように細心の注意を図り、立場を逆へ。

つまり、俺が膝枕をする側へ。

ささやかな仕返しのつもりだったが、寝ている姿はやはり可愛かった。

いつからかは分からない、それでもきっと好意なるものを向けられているのだろう。

自意識過剰、そんな物で終われるなら、その方が良かったのかもしれない。

それでも、やはり彼女の行動は、俺にそうさせるだけの事はあった。

彼女の気持ちが本当なのだろうか、それは許されるのだろうか、そもそも彼女の隣にいていいのだろうか。

思考は止まらない。

でも何はともあれ

「今だけは、今だけはどうか」

そう呟き彼女の頭を撫でる。

その呟きは再度、風に流されどこかへ消えてしまった。

 

 

 

その数分後、前川は目を覚まし、状況を把握し顔を真っ赤にして怒ってきた。

やれ反則だの、やれ起こしてくれても良かっただの。

口が裂けても寝顔を見ていたかったなどとは言えない。

でも、いつか言えるのなら、正面を向いて堂々と言いたいものである。

 

 

それから、ふたりで一緒に行くのは、まずいだろうということで、タイミングをずらし教室に入る。

 

「あ、はちまん!どうしたの?保険室?」

「戸塚、まぁ、そんな所だな」

「そっか…?はちまんなにか悩んでる?」

「……特には」

「……そっか、八幡がそう言うなら、でも!頼る時は頼ってよね!」

「あぁ、ありがとうな。」

「うん」

戸塚可愛い!とつかわ!

 

 

6時間目が数学だったので、前川について考えていた。

そうして出た2つの選択肢

1つ、逃げる

現状から全力で逃げ、前の俺、完全にぼっちへ戻る。

2つ、自分を変える

現状を変え、向かい合う資格を手に入れる。

どうする……

結局、結論の出ないまま、放課後になる。

人通りの少ない廊下を歩きながら考えるが、結論は出ない。

そうして、目的の場所に着いた。

奉仕部、そう書かれたプレートを見て思い出す。

「ふっ、何やってるんだか、こんな時にこそ、奉仕部、だったな」

おそらく笑われるだろう、俺がこんな依頼をしに来るなんて。

もしかしたら、由比ヶ浜は泣くかもな、それでも俺は……

そうして部室のドアへ手をかけた。




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