私小説であり、試小説 作:陰月
今は最低限の1000字程度を目安に投稿していますが
もっと文字数を増やした方がいいのでしょうか?
新米とはいえ自分も男だ。ここで当事者を見つけ出してくれば組長の役に立てる。
たしかに事務所の窓が割れた瞬間は体がすくんで動けなかったが、それもわずかに1,2秒のことだからまだ近くに居るはず。と、事務所前の道で視線を巡らせるものの、視界に入ったのは1人だけ。
しかもこの場から逃げるのではなく、前を横切ろうとしているぐらいだ。
もしかすると敵の組員か?
不審に思ってよく見れば帽子を被っており目元が見えない。
手には買い物帰りなのかビニール袋をぶらさげている姿は、殺意よりも生活感が強くにじみ出ている。
すると、こちらの視線に気づいたのか立ち止まり、咥えていた煙草を手に、灰を落としつつ様子を窺ってきた。
男のあまりに悠長な姿に『これは違うな』と判断しサナイは思考を切り替える。
事務所の前には道が3本。玄関を出てそのまま前に直進する1本以外は横にのびるだけで、T字のようになっている。
他に脇道や、人が入れるような場所もない。
周りのビルのどこかに逃げ込んだのか?
周囲の建物はオヤジの所有物だったはず。
それに使用許可をもらっていない人間はたとえ俺達でも入れない。
今回のように窓やガラスを割って無理やり侵入したのか?
思考が1つの可能性に行き着き、近場のビルから調べようとしたサナイの耳にハルミの声が届く。
「サナイ、待たんか!」
「オヤジ?」
足を止めて振り返ると飛び込んできたのは、これまた見たことのないハルミの怒気に満ちた顔であった。
その表情を見るなりサナイは悟った。やっと気づくことが出来たのだ。
勝手に突っ走りすぎたことを。
先程とは違う原因で動けなくなってしまう。冷や汗が噴出しているのがよく分かる。
どう釈明したものかと普段使わない頭をフル回転させるが、普段使わないからこそ打開策や良い言い訳が浮かばない。
そうこう考えているうちにハルミの口が開く。
「馬鹿者!現状を分かっているのか。お前ひとりで何が出来る。たしかにワシは『もしもの時は盾になる心づもりでいろ』とは言ったが、『命を無駄にしろ』と言った覚えはないぞ!」
ましてや体をはるなら堅気さんのためにはれ。ヤクザ同士の争いで命をどうこうするものじゃない。
言い出したら止まらない説教モードになろうとしていたので、素直に受け入れようと顔を伏せたのだが、急にハルミの声が止まった。
いつもならもっと長いはずなのにおかしいな?
疑問に思ったサナイが顔を上げると同時に、視界と共に体が揺らぎ、一発の銃声が路地に響いた。
え?
人は突発的なものに巻き込まれると、すぐには事実を受け入れられず、理解が追いつかない。
世界がゆっくりと動く中、妙に冷静な精神だけが一人歩きを始める。
体が無意識のうちに働かせる防衛機能なのだろう。
日常生活でもいつの間にか怪我をしていることは無いだろうか?
そして誰かに指摘されるか、偶然発見し、自覚して初めて痛みを覚えないだろうか?
そしてそれが、自分の考えられる・予測できる範疇なら耐えられるのだが、その域を越えると意識的被害は倍増する。
「、、、オヤジ?」
治る程度の怪我だろうと思っていたら、その部位が無くなっていたり、治らない場合。
自分ではなく、慕う人間が被害にあった場合などだ。
「む、、ぐ」
「オヤジィィィ!」
でも、まだまだ不慣れだからこのままでも良いような
自分のペースのペースアップ
これが出来れば一歩前進ですかね