私小説であり、試小説 作:陰月
一度ノートに書き起こした物を、その場の思いつきでいじくる作業を経て2話目となります。
続くと、いいのですが不安です。
面白くなれ、と念じつつ頑張っていきます。よろしくお願いします。
「へえ、一丁前にバッジもんかよ」
「マスターのおかげです。何とか頑張ってきました」
「頑張るヤクザねぇ、皮肉なもんだ」
エプロンのポケットから携帯灰皿を取り出し、吸殻を回収しながらうっすらと笑みを浮かべる。
この男は五年ほど前に関わりをもった、
「坂下 佐内(サカシタ サナイ)だったか?」
「覚えて下さってたんですね。うれしいです」
「オジサンでも五年前くらいなら覚えてらぁ」
「しかし驚きました。まさか、あの時のままの姿だなんて」
「言わなかったか?オジサンは特別なんだよ」
どこか勝ち誇ったような雰囲気の中を醸しつつも、自嘲気味に答えるマスター。
一方ここにきて黒服の思考が疑問へと至る。
「兄貴のお知り合いで?」
この発言にサナイは悩ましげに頭をおさえつつも、なんとか自らを律しつつ言葉を紡ぐ。
「俺が詳しく説明する前に、お前らがさっさと飛び出して行くからだろうが」
「「あ、あれ。そうでしたっけ、、、?」」
「こんの、、、」
子分たちのあまりの反応に、何なら今から小一時間かけて『理解』させてやろうか?と、笑顔で拳を握り示す兄貴分。
それを視認するや石畳にめり込む勢いで、子分二人の土下座が並ぶ。
傍から見ている分には微笑ましいかもしれないが、当事者になれば面倒そうな印象を受ける。
ここまで来るとマスターも一つの答えに行き着いた。
「何でぇ、ドサンピンじゃなく単なる馬鹿かよ」
「すみません、どうにも暴走しがちで」
「まあ、良いんじゃね?昔のお前みたいだぜ」
「まさか。俺はこんなんじゃ、、あ~」
抗議の声が途中で止まり、気まずそうに頬をかくサナイの様子に、やれやれといった
「で、今日は何の用だ?野郎三人でコーヒーブレイクか?」
まあ入れよ、と店の扉を引く。
扉の角に取り付けられていたベルが店内に来訪を知らせる。
招き入れられた三人はキョロキョロと店内に視線を彷徨わせる。
目の前には四人ほど座れる椅子が、個別に固定されたカウンターテーブルがあり、左方向には別にテーブルが二つ置かれたスペースが広がる。
それぞれ二人掛けのようで、カウンター含めても八人が限界の喫茶店だ。
カウンター横の壁には様々な紙が貼られたコルクボード、出入り口の右側の壁には持ち帰り用なのか小売りのコーヒー、紅茶、クッキーが並べられている小さな棚。
窓から光が差し込んでくるものの、カーテンや植物などで外からは見えにくい配置となっている。
「お前は初めてじゃないだろうに、サナイ」
「そうなんですが、懐かしくて。つい」
「ああ!?そうですよ、兄貴」
「一体、この野郎とはどんな知り合いで?」
マスターよりも先に氏名を明かされる兄貴w
兄貴が主人公なのかしら?
自分に問い詰めてきます。