私小説であり、試小説 作:陰月
争いが起きるときは、当事者両方に問題があると思うのです
「まさか、相手に要求するばかりで答えられない。なんてことはありませんよね?」
満面の笑みで迫ってくるガクトに、なぜ名前にそこまでこだわるのか、と訝しむ二人だったが次の一言で吠えた。それこそ、他所の人間に過激に反応を示す番犬のように。
「それとも、口外するのも恥ずかしい程のお名前なのでしょうか」
「来嶋 欣哉(キジマ キンヤ)だ!」
「丸藤 円(マルフジ マドカ)、馬鹿にすんじゃねぇ!」
顔を真っ赤にしながら、金髪、スキンヘッドの順に食って掛かる。
「そうですか。キンヤさんにマドカさんですね」
金髪のキンヤにスキンヘッドのマドカ。髪型と名前が似通っているのは偶然だろうか?
ガクトは満足げに一つ頷くと
「ではサナイさん、、、」
まるで興味を失ったかのようにサナイへと向き直ったのだ。
すると、煽るだけ煽ってのこの態度にキンヤ、マドカの二人は我慢ならなかった。
最早、勝てる勝てないの問題ではない。どちらでもいいから一発入れないと気が済まない。目で合図を出し、腕をまくり飛びかかろうとしたのだが、そうは問屋が卸さなかった。
「お前ら、俺はなんて言った。ん?」
普段優しい人ほど怒らせると、本当に怖い。
まだ本気ではないものの、その先を知る二人は『はい』と声を揃え、借りてきた猫のように静まり返った。
憶測では敵でないと思っているのだが、確証を得るための情報が無い。
男はあくまでも『対話』を希望しているのだから、
「改めてお聞きします。スルガさん」
「『ガクト』と呼び捨てで結構ですよ、サナイさん」
「はあ。ではガクト、あなたは味方ですか?」
「はい」
「何故俺らの前に?」
「喫茶『
「何をするために?」
「硯組親分の護衛です」
おそらく他の質問も、事前に調べ上げていれば違和感なく答えられてしまうだろう。ならば、
「証明できますか?」
「証明ですか、ふむ」
間髪入れずに即答してみせるガクトだったが、決定的な決め手に欠けた。
かといって、口頭質問だけで味方と断じる情報が得られるような誘導もできない。
コチラの質問が先になると、口裏を合わせてくる可能性も否定できない。
ならばと思い切って、相手の情報を開示させる方向の質問をしてみる。
もしも偽りの協力者であったなら、出鱈目をでっち上げて切り抜けようとするだろう。
なんならマスターに確認すれば一発だ。
だが、今はできる限り早く協力者を得たいことも事実。
マスターに確認せずとも、はっきりと判断できることを証明してくれれば。
「では、サナイさん。」
証明法を思いついたガクトが口を開く。
こういう物語を考えるにあたって
キャラを動かす時と
キャラが動く時が
ありませんか?