俺がギルド職員をするのは間違っているだろうか 作:RINTO
活動報告の方も是非見てって下さい
それではどうぞ
私ことエイナは絶賛【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン氏と打ち合わせ中である。何の相談かというと先日、十一階層でモンスターの群れに襲われていたベルを助けた際に落としていったプロテクターを返したいということだった。
普通だったらギルドに届けてくれればそれで良かったのだが、アイズさん曰く手渡しで渡したいらしい。これまでのことも一緒に謝りたいかららしい。
むしろ、ベル君のことを助けてもらってばかりなので謝るのは御門違いな気もしたのだがなんせアイズさんが譲らなかったので今に至る。
「それで、ベルは……」
「あ、はい。もうすぐレオンが連れてくると思います」
きっとベル君のことだから、普通にギルドに来てもアイズさんを見たら前と同じ様に回れ右をして帰ってしまうだろう。そのことを考えてあらかじめレオンに連れてきてもらって逃げられなくしようという考えだ。
そうでもしないと逃げちゃうベル君って本当にウブというか純粋というか。まぁ、憧れの人が目の前にいたらそりゃ動揺くらいするのは分かるけどね。
もし、私だったらどうなんだろ。
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今、俺はエイナに頼まれてベルをギルドまで必ず送り届けるためにメインストリートまで出てきてベルを捕まえたところだ。こないだ、アイズさんに頼んだことも今日話せそうだし丁度良かった。
「レオンさんがなんでわざわざギルドに行くだけなのに向かいにくるんですか?」
「ちょっと、エイナに頼まれただけだよ。」
「僕、また何かマズイ事をやらかしましたかね?」
「いや知らないけどさ。なんかやらかした自覚でもあるのか?」
「そんなのあるわけないじゃないですか」
いや、ベル。お前はもう少し自分が重度の巻き込まれ体質、トラブルメーカーってことを自覚した方がいいと思うぞ。お前はどうなのかって? いや、俺はまだ特にやらかしてないから。まだな……
しばらく歩き無事ギルドまで戻ってきた。
「エイナ、ベルを連れてきたぞ」
「エイナさん、こんにちわ。って、えぇ‼︎」
そりゃあ、びっくりするわな。自分の憧れの女性がいきなり目の前に現れたら。アイズさんを見たベルは一瞬石のように固まったかと思うと回れ右をしてダッシュで逃げようとしていた。念のためにって話で俺が連れてきたのに気持ちいぐらい思惑どうり動いてくれるなぁ、ベルよ。
「ベル、ちょっと待てや」
「は、離してくださいレオンさん。僕、こんな話聞いてないですよ」
「そりゃ言ってなかったからな。言ったらそもそも来ない可能性あったから」
「そ、そんなぁー」
「それにアイズさんに失礼だからちゃんと話せよな。俺やエイナの面子もあるんだから」
「分かりました……」
話はベルとアイズさんに任せて俺はエイナの元へと戻っていく。それにしてもベルって意外と頑固だな。
「レオン、ご苦労様」
「おう、予想通りの動き過ぎてビックリしたけどな」
「本当にね。ベル君にはもう少し男らしくなってくれると頼もしいんだけどね」
「まぁ、無理だろうな」
それに俺はベルは今のまま純粋なままがいいと思っている。損得感情やリスク計算をせずに思いたったらすぐ行動できる今の心持ちを変えて欲しくなかったのだ。俺にはもう無いからそう強く思うのかもしれないが。
まぁ、それでももう少し女性に対する耐性をつけてもいいかなとは思うがな。
「そういえばこないだレオン、アイズさんに何かお願いしてたけど、あれは何だったの?」
「それなら、二人の話を聞いてればもうそろそろ分かると思うぞ」
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レオンに言われて照れながらも何とかアイズさんと会話をしているベル君の方に耳を傾ける。一体何の話しをするのだろう。取り敢えずは私たちがプレゼントしてあげたエメラルドグリーンのプロテクターはちゃんとベル君に返せたみたいでよかった。
「僕なんてまだまだ全然です。目標には程遠くて。毎日、ダンジョンではモンスターにはやられそうになるし、戦い方も我流というか素人と変わらないので」
「それじゃあ…… 私が戦い方を教えようか?」
「えっ、そんな僕のためなんかにわざわざ悪いですよ」
「強くなりたそうにしてたし…… それとも、私じゃ嫌かな……」
「そんな訳ないです。ご教授お願いします」
え、レオンが言っていたことってこれの事? 確かめるようにレオンの方に目をやるとにっこり笑っていた。
以前、確かにベル君から特訓に付き合って欲しいと頼まれた時に他に相応しい人を用意してやるとか何とか言っていたけどアイズさんのことだったとは。
「レオン、何を使ったの?」
「おいおい、人聞きの悪いこと言うなよ。確かに、ジャガ丸くん奢ることにはなってるけど、アイズさん本人もベルの急成長に興味を示してたことが大きな理由だから。決して、ジャガ丸くんでなんかで釣ってないぞ……」
レオンの言ってることはおそらく本当だろうけど、アイズさん。ジャガ丸君なんかで釣られてたらダメですよ…… あくまでもあの天下のロキファミリアの第一級冒険者なんですから。
まぁ、こんなこと口が裂けても本人には言えないが。
それでも、この訓練でベル君が成長出来るのは間違いないだろうし、私はおおいに賛成である。
「本当に最近はベル君のことを気にかけてるんだね」
「まぁな。昔の俺を見てるみたいだからな」
そう言うレオンは何か懐かしそうに話していた。昔はベル君に似ているところがあったなんて聞くと何だか不思議な感じだ。最近はそうでもないが出会ったばかりの時はとてもベル君とは似てなかった。むしろ、正反対という方が正しいだろう。
「何笑ってるんだよ?」
「出会った頃のレオンと随分変わったからね。今ならベル君とは少しは似てるところあるかもね」
「うるせえよ」
口ではそう悪態をついているレオンだが顔は笑っていた。これもベル君のお陰かな。ありがとね、ベル君。
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今、俺は何をしているかって? 自宅で料理をしている。三人分。
「レオン、私たち何か手伝ってあげようか?」
「いいよ、エイナたちはお客なんだから座ってろよ。手を出されたらやりづらいし」
「分かった、ありがとう。お言葉に甘えて待ってるね」
何でこうなったか説明しよう。この前、エイナの家に上がったときに料理を作ったことをエイナが口を滑らせてミイシャに言ってしまったらしい。そしたら、ミイシャがエイナだか食べてずるいということになり俺がまた料理を振る舞うということになったのだ。
エイナには次からこうゆうことがないように釘を刺しておかなければいけないと心に決めるのだった。
それに、普段は一人分しか作らないのに急に三人分も作るって結構大変だったりするのだ。まぁ、ギルドからの帰りに三人で材料を買ってきたのでそこは問題ないのだが。
「メニューはどうするんだ?」
「シェフのお任せコースで頼む、なんちゃって」
「全くミイシャは本当に調子がいいんだから。私もレオンに任せるね」
「分かった。もう少し待ってくれ」
それから、今日買ってきた材料を確認して何を作るか考える。
まぁ、肉に魚に野菜とあらかたは揃っているのでなんでも作ることが出来るが久しぶりにハンバーグにでもするか。一人の時だとなかなか面倒で作ろうとしないからな。
ひき肉をこね、繋ぎの卵を入れる。普通は繋ぎにパン粉を使うのだが俺のハンバーグはパン粉の代わりに東国の方でよく食されているお麩を使う。これが俺流である。そんなこんなでハンバーグのタネを完成させてから、付け合わせを適当に作り先に皿に盛り付ける。
ハンバーグを焼きながら、大きなボールに野菜を食べやすいサイズに千切っていれて自家製のドレッシングをかけてサラダを完成させる。
そうしているうちに、ハンバーグがいい感じに焼けてきたのでフライパンに残った肉汁を使ってソースを作りハンバーグにかける。これで、レオン流ハンバーグの完成である。
「二人ともできたから運ぶの手伝ってくれ」
「「はーい」」
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「俺の自信作、レオン流ハンバーグだ」
「「頂きます‼︎」」
熱々出来立てのハンバーグにナイフ入れた瞬間に肉汁が溢れてくる。こんな美味しいハンバーグ悔しいけど私じゃ作れないかも……
それに、このサラダのドレッシングもとにかく美味しい。レオンがいうにはこれも手作りらしい。
「レオン、料理できたんだねぇ。それに、滅茶苦茶上手だし。これ、お金とれるんじゃない?」
「ミイシャもそう思うか? 俺もそれなりには自信があったんだけど確信が持てなかったんだよな。二人の反応が見れてよかったよ。いっそのことレストランでも開業しようかな」
「もう、すぐレオンは調子に乗るんだから…… ミイシャもあんまりレオンを乗せることを言わないの」
「はーい」
まったく、ミイシャはこうゆうとこ調子いいんだよね。それにしても、レオンは料理が上手いのは確かだ。私よりもきっと。これから一緒にいれば、また料理を作ってくれるかな。あと、私も料理が上手くなるように練習しないと。
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「今日は本当にありがとねぇ〜」
「ハンバーグとっても美味しかったよ。ありがとね、レオン」
「お、おう。また、気が向いたら作ってやるよ」
あ、次の約束自分から付けちゃったよ。面倒なことを増やしてどうするんだよ。まぁ、この二人のためだったら普段からお世話になってるしまあいいか。次は何を作って驚かしてやろうか。
そんな事を考えながら就寝の支度をする俺だった。
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