俺がギルド職員をするのは間違っているだろうか   作:RINTO

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第12話です
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第12話 青年と彼女のお出かけ そして……

「おはようございます。エイナさん、レオンさん」

 

「おはよう、ベル君」

 

「おはよう、ベル」

 

ベルの話によるとロキファミリアが深層に遠征するまでの一週間限定で一緒に訓練をすることになったらしい。今日がその初日だったらしいのだが……

 

「ベル、何でそんなにボロボロなんだ。今からダンジョンに行くんだろ?」

 

「はい。これはアイズさんとの訓練の結果です。自分がまだまだなせいで何度も気絶してしまって……」

 

おいおい、そんなんで今からダンジョンに潜ってて大丈夫なのか? それにしても、アイズさんは容赦ないんだな。レベル1の冒険者にたいしてレベル6冒険者が力を加減しなかったらそりゃ気絶もするわな。こりゃサポーターのリリにも何か言われること間違い無しだろうな。アイズさんは意外と天然。忘れないでおこう。

 

「そんなんで今から大丈夫なのか?」

 

「はい、ポーションも飲みましたし。とっても勉強になってるので今からダンジョンで試すのが楽しみなんです」

 

まぁ、オラリオでもトップクラスの冒険者に教えてもらっているんだから学べるところはかなり多いだろうな。ベルならそのほとんどをしっかりと吸収するはずだろう。

訓練を全て終えた後のベルが楽しみだ。

 

「本当にベル君大丈夫かなぁ?」

 

バベルへと意気揚々と向かって行くベルの後ろ姿を見ながらエイナは不安そうな顔をしている。ダンジョンでボロボロになるのは分かっているのにその前からボロボロというのはおかしな話だろう。ポーションは飲んでると言っていたし多分大丈夫だと思うが。

 

「あいつならきっと大丈夫だよ。今、潜っているダンジョンのモンスターに攻撃するより、アイズさんに攻撃する方のが何倍も苦労しそうだしな」

 

「ま、まぁそれもそうだよね……」

 

エイナの方を見るとベルのことを哀れんでいるのかため息をつきながら見送っている。まぁ、俺もベルにご愁傷様ですとだけ伝えておこう。そんなことを話しながら自分たちの業務へと戻っていった。

 

それから、数日が経ちロキファミリアはヘファイストスファミリアとの合同遠征に向かったらしい。アイズさんもその遠征にもちろん参加する為にベルとの訓練はそれまでになったらしい。

その話をしているベルは少し名残惜しそうにはしているもののとても晴れやかな顔をしていた。

 

「おい、ベル。アイズさんとの特訓が終わってそんなに嬉しいのか?」

 

「そ、そ、そ、そんなわけないじゃないですか。確かに辛かったのは事実ですけど…… それでも、この訓練で何か掴めた気がするんです」

 

「そっか。でも、ベル君? だからと言ってまた無茶をして普段より下の階層に降りようとか考えたらダメだからね」

 

相変わらず、ベルはエイナに信頼はされてるけど信用はされてないよな…… まぁ、ベルがこれまで巻き込まれてきたトラブルを踏まえたら当然と言えば当然だろう。エイナの目が真剣だからそれだけベルの身を案じてのことなのだろう。俺も誰かからそれくらい心配されたい……

 

「も、も、もちろんです。いつも通り十層あたりで狩りをすると思うので」

 

おい、ベル今絶対エイナに図星を突かれて焦っただろ。何でそんなこと分かるかって? そんなのベルの目は泳いでるし、やたら汗はかいているしめっちゃ顔に出てるんだよなぁ。

エイナもそれを見て察したのかため息をついてるよ。担当冒険者がこうだとアドバイザーも大変だな。今度、労ってやるか。

 

「エイナも大変そうだな。ベルの担当アドバイザーで」

 

「まぁね。いい子なのは間違いないんだけどねぇ……」

 

「今日仕事終わったら暇か? 偶には息抜きも必要だから、何処かに出掛けないか?」

 

「え、ええぇぇぇ?」

 

突然、エイナが大声を出したために周りの目が全てこちらに向いてしまった。それにエイナはいつにもなく取り乱してるし…… 俺と出掛けらながらそんなに嫌だったのだろうか。てか、冒険者からすっごい睨まれてるんだけど……

 

「なんでそこそんなに驚くんだよ…… ちょっと奥に来いって。周りに迷惑かけられないし」

「わ、分かった……」

 

エイナを連れてギルドの裏口から外に出てすぐの路地に入った。てか、俺たちが出て行くのをミイシャが面白いものを見るような目で見てたな。あとで、何を考えてたのか吐かせないとな。

 

「エイナ、一旦落ち着けって。急に慌ててどうしたんだよ」

 

「だ、だってレオンがいきなりデートになんて誘うから……」

 

へ、デ、デートに誘った? ……だああああぁぁぁ。俺は何を考えてさっきあんなこと言ったんだ?エイナに言われて今更気づいたけど俺何言ってんだよ。恥ずかしすぎる。穴があったら入りたい。

 

「今更になってレオンも恥ずかしがらないでよ。そっちから誘っておいて」

 

「わ、悪い。ちょっとエイナが最近仕事詰めて頑張ってたから息抜きになればと思っただけで」

 

「ありがと。レオンがそうやって気を利かせてくれたんだよね。仕事はほとんど残ってないから今日定時で上がったら、この前ベル君と出掛けたときと同じところに一時間後に待ち合わせね」

 

え、エイナ意外に乗り気なんですけど…… まぁ、俺なんかでよければいくらでも付き合ってやるけど。まぁ、お金はそんなにかけられないけどな。

 

「わざわざ、一旦別れるのか?」

 

「もう、誘っておいて何も分かってないんだから。私だってオシャレしたいし、ミイシャたちの目もあるからさ」

 

そうゆうことか。後者については納得出来た。あいつが絡んでくると何かと面倒だからな。

 

「分かった。じゃあ、取り敢えず仕事に戻るか」

 

「うん‼︎」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

仕事が終わってから慌てて一度家に帰って今私はデートに行くための服を選んでいる。それにしても、レオンに出掛けようとか言われただけであんなにも動揺してた私って一体なんなんだろ。別に向こうはただ息抜きのためとは言ってたけどそれって側からみたらデートだよね……

レオンも後から気づいたみたいで焦ってたし。まぁ、偶にはこうゆうのもいいのかな。レオンは私に急にデートとか言われて嫌じゃなかったかな。何勝手に勘違いしてんのとか思われてないだろうか。もしそうだったら、明日から恥ずかしくて声かけられないよ……

 

どうしよ、普段ミイシャと二人で遊ぶ時はそんなに服に気を使ってなどいないのに。なんで、こんなに服一つで悩んでるんだろ。まぁ、きっと相手がレオンだからだろうけど。って、もうこんな時間? これ以上悩んでたら約束の時間に遅れちゃうよ……

 

エイナが服を必死に選んでいることなど知るよしもないレオンはさっさと支度を済ませて待ち合わせ時間の二十分前には待ち合わせ場所である広場の噴水前にいた。

 

はぁ、なんだかんだでデートみたいになっちゃったけど何を俺は浮かれたんだろ。エイナもきっと俺に合わせてくれたに違いない。それなら、変に慌ててもしょうがないしな。いつも通り接すればいいか。

 

 

「ゴメンね、レオン。遅くなっちゃって」

 

私は結局服装を悩みに悩んだ結果待ち合わせ時間よりも十分程遅刻してしまった。

 

「やっと、来たか。エイナが遅刻なんて珍しいな」

 

「普通そこは『全然待ってないよ』とか言うところじゃないの?」

 

そうやって、レオンをからかってみたのだが、ポカンとした顔でこちらを見ている。どうやら、意味が通じていないらしい。さっき、あれだけ一応デートだからとか言って舞い上がっていた自分が恥ずかしい。やっぱり、レオンはそうゆう気持ちで誘ったんじゃなかったのかな……

 

「まぁ、何でもいいや。取り敢えず行こうぜ。バベルに商業系のファミリアが出してる飲食店があるんだ。そこで夕食を奢るよ」

 

「ありがと。じゃあ、行こっか」

 

まぁ、レオンはとてつもなく鈍感だしのんびりやっていけばいいよね。すぐに何処かに行ってしまう訳じゃないし。

そんなことを考えながらレオンの言う飲食店を目指してバベルへと向かった。

 

 

 

「全然、こんな風になってるとは知らなかったよ」

 

「まぁ、エイナは真面目だから査察で来たとしても関係のないフロアには絶対よらないだろうしな」

 

「何それ、悪口?」

 

「そんなわけないだろ」

 

ふと、外を見ると遠征から帰って来たロキファミリアの姿があった。アイズさんたちのパーティーだろうが、とても慌てているみたいだ。それに、ボロボロの冒険者を担いでいる。髪の毛は白色……

俺が外をみているに気づいたエイナも見て気づいたようだ。担がれているのがベルではないかということに。エイナの顔色がみるみる青ざめていっている。俺も背中に冷たい汗が流れたのを感じた。二人でご飯を食べに行っている場合では無くなった。すぐに確認しないければ。

 

「エイナ‼︎」

 

「分かってる。すぐにバベル内の治療施設に向かうよ」

 

頼むぞベル。まだ、死ぬんじゃ無いぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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