リアル発デスゲーム経由異世界行き   作:ベアトリーチェ

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結界

 現在思いつく実験したい事を消化する事が出来た。スキルや魔法といった能力も、問題なく使用が出来る様だ。使いたいスキルの使用方法、効果など必要な事は、頭の中に勝手に浮かび使用するのに問題はなかった。

 

 

 ふとモモンガさんが双子に、暇かと質問した。アウラが正直に、侵入者もやって来ないので暇である事を伝えた。モモンガさんが双子の暇つぶしに、召還魔法を使い《根源の火精霊》を召還した。アウラは喜んで、マーレは問答無用で姉の道づれにされながら、火精霊に向かっていった。

 

 

 

 100LVの守護者2名と80LV台の火精霊では、最初から勝負は見えていた。それでも、暇つぶしの余興としてはまぁまぁ楽しめた。当然の結果だが、あっと言うまに、二人は精霊を倒し終わり帰って来た。

 

 

 

 「見事だったぞ。アウラ、マーレ。二人とも素晴らしかったぞ」

モモンガさんは、双子に賞賛の言葉を送った。

「ありがとうございました、モモンガ様! こんなに運動したのは久しぶりです!!」

アウラも久々の運動で、ご機嫌の様だった。

 

 

 モモンガさんは額に付いた汗を拭う二人を見て、無言でアイテムボックスを開いた。アイテムボックスを開いたらあんな風になるんだなーと、漠然と思っているとモモンガさんは、不思議空間から無限に水が出るアイテムを取り出す。

 

 

 

「アウラ、マーレ。飲みなさい」

「え? そんな悪いですよ。モモンガ様が御自ら・・・」

「この程度は、気にするな。いつもよく働いてくれているからな」

「あ、ありがとうございますモモンガ様!」

 

と言ったやり取りがモモンガさんと双子で行われていた。

 

 

 ちょっと興が乗ったので、一つ芸を見せてやる事にした。

『二人に褒美として、ちょっとした芸を見せてやろう』

双子は俺の発言に、興味津々といった感じだ。

 

 

 モモンガさんが、俺の言葉に思わずといった感じで反応した。「もしかしてアレですか?」と聞かれたので『そうだよ』と答えた。 

 

 

「二人とも運がよいぞ! トールさんのアレは、めったに見ることが出来ないからな。おそらく、守護者でも見た事がある者はいないはずだ。」と興奮気味に話すモモンガさんだったが、緑色のエフェクトと共に、精神が沈静化され平常化する。アンデットの特性によるものだろう。

 

 

 

 

《昼と夜の一瞬の隙間》

 

 

 見る見る内に闘技場だったはずの景色が、別の何かに変貌して行く。

そこは、桜が舞い散る神社の境内であった。夜空には、赤い月が二つ浮かんでいた。通常の空間ではない事は、双子にもおのずと理解出来た。

 

 

 モモンガですら、神社については記録映像でしか見た事がない。前回トールの固有結界を見た時と、風景が違っていた。建物もすごく立派であり、歴史が感じられた。規模も破格の大きさであり、双子は初めてみる風景に興味深々と言った感じだ。

 

 

 

「トールさんの固有結界・・・・・か」

 一昔前に流行ったアニメのキャラが使っていた奥義で、術者の心象風景で現実世界を侵食し、世界そのものを変化させる。トールさんは、その内部でのみ通用する独自の法則を展開する事が出来る。

 

 

 

 

(実は固有結界に見せかけた、ただの集団に幻覚を見せる技に過ぎない・・・・単純だが、それ故に、中々見破れる事が出来ない技なのだが)とトールは心の中で思いつつも、それらしいセリフを呟いた。

 

 

 

 『この世界でのみ実現可能な、極限の炎を見せてやろう。』

トールさんが、指先に狐火と呼ばれる小さな炎をを作り出す。

 

 

 

「あの炎が極限なんでしょうか?」アウラが疑問を呟いた。

「きっと続きがあるんだよお姉ちゃん」マーレが遠慮がちにアウラに話しかける。

 

 

 最初は赤い炎をだったが、段々と色と大きさが変化していく。赤からオレンジに変わり、やがて黄色になった。それが白くなっていき、大きさも最初は指先ぐらいだったのが、手のひらサイズになってきた頃に青い炎へと変わり、そして巨大な紫の塊と化した。

 

 

 

 双子が息を呑む・・・・紫の炎など見たこともないだろう。しかし、トールさんのアレにはまだ続きがあるのだ。やがて、サイズは手のひらサイズに戻ったが、【漆黒を纏った黒い炎】が出来上がっていた。表現的に微妙におかしいが、そう表現するのがピッタリな状況である。

 

 

 

 アウラとマーレが、二人同時に呟いた。「黒い・・・ほのお」

その物体をトールさんは、神社に向かって投げつけた。

 

 

 

 神社は跡形も無く焼き尽くされ、周囲1キロぐらいが抉り取られていた。「トール様、凄すぎです」と凄く感動した様にアウラが言い、マーレが「建物がなくなっちゃた」と呆然と呟いた。

 

 

 トールさんが照れたように『ま、こんなものか』と言い指を鳴らすと元の闘技場に、戻っていた。何処かに破損した形跡もなく、どこからが空想で、どこからが現実か双子には判断が出来なかった。

 

 

 

『そろそろ、守護者達がやって来るな』

ちょっとしたサプライズを思いついた俺は、双子に俺がいる事を黙っていて貰う事にした。隠れながら、モモンガさんと打ち合わせを《伝言/メッセージ》で行った。

 

 

《伝言/メッセージ》も問題なく使えた。モモンガさんとの打ち合わせで、今後も使用する頻度は多そうだ。次にモモンガさんはセバスに《伝言/メッセージ》を使い、偵察を終了したら闘技場に来る様に指示を出した。

 

 

 そんなこんなしていると隠れ終わった数分後に、守護者が集まり出した。

 

 

 

 

 

「おや、私が一番でありんすか?」

 

 

 

 

 不意にかけられた声の主は、幼いといった言葉が良く似合う少女。特徴的なドレスで隠れているが、それでもなお目を引く白すぎる肌と真紅の瞳、長い銀髪が目を引く美少女。第一~第三階層の守護者である、吸血鬼シャルティア・ブラッドフォールン。

 

 

 

「転移が阻害されてるナザリックでわざわざ《転移門/ゲート》なんか使うなっていうの」いち早く突っ込みを入れるアウラ。

 

 

 

「歩くと盛りすぎた偽乳がずれてるからって、《転移門/ゲート》つかったんでしょう」と更に追討ちをかけるアウラ。「あんたなんか全くないくせに」と言って、シャルティアが反撃とばかりに捲くし立てる。この二人は、基本的にい仲が宜しくない様だ。

 

 

「サワガシイナ」

 

 

 2.5メートルはある巨体は、二足歩行の出来る昆虫と言った表現が適切だろうか。蟻と蟷螂の融合体といった姿。全身からは、氷柱のようなスパイクが無数に飛び出している。その力強い下顎は、人の腕くらい簡単に噛み千切れるだろう。第五階層守護者のコキュートスであった。

 

 

 

「御方ノ前デ遊ビスギダ」

 

 

 

 コキュートスの注意にもめげずに、更に言い争う気配を察したモモンガさんが、二人を止めに入る。

 

 

 

「シャルティア、アウラ。じゃれ合うのもそのぐらいにしておけ!!」

「申し訳ありません!!」と二人同時に謝罪する。こんな時だけは、息もピッタリである。

 

 

「良く来たな、コキュートス」

「オ呼ビトアラバ即座ニ」

 

 

 

 白い息がコキュートスの口から漏れている。空気中の水分が凍りつくような、パキパキと言う音がした。二足歩行の氷の昆虫と言うのが、俺のコキュートスに対する印象である。

 

 

 モモンがさんが、コキュートスに対して暇ではないかという問いかけをした。

見るからに武人といった感じのコキュートス。侵入者も無い現状では、武勇を振るう機会がなく暇を持て余して居るんじゃないかと言う事であろう。

 

 

 それに対しコキュートスは、自己鍛錬や武具の整備とかやる事が無い訳ではないので暇はしていない旨をモモンガさんに返答する。

 

 

 そんなやり取りをしていると、第七階層守護者デミウルゴス、そして守護者統括のアルベドが合流した。

 

 

「皆さんお待たせして申し訳ありませんね」デミウルゴスが、謝罪の言葉を口にする。

 

 

 

「これで皆、集まったな」モモンガさんが、全員が揃った事を宣言した。

 

 

 

 

 

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