リアル発デスゲーム経由異世界行き   作:ベアトリーチェ

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策士二人

 二人が転移した後に、守護者達が立ち上がる。

 

 

 

「す、すごかったね、お姉ちゃん」とマーレが姉に向かい話しかけた。

「そうだね、マーレ。押しつぶされるかと思った」と弟に対し返す。

 

 

 

「モモンガ様ノアノプレッシャーハ、モノスゴイナ」とコキュートスが言い、双子も同意する。「でも、トール様も底知れぬお方だよね」とマーレが言い、アウラも「あの、すべてを焼き尽す漆黒の炎はすごかった」と呟いた。

 

 

 

「二人ハトール様ノオチカラヲ、見タコトガアルノカ」とコキュートスが質問した。

アウラが質問に答える形で「みんなが集合する前に、見せてもらったんだけど周囲1キロぐらいの・・・・・」とアウラの説明が続いた。

 

 

 

 そんなやり取りを見ていたデミウルゴスが、おもむろに口を開いた。

 

 

 

「トール様の恐ろしいところは、そんな表面的な力ではないのだよ。モモンガ様と同等な存在でありながら、自らモモンガ様の下に付くと宣言なされた。御自身が女王の風格と、能力をお持ちなのに・・・・・・・・・・・・守護者各員は、この意味が分かっているのかな?」

 

 

 

 アルベドは、良く分かっていなさそうなシャルティアに向かって説明した。

「たとえば貴女が、アウラの下に付かなくてはならないとして、素直に受け入れられるかしら?」

 

 

 振られたシャルティアは、「まず無理でありんす」と即答した。

「普通はそうよね。でもねシャルティアや皆にも真剣に考えて欲しいのだけど、ナザリックが転移すると言う緊急事態が発生しているわよね」と周りを見渡す。

 

 

 

「近い将来、我々に敵対出来る組織や個人が出てこないともかぎらないわ。その時に、私達が私情をもって対立していたら、思わぬところで足をすくわれる可能性があるわ。そう言った事が起こらない様に、今の内から釘を刺されたのだと思うわ。自らが同格の者に一歩ゆずると言う事を、身をもって示されたと言うのが1つ目」

 

 

 

「次にどこかの勢力と交渉をする場合、組織のトップが二人だったら相手につけこまれる可能性があるわ。特にナザリックを相手取って交渉を行う事の出来る組織ならば、その状況を利用出来る頭の良いのが複数揃っているでしょうね。これが2つ目」

 

 

 

「直轄の部隊を持つ事で、不測の事態でも自由に動けるのも大きいわね。武と知のバランスが良いトール様ならば、如何なる状況でも対応可能でしょうけど、手足となる(しもべ)が居れば更に行動範囲も広げられるわ。モモンガ様をトップとする事で、御自身は動きやすい立場となり、ナザリックの為に働かれるつもりでしょう。とこれが3つ目」

 

 

 

「そういった複数の要素を、トール様は同時に対処なされたわ。それが、今回の親衛隊隊長への就任と言った話に繋がるのよ」と言ってアルベドはデミウルゴスの方を見た。

 

 

 

「もっとも至高の御方であらせられるトール様の事ですから、私達には読めない思惑もあるのでしょうけどね。」とアルベドは読めない事を残念に思っているのか、嬉しく思っているのか

良く分からない表情で語っていた。デミウルゴスには、アルベドの気持ちが良く理解出来た。

まさに今の自分の心境そのものだろうから・・・・・・

 

 

 

「こんなところで、良かったかしらデミウルゴス?」

デミウルゴスは、アルベドに向かってお辞儀をし「流石は、守護者統括殿ですね」と素直に賞賛の言葉を送った。「ところで話は変わりますが、皆さんはモモンガ様やトール様が創造なされた方についてご存知ですか?」

 

 

 

「そういえば知らないね」とか「見た事ないね」とか言う中で役職上、アルベドはデミウルゴスの疑問に答える事が出来た。「モモンガ様が創造された(しもべ)の名前は、パンドラズ・アクターと言い宝物殿を守護する領域守護者ね。なんでも至高の方々の武具や、ワールドアイテムの管理も任されているらしいわ」

 

 

 

「それはかなり重要な、役回りだね」とデミウルゴスが呟く(もっとも、アイテム管理だけの者をモモンガ様が、創造される訳がありません。何か別の役割がありそうですね)

 

 

 

 「トール様が創造された(しもべ)は、階層守護者とかの役職に付く者ではないわ。トール様の秘書的な仕事を、行っているサポートタイプの(しもべ)の様ね。護衛も兼ねているので武力もあり、階層守護者と同等の能力をトール様から与えられているらしいわ。たしか名前はリーシャと言ったかしら」

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

(我々と同等な者を守護者に付ける訳ではなく、秘書として手元において置く必要があったと言う事でしょうか?だとしたらあのトール様が、秘書までおいて行っていた事に俄然興味が湧いてきますね)

 

 

 

 「デミウルゴス、余計な事は考えない方が貴方のためですよ」と全てを見通した様に、アルベドから《伝言/メッセージ》が飛んできた。「忠告に感謝しておきましょう。守護者統括殿」

とデミウルゴスから返信が帰って来た。「もっとも、私も貴方と同じ疑問に行き着いた時点で、人の事は言えないわね」とアルベドが通信の最後に呟いた。 

 

 

 

 「ソレハ興味ブカイナ、イチド手合ワセシテホシイモノダ」と武人らしい感想を述べる、コキュートス

 

 

 

 「まぁそのうち、会う機会もあるでしょうから頼んで見るのも良いでしょうね」とアルベドが言ったが、そこでアウラが意外にも鋭い突っ込みをして来た。「そのリーシャって人は、トール様の秘書を主な仕事としているんでしょ。戦いも出来るんだろうけど、手合わせとか興味ないかもしれないよ」

 

 

 

 「たしかにありえるわね。デミウルゴスに戦いを挑む様なものかもね」とアルベドが返した。「ムムム、頼ムダケ頼ンデミヨウ」とコキュートスが呟いた。

 

 

 

 「そういえばシャルティア、あんた随分とおとなしいけど?」とアウラがシャルティアに突っ込みを入れた。「モモンガ様とトール様の気配があまりにも凄かったので、下着が少々不味い事になってしまって・・・・・・・」とアウラの予想の斜め上の返事が帰ってきた。

 

 

 あまりの事に絶句し、フリーズするアウラ。それに比べてアルベドは大人の余裕なのか、はたまた統括としての能力なのか「我々の前では兎も角、至高の御方々の前では自重しなさいね」と優しく注意をする。

 

 

 

 フリーズ状態から復帰したアウラが、シャルティアに向かって「この変態、腐れビッ・・」と言おうとしたところで、アルベドに口を塞がれた。「先程の話を聞いていなかったのかしら?アウラ」アルベドは何時もの様に微笑みを浮かべていたが、アウラは途轍もないプレッシャーに襲われた気分になった。

 

 

「ゴメン、シャルティア」と短く侘びを入れるアウラ。対するシャルティアも、毒気を完全に抜かれてしまった様で「気にしなくても良いでありんす」と謝罪を受け入れた。

 

 

 

 

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