どうしてこうなった!!!
それではどうぞ。
静音 かさなる影
朝、目が覚めると、何故か泣いている。
なんてことは無く、ただ隣で寝ている幼馴染みの静音に頭を悩まされる。
静音とは家が隣で幼馴染みだ。俺の母が朝早くに家を出るので、いつも俺を起こしに来てくれている。なのに、いつも俺の隣で寝ていて、俺が自分で起きて、静音を起こすはめになっている。
「ほら、静音起きろ」
「んん、おはよ、愛」
起きたのはいいが抱きついてくる。小さい頃からいつもそうで、起きると抱きついてくる。まぁ完全に目が覚めると、すぐに離れるんだが。
「静音。朝ごはん作ってくれてるんでしょ?早くしないと遅刻しちゃうよ」
静音は不満そうながらも離れるん。
「今日は何作ってくれたの?」
「魚とご飯と味噌汁」
「今日は和食なんだね」
静音はコクリと頷く。静音は口数があまり多くはなく、周りの人からは不機嫌そうと誤解されやすい。でも静音は気にしないらしい。
「早く食べて」
「分かってるよ」
いただきます、と声を揃えて言う。前言わなくて、怒られたのはいい思い出だ。
「美味しいね」
と言ってあげる。こう言ってあげると、機嫌が良くなる。
食べ終わると、静音は後片付け、俺は学校に行く準備をする。
ここまでがいつもの朝の流れだ。登校中はどっちもあまり喋ることは無い。
5分ぐらい歩いていると静音が声を掛けてきた。
「今日、一緒に帰れない」
多分図書委員の集まりがあるんだろう。
「分かった。待ってようか?」
「別にいい」
静音はそう言うけど服の裾を軽く引っ張ってくる。静音は言葉では断ってくるけど、待っててほしい時はこうやって服の裾を引っ張ってくる。
待っててほしいってことは、あまり長くならないんだろう。
「分かった。いつもの所にいるね」
「ん、分かった」
学校につくと、静音は早足で教室に向かい、俺は友達と合流して教室に向かう。前に
「なんで先に行くの?」
と聞いたら
「恥ずかしいから」
と頬を染めながら言ってきた。この時はこっちまで照れた。
「よーす。愛」
こいつは、桃城 光太(ももしろ こうた)。
何気に小学生の時からの仲で、1番仲がいい。
「おはよ。光太」
「なぁ、今日の数学のプリントやって来た?」
「やってきたけど。またやってないの?」
「頼む!見せてくれ」
こんな感じで良くいるお調子者みたいな感じだけどいい奴。
「しょーがないなー」
なんて他愛のない話をしながら教室に入る。
授業を聞きながら、放課後何するかなぁ、なんてことを考える。
そんなこんなで昼休みになる。いつも静音がお弁当を作ってくれている。普段は静音と食べるんだけど、教室にいない。また、告白されているんだろう。
静音はモテる。周りのやついわく、クールなところが良いとか、可愛いとか、デレさしたいとの事だった。
誰かと付き合わないの?と聞いたら
「...好きな人いる」
と返された。誰?って聞いたら
「...ばか」
って言われた。多分、静音の好きな人はわかる。これだけ一緒にいれば、嫌でも分かる。でもこの距離感が壊れるのが嫌だ。告白してもし振られたら?なんて考えるとあと1歩が踏み出せない。でも何時か付き合えたら良いなぁ、なんて思っている。
「おおーい。ちーかー」
光太が顔の前で手を振りながら、呼んでいる。
「なに?」
「昼飯食おうぜ!」
「そうだね」
光太も静音が告白されている事を知っている。だから静音がいない時はこうやって誘ってくれる。
昼休みが終わり、授業が始まる。昼飯の後の授業は凄く眠たい。静音に怒られることが、目に見えてるから、寝ないけど。
睡魔と戦いながら授業を受け終わる。静音と帰ろうと思ったけど、図書委員のことを思い出した。
静音が図書室に向かっていたので、俺もいつものところに向かう。本を読んで待っていると、足音が聞こえてきた。静音かな?と思い、顔をあげると、同じクラスの委員長だった。
「静音ちゃん待ってるの?」
「そうだよ」
「私も一緒に待ってていい?」
「良いよ」
多分委員会の友達を待つのだろう。
そこから30分ぐらいたったら委員長の友達がきた。
「じゃあ私達帰るね」
ばいばい。なんてやりとりをした後、と静音が来る。
近寄ってきて俺の匂いを嗅いでくる。そして不機嫌になった。
不機嫌になった理由が分からないけど、静音が歩き出したのでついていく。一言も喋らないまま家に着いた。そして
「着替えたら、部屋きて」
と言われた。何か話でもあるのだろうか。
素早く着替え部屋に向かう。ベランダから隣に渡る。ノックをして、静音の部屋に入る。すると静音が抱き締めてきた。
「どうしたの?」
「匂いの上書き」
5分ぐらいしても離れないので、
「ほら。そろそろいいんじゃない?」
と言うと、静音は寂しそうな顔をした。
「ねぇ愛。私のこと...好き?」
唐突な質問に答えることが出来なかった。すると今度は悲しいそうな顔をしながら
「私はね、愛の事が好き」
一瞬の間が生まれる。
「えっと、その、」
上手く言葉が出てこない。
「私がこんなことするの迷惑?」
目尻に涙が溜まっている。俺は何とか声を出す。
「そ、そんなことない」
少し掠れながらも、何とか声にする。
「ほんとに?」
「ああ、ホントだ」
「じゃあ私の事どう思ってるの?」
彼女の告白は凄く勇気がいることだっただろう。だから今度は俺が頑張る番だ。
「俺は、静音の事が好きだ。クールな所も、真面目なところも、甘えん坊な所も全部好きだ」
静音の抱きつく強さが強くなっている。これは嬉しいんだろう。俺も抱きつき返す。そして同時に抱きつく力を緩め顔を近づける。
小さい頃からいつも一緒にいた2人の影が初めて重なった。
なんか下手な恋愛小説みたいになってしまった。
クーデレになってない気がする。
次はヤンデレかまた、クーデレになるかも。