少女が気絶してから数時間がたった。
もう夜も明けておりお日様が顔を覗かせる。
自分は妖怪の類と思ったため太陽などは大丈夫なのかと思ったがどうやら何ともないらしい。隣を見ると年端もいかない少女がスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている。
自分はお前の為に此処に座りっぱなしだというのに呑気な奴だなぁ。そんな事を思いながらボーッと過ごしていた時、彼女が目を覚ます。まだ眠いのか目を擦りながら地面に手をついてゆっくりと起き上がる。彼はそれを見ると彼女に声をかけた。
「大丈夫け? 急に叫んだと思ったら倒れたからビックリしただ。ほれ、目を擦るな。バイ菌が入っちまうぞ。」
倒れた原因が自分だと言うことにまったく気付かない彼は少し天然だった。
声をかけられた少女は何でこんな所に居るんだと思い声のする方を見る。そして夜と同じく顔を青くさせると即座に起き上がり叫びながら走り去っていった。
「化け物ーーー!!!!!!」
取り残された彼はぽりぽりとこめかみを掻きながら呟く。
「変な女だなぁ、まぁあれだけ元気なら大丈夫だろ。オラもそろそろ此処がどこだか知らねぇとな。」
彼は腰を上げゆっくりと歩いて行く。
そして気付く、自分のいる所が腐って行くことに。驚愕した彼は咄嗟に跳びのき別の場所に足を置く、しかしそこも同じように腐って行くので右へ左へ足踏みを繰り返す。その様はまるで変なダンスを踊っているかの様に見え滑稽だが、不気味だった。
「もしかしてこれ、オラの所為か? だとしたら申し訳ねぇ!こんなに草枯らしちまったぁ!取り敢えずこれ如何にかしねぇと!」
彼は念じた、腐るのを止めろと。
そうすると全身に纏わりつく瘴気が心臓の部分に集まり始め一つにまとまった。
そしてそれを見た彼はもう大丈夫なのかと思い腐っていない場所へと足を向ける。
足が地面に触れると草は腐る事も枯れる事も無かった。
良かった、そう思い彼は少し軽い足取りで森の方へと進んでいった。
一方少女は未だに顔を真っ青にしながら主人の元へと走っていた。
無縁塚を抜け森に入るとそこは瘴気が漂う不気味ながら何か惹かれる場所であった。此処は魔法の森と呼ばれる場所で瘴気や化け物茸の胞子が宙を舞い人間どころか妖怪ですら余り足を踏み入れない場所である。
所が彼はそんな中を表情が分からない骨だけの顔なのにどこか平気そうな、それでいて楽しそうな顔でズンズン歩いている。それどころか瘴気の塊がある彼の心臓部に胞子や瘴気がさながらブラックホールに吸い込まれる様に集まりだしている。
「ん〜、やっぱり自然は空気が澄んで気持ちいいだ。年取ったらこんな所に住んでみてぇな。」
そんな事に気付かず彼は更に森を歩き続ける。数分歩いたところでおっ、と声を上げふと足を止める、先を見ると少し開けた場所に一つだけ家がぽつんと建っていた。
「もしかしたら人が居るかもしれねぇだ、留守じゃなかったらいいけど。」
彼はその家へと向かって行く。
少女がいた。金色の髪に青い瞳透き通る様な白い肌、まるで人形の様な見た目を持つ彼女の名はアリス・マーガトロイド。姿形は人と一緒ではあるが彼女は元人間の魔法使いである。そんな彼女はいつもの様に人形を使い料理をしている。ちょうど朝ごはんが出来上がった様で料理の乗ったお皿をテーブルに乗せるとうん、と満足そうに頷いた。
「今日も良い出来ね、さてじゃあ頂きましょうか。」
椅子に座り料理を口に運ぼうとした時、テーブルが少し揺れる。最初は地震かと思ったがその揺れは一定のテンポで起こり次第に大きくなっていく。まるで巨大な何かが歩いてる様な、不気味に思った彼女は不安そうに周りをキョロキョロ見回す。すると揺れと音が止み良かったと息を吐き出す。
そして、ふと窓の外を見て見ると外から赤い
大きな目玉が此方を除いているのが見えた。その目玉は自分一点だけを見ていると気付いた時、彼女は声を上げる事もなく気絶した。
「ありゃ? 倒れちまっただ、もしかして眠かったんか? お〜い、そんな所で寝てたら風邪引くぞ〜。困ったなぁ、ここが何処だか教えてもらおうと思ったのに。」
自分のせいだとは気付かず彼はすっとぼけた事を言う。
「どうすんべ、この身体だと家に入る事も出来ねぇ。しょうがねぇ、歩くのも疲れたしちょっと休憩していくか。」
彼は裏に回りドスンと音を立て地面に寝そべった。
お久しぶりです。かなり遅れてしまい申し訳ございません。
そのくせに短く話が全く進んで無い……すみません!
次回もよろしくお願いします。