みかん少女とヨーソローな幼馴染が部屋にいる生活 作:すいーと
どれくらいのテンポで書けばいいかよくわかっていないのでご意見等あればぜひ下さい。
あの入学式から早くも1週間ほどが経ち、ピンク色だった木が緑に染まり始める4月の中頃。大学に入って初めての休みを俺はゴロゴロして過ごしていた。広いリビング一人きりでいるとついついだらしない恰好になってしまうものだ。
この1週間はいろいろ大変だった。会う人会う人にどういう関係ですか? って聞かれることから始まって、千歌はうっかり一緒住んでることをばらしかけそうになったり、千歌と曜が恐ろしいほどの告白を受けていた。俺はそっち方面はなかったな。むしろ千歌たちに振られた男の人たちからの
部屋に合わせた白の絨毯の上に寝っ転がって最近買った漫画を読んでいると、急にあたりが暗くなった。
「まーさーきー君っ」
「千歌か。脅かすなよ」
声がして、漫画をどけると千歌がのぞきこんできていた。
「それより真樹君は考えたの?」
「何が?」
「もうすぐよーちゃんの誕生日じゃん!!」
「えっいつ?」
「4月17日だけど……。というか彼女の誕生日忘れるとかサイテーだよっ。特に女の子はこういう記念日は忘れられるとけっこうダメージでかいよ。特に彼氏からだと」
4月17日。ちょうど1週間後だな。
「それは大変だな。よし千歌、曜がいない今のうちに計画を練るぞ!!」
読んでいた漫画を床に置き、俺は風見鶏もびっくりな変わり身の早さで起きると、高らかに宣言した。ここ数日二人には身の安全ため彼氏はいないといってもらっていてかなり他人行儀接していて相当機嫌が悪い。ここで誕生日まで忘れてたとなるとシャレにならないことになるかもしれない。
「とりあえずプレゼントは各自で用意するとして――」
「ちょっと待て」
「え? 何か変だった?」
「いやここは二人で選ぶというのはどうだ? ぶちゃっけ俺は女子の喜ぶものなど全く見当がつかない」
「うーん。しょうがない二人できめよっか」
「こういう時は相手の欲しいものをあげるといいんだっけか? 何か心当たりないか」
「真樹君こそないの?」
「「うーん」」
二人でうなること数分。千歌が何を思いついたらしく大声を上げた。
「あっそうだ。そういえば少し前に音ノ木坂学院の制服見て着てみたいって言ってたよ」
「んなもんどうやって入手するんだよ。さすがに制服ドロボーで捕まりたくはないぞ」
基本制服を合法的に買うためには学生証が必要なのだ。
「じゃあ卒業した人を探して譲ってもらうとか?」
「絶対不審者扱いされるだろ。というか一旦制服から離れよう」
「うーん他か~。高校の時は船の免許ほしいって言ってたかな?」
「あげても意味ないだろ。というかあげられないな」
昔曜は船の船長になることが夢だと言っていたことがあった。
「そうだよねー。って文句ばっかり言ってないで真樹君も考えてよ!!」
「そうだなー」
思考の海に潜ろうとしたその瞬間、大音量で鳴り響く着信音。そういえば漫画を読むときは集中して気づきにくくなるから最大にしておいたんだった。
「うわっ。びっくりした。噂をすればやんとやらってか」
「よーちゃんから?」
「ああ」
千歌に短く返答すると、スマホの応答と書かれているところをスワイプして電話に出る。
「もしもし? なんか用か」
『うん。今買い出しから帰るとこなんだけど何か欲しいものないかなって?』
欲しいものという単語にビクっした。たまにタイミングが悪くそれに関連したワードを偶然にも出されてびっくりする経験はないだろうか? 今まさにその状態だ。
「いや俺は特にないけど」
『どうしたの真樹君? なんか声裏返ってけど……』
「いやなんでもないんだ、じゃあ切るぞ」
『え? あっちょっと――』
電話を無理やり切ると千歌が声をかけてくる。
「真樹君すごく焦ってたけどどうしたの?」
「曜がこのタイミングで欲しいものなんて言い出すから動揺しちゃってなんか変だって疑われた」
「それってかなりまずいじゃん。とにかくばれないようにしないとね」
人間だれしも弱点がある。俺春野真樹の弱点は隠し事ができないところだ。昔からサプライズ関連は成功したことがない。
「というかもう曜が帰って来るぞ」
「じゃあ一旦各自で考えるってことで」
「確かに安全に行きたいもんな」
計画して数時間もかからず計画がばれるのはさすがに恥ずかしい。俺と千歌の曜へのサプライズバースデーパーティー計画がこっそりと幕を開けた。
題してばれてはいけないサプライズ計画。なんかダサいなうん。