みかん少女とヨーソローな幼馴染が部屋にいる生活 作:すいーと
また連続更新記録途絶えさせましたねすいません。
朝ごはんを食べ終え、日用品を買いそろえるために出かけるための準備で一旦部屋に戻った俺はある重要なことに気が付いた。
「何を着ればいいんだ」
高校に通ってるときは基本制服でと指定のジャージで過ごしていた俺は、流行りのファッションとは無縁で、たまに行くコンビニですら部屋着装備。一人で出かけるならそれでもいいが、今日は千歌たちがいる。あまり変な恰好はできない。どうしたもんかと悩んでいると、後ろから救いの声がした。曜だ。
「真樹君まだ着替えてなかったの?」
「いや、何着たらいいのか悩んでいる」
「なら私に任せて、これでも衣装担当だったんだぁ」
衣装担当? なんだそれ。少し疑問には思ったが、きっとファッションリーダー的なもんだろ。
「そこのダンボールに一応服が入ってる」
部屋の隅に置いてあるまだ整理していない一角を指さす。曜はいくつかのダンボールを開けると、そこに入っている服たちを手に取り。
「うわっ。なにこれ全部パーカーじゃん。なにこの緑色のやつ」
曜が引っ張り出して来たのはとある人気ゲームの深夜徘徊する顔が四角い爆発するモンスターをモチーフにしたパーカーだ。受験の時息抜きでやっていたゲームのキャラでつい衝動買いしてしまった品だ。
「ゲームのキャラだ」
「へぇー。というか真樹君の服パーカーしかないの?」
「基本それで何とかなったしな」
「決めた。今日真樹君の服を買いに行きます」
「いや日用品は?」
「それも買うけどパーカーだけだと大学生活困るよっ?デートとか……」
「いや、困らないだろ。そうそう出かける機会もないだろうし、というか彼女いないし」
「少しぐらいおしゃれしたほうがいいよ。うん。悲しい大学生活送りたい?」
「うっ。それは……。よろしくお願いします曜先生」
さすがにそれは嫌だと思い素直に任せることにした。
「素直でよろしい」
満足そうにうなずく曜はどこか嬉しそうだ。ファッションとか好きだったんだな意外だ。幼馴染の知らない一面を知ることで理由はわからないが少し寂しい気持ちになった。
「ひとまずこれでも着ときなよ」
差し出されたジーパンと黒いパーカーを受け取り、曜に視線を送る。
「どうしたの? 早く着替えなよ」
「そう思うなら外にいってくれ」
「ごめん」
出ていく曜の顔は少し悲しそうだった。言い方少しきつかったかな? 後でなんかおごって機嫌を取ることにしよう。
「まじでさ、お前らなにしたんだよ」
申し訳なさそうにしゅんとする二人に俺は問いかける。
つい1時間ほど前の事。着替えを済ませた俺たちは電車を使って移動して目的地である激安の殿堂の前までたどり着いたのだが、ここ大問題が発生した。二人がずっと見られているのだ。最初はそんなに気にしていなかったのだが、だんだん視線がカメラに変わり、
『あのっ。……さ、サインください!』
この言葉をきっかけにして、スターにでもあったように大騒ぎになりちょっとしたパニックに。色々と危険を感じた俺たちは逃亡を計り何とかカラオケボックスに避難したというのがここまでの出来事。
二人は相談するようにアイコンタクトを飛ばしあうと、すぅーっと息を吸い込んだ。
「「私たちスクールアイドルやってましたっ!!」」
「…………。はい?」
反応をうかがう二人を目の前に俺はすごく間の抜けた声が漏らしていた。
「まだエイプリルフールには早いぞ」
「これ証拠の動画です」
理解が追いつかないままにAquasというグループの動画を見せられる。センターで踊るのはオレンジ色の髪で特徴的はアホ毛の女の子、その隣で踊るグレーの髪の少女はまぎれもなく目の前にいる俺の幼馴染二人千歌と曜だ。理解が追いつくとスーッと全身の血が下に降りていくのがわかる。目見飛び込んで来ている動画のタイトルが……。
「この動画ラブライブ! 優勝グループってタイトルだけどまさか……」
「うん優勝したよ」
ラブライブ! といえばアキバドームで決勝が行われるほどの大きな大会で、予選を勝ち抜だけでも大変だと言われていている。しかも決勝の舞台に立つだけで、スカウトが来ると噂。さらにμ's以降の優勝グループの中にはプロとして大成功を収めているグループもあり、テレビ中継が入るほど人気も高い。特に興味ない俺でもこのくらい知ってることからもその人気がうかがえるだろう。
「あははははははははははは」
「曜ちゃん大変。真樹君が壊れた」
「仕方ないんじゃないかな。いきなりこんな話したら、さすがの真樹君でも……。少し落ち着くまで待とう?」
「そうだね。それしかないもんね」
ひとしきり笑い終え、俺は現実と向き合うことにした。
「さて二人とも。これからどうするかを話そうか」
「おっようやく戻ったね」
「買い物行くんでしょ?」
「あほか千歌。こんな状態で買い物なんて行ってみろさっきよりひどいことになるぞ」
「そっか。どうしよう」
「そうだ変装とかいいんじゃない? ほらよく芸能人とかやってるし」
「それ面白そう」
「どうやってその道具を調達するつもりだ?」
「それは真樹君が……」
「だと思ったよ。で? 具体的には何を買ってくればいいんだ?」
「サングラスにマスクだと不審者っぽいから……特徴を消せばいいんじゃない? やっぱり髪かな?」
千歌はそういいながら目を上に向けて自分のアホ毛をいじりる。確かに二人とも特徴的な髪色だ。
「確かこの近くにコスプレの専門店があったよね? そこでウィッグを買ってきてもらえば……」
おお、珍しく千歌からまともな意見が……。こいつも成長してるんだな。少し感心していると曜がテンション高めに提案をする。こちらをちらちら見ながら退路を断ってきている。
「嫌だぞ俺は、コスプレショップに一人で行くとか絶対無理だ。いくらこっちを見てもだめだぞ。ほかの案にしような。な?」
「じゃあ真樹君考えてよ。いたずらとか考えるの得意だったでしょ?」
「それは昔の話だろ? それにいたずらと変装は全く関係なくだろ」
「で何か意見は?」
数秒の沈黙。どこからか楽しそうに歌う声がうっすらと聞こえる。こんな時にアイドルソングを歌うなよと無関係な歌声の主にツッコミを入れる。そして結局――。
「ありがとうございました~」
バイトの兄ちゃんのにやけ交じりのそんなマニュアル接客をバックに、店の外に出る。終わった。絶対イタイコスプレ野郎だと思われた。だって二人ともリクエストするの明らかに言い訳のしょうがないやつなんだもん。もうこの店来れないじゃん。あっもう来る人必要ないですね。
色々失いながらもカラオケボックスに戻って来た。
「真樹君おかえり」
「ほら買ってきたぞ」
二人に袋を渡す。疲れ切った俺はカラオケボックスのソファーに深く腰掛け、目を瞑った。渇いた目に自分の涙がじんわりと涙が染み渡る。
「真樹君どう? 似合うかな?」
千歌の声がして目を開けると、黒髪ツインテールの少女がいた。普段と違う姿に心臓が直接誰かに触られたようにきゅんとなる。不覚にも千歌にときめいてしまったのだ。
「真樹君私はどう?」
目の前に現れたオレンジのサイドテールの少女はどこかで見たような気がしなくもないが、肩まで髪がある曜を見るのはとても新鮮で普段は見られないレアな光景でなんかこう、ぐっときた。これがギャップ萌ってやつか
「ああ。二人ともよく似合ってるよ」
「「ほんとに?」」
二人が嬉しそうにハモる。それからせっかくカラオケに来たんだからと三人で数曲歌い、会計済ませて外にでた。
そしてさっきよりすごい事になった。
髪を伸ばしたμ'sと勘違いされてしまい買い物どころではなくなってしまったのだ。
その日夜に調べたら確かにμ'sというグループに高坂穂乃果と矢澤にこというウィッグを被った二人によく似た人物がいた。
しばらく買い出しはネット通販か俺一人になりました。
次回は本編とは少し離れて、記念話でも書こうかな?