Fate/Grand Order 特異点α 天神煩殺聖都立川   作:十三番目の弟子(帰ってきた)

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タイから帰ってきました。来月はフィリピンだぜ!


3

マシュは夢を見ていた。それは、誠に奇妙で奇天烈で摩訶不思議アドベンチャーな夢であった。

 

「全員寝静まったかな?」

 

ヒソヒソと、くぐもった声が響く。それに答えるイエスの声。

 

「たぶん大丈夫だよ」

 

すると、マシュの真上から甲高い声が聞こえてくるではないか。

 

「ふあー、よく寝たダター。あれ?知らない人が沢山…」

 

「カンダター、寸劇はいいから早く開けてよー」

 

「もう、ベロニカったらせっかちなんだから」

 

とてとてと棚に近付く人形。高く飛び上がり、声の聞こえてきた棚を蹴り飛ばす。

 

「ぐへっ」

 

イエスの声──どうやら、ベロニカと言うらしい──が、潰された蛙のような声をあげる。

 

「それじゃあ今日は…ベロニカ!一発芸を!」

 

「う〜ん、そうだねぇ…」

 

棚から聞こえるベロニカの声。

 

「第一章、『米よ、立て』」

 

「ごめん、それ一発芸じゃないよね?」

 

くぐもった声がベロニカの一発芸を遮る。

 

「もう、Jr.ったらー!ベロニカの芸を邪魔したら駄目ダタ!」

 

プンスカ、という擬音が似合いそうな怒り方をするカンダタに、Jr.と呼ばれた仏像がブンブンと首をふって対応する。

 

「いやいや、ベロニカがあのまま話してたらたぶん、朝日が出るよ」

 

「まぁ…そうダタね」

 

「……じゃあ違うネタをするよ」

 

しばらく悩むような声が棚から聞こえる。 

「それじゃあ…『食い倒れ紀行・食いしん坊 ハレルヤ!今日もはじまります!』」

 

それは、唐突であった。正しく、不意を突くネタであった。予想すらしない物であった。

 

「「アッハッハッハ!」ッゲッホゲホ!」

 

故に二人のツボにはまり、爆笑を誘った。それは、カンダタの首に致命的なダメージを与えてしまった。

 

「カンダタ…やっぱりやめた方がいいよ、その無理のある裏声」

 

「フォウ、フォウフォーウ」

 

Jr.がカンダタをたしなめていると、白くてモコモコした謎生物が同意するかの様に首を縦に振りながら出現した。

 

「あれ?フォウさんじゃないか。久しぶりだねぇ」

 

「フォウ!」

 

そのの名は、フォウさん。カルデアに住んでいる謎生物であった。『さん』を付けなければ何処からともなく『さんを付けろよデコ助野郎!』という電波を受信するとか、幾ら消費されても何処からか湧いてくるため実はダウィンチちゃんが培養しているという噂が流れている謎生物であった。

 

「いやぁ、カンダタがまた無理して裏声だすから首から綿が出ちゃってね…ブッダ様にまた縫って貰わないと」

 

「……そういえば、私、もうすぐはんぺんに洗濯されるな」

 

嫌だの神よお助けくださいだの騒ぎ出すベロニカ。それを二人?と一匹は華麗にスルーする。

 

「カンダタ、君もうすぐ首が千切れちゃうんじゃない?だんだん解れも大きくなっていっているし」

 

「何言ってんだ!御釈迦様にゃあ、俺ぁどんだけ得を積んでも返しきれねぇ恩があんだよ!もう御釈迦様の期待は裏切れねぇ!」

 

Jr.の心配に、力説するカンダタ。そんな二人を見て、フォウさんが動き出した。

 

「フォフォフォウ……フォウ!」

 

「なんだ!?」

 

突如、フォウさんが発光を始める。それは、カルデアにおいて種火とかを交ぜるときに良く見られる発光であった。

 

フォウさんの姿が光の粒子へと変わり、カンダタを包み込む。

 

「グワーーッッ!」

 

一際眩しい光を放つと、フォウさんは消え去り、カンダタの首は修復されフォウさんが付けていたリボンが付いていた。

 

「フォ、フォウさん……アンタ、自分を犠牲にしてまで俺を助けてくれたのか」

 

首に付けられたリボンを触りながら、カンダタが呟く。

 

「まるで…火に身を投げた兎の様でありますな」

 

二人で、部屋を照らす月を見上げる。

 

「あいつも、月に行けるのか?」

 

「ええ、行けるでしょう」

 

 

 

 

──────

チュンチュンクルッポーカァカァクケケケケと、様々な鳥の鳴き声によってぐだ子は目を覚ました。

 

部屋は未だに暗く、太陽は出ていないように思われる。スヤスヤと穏やかな寝息をたてるマシュを横目に、ぐだ子は寝惚けながら時計を見た。

 

07;18

 

時計は、ちょっとぐだ子の想定に無かった時刻を射していた。

 

「えっ、ちょっ、朝日…」

 

バッと窓を見ると、そこには夥しい数の鳥がいた。まるで、セールに集まる主婦のごとき気迫を感じたぐだ子。

 

「う〜ん…うわっ!また集まってる!ほら!別に涅槃に入る訳じゃないから!」

 

目を覚ましたブッダの言葉に、鳥たちはバサバサと飛び去っていった。

 

「ごめんね、驚かせちゃって。…やっぱり、寝方が悪かったのか?」

 

「あ、いえ!大丈夫です!」

 

それからブッダは朝食の準備に、ぐだ子は皆を起こしにいった。

 

まず始めに起こしたのは、自分の横で寝ていたマシュだった。

 

「……私、憑かれているんでしょうか」

 

マシュ、目覚めて一言目の言葉である。

 

「マシュ、疲れているんだったら私に言ってね?マスターとしても、先輩としても、マシュのことは大切に思っているんだから」

 

マシュは『そうじゃないんですよ』という言葉を飲み込み、なんとなく上を見る。

 

そこには、フォウさんと同じリボンを付けた人形が吊るされていた。

 

 

 

 

 

 




出張の時に、ゲームのモンハン世界って型月基準で考えたらとんでもない魔境じゃないかって考えてました。
最強の幻想種である竜が飛び交って、世界を滅ぼしかねない古龍が頻出して、それを単独で狩る事が出来るハンターがいる。
ヤバい世界。
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