Fate/Grand Order 特異点α 天神煩殺聖都立川   作:十三番目の弟子(帰ってきた)

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「昨日の夜、お風呂入れてないし……朝風呂に行こうか」

 

ブッダの提案に、ぐだ子の纏う気配が変わった。職場──カルデアのある地方は温泉という風習が無いため、カルデアはシャワーのみである。故に日本のお風呂=湯槽があるという式が彼女の中で出来上がり心を踊らせている。

 

「是非いきましょう!」

 

ぐだ子のそれは、正に鶴の一声であった。

 

 

 

 

──────

松田ハイツの近くにある銭湯。今日は番頭におばちゃんが立っていた。因みにカルデア一行、着替えはイエスとブッダの服である。下着は最寄りのコンビニで買った。あと外を出歩かせたら不味い服装の子は着替えさせた。 

「あら、聖さん。ちょうど一番風呂、淹れたところよぉ」

 

「おお!本当ですか!」

 

「イエス、興奮してお湯を葡萄酒に変えたら駄目だからね?」

 

右に男湯、左に女湯があり、それぞれ別れて暖簾を潜る。その先には戸の無い沢山の棚と籠があった。

 

「さすが日本の文化ですね…互いに信頼があるから、戸や鍵は不要だという考え。素晴らしいとおもいます」

 

「ナァ」

 

ジャンヌの言葉に頷くフラン。そんな二人にぐだ子が誇らしげに胸を張る。

 

「温泉は良い文化だからね。第二特異点でネロと温泉の素晴らしさについて語り合ったくらいなんだから」

 

まあ、ネロの考えた純金風呂はぐだ子には合わなかったが。ただ、ぐだ子の伝えた露天風呂はいたく気に入ってくれた。何でも、外で肌を晒す背徳感が何とも言えないらしい。変態である。まあ、ローマは何かと変なのが多いが。

 

「それじゃあ入ろっか。ほら、ジャックちゃん腕上げてー」

 

「んー」

 

立川に飛んでから、何故か母親スキルが上がっているぐだ子であった。

 

因みに、マシュ、ジャンヌ、ジャック、フラン。彼女らの地域にも、温泉という文化は根付いていない。彼女らの想像する風呂とはシャワーやスパの様な物であり、この後度肝を抜かれるのは確定的だったりする。

 

 

 

 

──────

男湯、そこには三人の影があった。イエス、ブッダ、アルジュナの三人である。

 

「これは良い物ですね。上手く言い表せませんが……そう、魂が浄化されているような感じがします」

 

湯を掬い上げながら呟くアルジュナ。その言葉に驚くイエス。

 

「日本で入浴は魂の洗濯って言われているからね。え〜っと、ドンピシャって言うんだっけ?」

 

「あってる……のかなぁ?」

 

そんな話をしていると、脱衣場へと続く引き戸がガラガラと開けられる。

 

「アニキ!兄貴じゃねぇですか!」

 

入ってきたのは、ヤクザをやっている子煩悩な父親の竜二さんだった。

 

「竜二さん!竜二さんも朝風呂ですか?」

 

「ええ。静子と愛子も一緒でさぁ。ところで……」

 

竜二はアルジュナに目を向ける。褐色の肌に鍛えられた筋肉、そして堅気では纏えない臭い。故に竜二はアルジュナをこう判断した。

 

「こっちの若いのは、以前言っていた舎弟の一人ですかい?」

 

しばし見つめ合う竜二とアルジュナ。そして、唐突にガシッと手を組んだ。

 

「貴方とは気が合う予感がします」

 

「ワシもだ」

 

そして、舎弟二人は語り合う。

 

 

 

 

──────

「ヘイヘイホ~」

 

「「へ、へいへいほー」」

 

少女の可憐な声で、与作が紡がれる。その後に、若干調子が外れた合いの手をマシュとジャンヌが入る。

 

「ヘイヘイホ~」

 

「「「へいへいほ~」」」

 

ジャックがぐだ子に抱えられながら、楽しそうに口ずさむ。可愛い。

 

「随分と渋い歌を歌ってるから誰かと思えば…可愛らしい子じゃないか」

 

「あいこもうたうー!」

 

「湯槽に入るのは身体を洗ってからだよ」

 

入ってきたのは、一組の母子──竜二の妻と子の静子と愛子だった。 

「…ここらへんじゃ見ない顔だね。観光かい?」

 

ぐだ子は迷った。まさか本当のことを言うわけにもいかない、というか言っても信じてもらえないだろうし。だからぐだ子は、簿かして言うことにした。

 

「ちょっと問題に巻き込まれてしまって…イエスさんとブッダさんに保護してもらってるんです」

 

静子はかつてイエスが話していた、ヨハネの首を銀の皿にという要求を思い出した。そんな組の問題、よっぽどの問題なんだろう。

 

「今回は本当に運が良かったですよね…軍隊に追い回されることもないですし」

 

「夜に暗殺とか襲撃を警戒する必要がないしね」

 

マシュとぐだ子がほのぼのと語っているが、静子からすれば驚愕である。高校生ほどにしか見えない少女が、軍隊に追い回されるとは何をやらかしたのか。それを匿えるイエスの組はどれだけ大きいのか。そんな勘違いをしていた。

 

 

 

 

 




オリオンがアルテミス様と結婚するまで人生やりおすっていうの、楽しそう。
たぶん、お兄ちゃんに妹は嫁にやらんぞ!ってなって十二の試練的なのやらされることになるけど。
がんばれオリオン、まけるなオリオン、君が死んだらアルテミスが病むぞ!
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