異界、それが交わる時 作:気分屋2016
とある世界、とある場所に一人の男が立っていた。その男の前にはたくさんの泡があった。その一つ一つに映像が描かれている。
男は幾つかの泡を掴み、
「さあ、始めよう・・・世界の、異界の統合を・・・!」
混ぜ合わせていった・・・。
先ほどとはまた、違う異界。一人の青年が一匹の犬と散歩している。
青年の名はキワムという。仲間たちとともにこの世界にある空を突き抜けてそびえ立つ『スザクロッド』というのを守っている。
「アンッ、アンアンッ、クゥーン、ハァ、ハァ」
キワムと共に散歩している犬、クロが突然走り出した。
「あ、どうしたんだよクロ?!」
キワムはそれを追いかけていく。
クロを追いかけている途中、周りが黄昏ていく。ここまでなるにはまだ時間があったはずなのに。
キワムはそれを疑問に思いながらもクロを追いかけていく。
「あれは!?」
キワムがクロに追いつくと一人の少女が戦っている姿が見えた。少女が戦っている相手は今まで自分が戦っていたスザクロッドを襲う魔物ではなかった。
「__行くぞ、クロ!」
「アンアンっ!」
キワムに少女を見捨てるという選択肢はなかった。
「繋げ、
少女が叫ぶと少女の足元から魔法陣が生じた。そこから数条の光輝く糸が現れ少女の指に巻きつく。
少女がそれを掴んで引くと__魔法陣から骸骨めいた人形、ずず、と引きずり出された。
「修羅なる下天の暴雷よ、千々の槍以て降り荒べ!」
少女が素早く糸を操るのに呼応し、人形が複雑怪奇な印を結ぶ。
すると人形の眼前に無数の小さな魔印が浮かび、その全てが迅雷の槍となってと魔物へとほとばしった。
しかし、その千々の雷火に襲われながらも魔物は少女に向かっていった。
「くっ!」
少女は反応し魔物からの攻撃に避ける。
少女の名はリフィル。『ロクス・ソルス』という都市に住んでおりそこにある巨大な門、『デュオ・ニトル』に向かう“ロストメア”を倒す“メアレス”の一人だ。
リフィルが偶然散歩をしている時に見つけた魔物、今まで自分が戦ってきた“ロストメア”とも“悪夢の欠片”でもない、異形の存在。
リフィルは今まで戦ったことのない存在に苦戦していた。
(こいつは一体・・・?この前みたいな異界な存在?)
思考、それは一瞬の油断。リフィルが考えてしまった時に魔物はリフィルに攻撃が届く範囲まて来ていた。
「しまっ__!」
反応した時にはもう遅い。魔物の攻撃がリフィルに向かって振るわれる。避けることの出来ない一撃。
しかし、
「“アウデアムス”!」
目の前の魔物が大きな狼のような存在に吹き飛ばされ、魔物の一撃がリフィルに当たることはなかった。
「大丈夫か⁉︎」
キワムがリフィルに声をかける。
リフィルはそれに対して「すまない」と短く返す。
「GEAaa・・・」
“アウデアムス”が吹き飛ばした魔物が低いうなり声をあげて立ち上がる。
それに反応してリフィル、キワム、そしてアウデアムスが戦闘態勢を取る。
しかし魔物はリフィルとキワムを一瞥したあと、フッ、と消えていった。
魔物の気配が感じなくなったため、リフィルは人形を直し、キワムはアウデアムスを戻す。
「なんだったんだ、今のは・・・」
「さあ、とりあえず助けてもらったことに礼を言うわ。私はリフィル。あんたは?」
「俺はキワム。よろしくな。こいつはクロ。俺のガーディアンだ」
「ガーディアン・・・?」
リフィルは聞いたことのない言葉に首を傾げる。
「え、リフィルは違うのか?さっきの人形がガーディアンなんじゃあ?」
「違う。私はメアレス__夢見ざる者よ」
「メアレス・・・?」
今度はキワムが首を傾げる。
「どうやら意見を交換する必要があるみたいね。ついてきて」
リフィルが都市の中に入っていく。
「ちょ、待ってくれよ!」
キワムはリフィルを追いかけ、都市の中に入っていった。
続くかは未定