別世界に転生した俺ことリムルは、
「あ、ちなみに俺、性別無いから。というか生物的に人間ですらないし」
などと
え、じゃあ悪魔とか? 魔力量めっちゃ多いみたいだし。
「あー、悪魔は配下に結構いるけど、俺の元々の種族はそんな上等なもんじゃないよ」
それじゃあ、一体何?
そう聞こうとしたところで、リムルの顔がドロリと崩れていき、全身がプルンッとした青色の丸い塊になった。
こ、これは、まさか!
「そう、俺は“スライム”のリムル。改めてよろしくな。
「あ、ああ」
「よし。それでそっちのおねーさん、お名前を聞いてもよろしいですか? ああ、俺は魔物だけど良いスライムだから、危害を加えたりしないですよ」
「……アウラ・カープァだ」
「アウラさんですか。姿だけではなく名前も美しい。今度俺の国に遊びに来ませんか? エスコートしますよ」
俺との会話とは比べるまでもない丁寧な態度でアウラに話しかけるリムル。
おい、俺の奥さんにちょっかいかけるなよ。
「だって! 俺の性別をどうにかしようとするとシエルが止めるんだもん! 俺も男として女の子とイチャイチャしたいのに!」
《当たり前です。今でも苛烈な正妻戦争が更にヒートアップするのは目に見えています》
あー、それはなんというか、ドンマイ。
「サトルは良いよなー。こんな綺麗な奥さん捕まえて、だらだら後宮暮らしだろう?」
「だらだらするのもすぐ飽きてくるぞ。日本人的な社畜根性が染み付いてるなぁ、としみじみ思うよ」
「……それは俺も結構感じてる。なんかやってないとソワソワするよな」
超分かる。
とまあ、雑談はここまでで。
「リムル、いくつか質問があるんだがいいか?」
「いいぜ、サトル。だいたいの事には答えてやれるよ。シエル先生がな!」
《お任せください》
「……まずはその『シエルさん』ってのは誰なんだ? 声は脳内に直接響いてくるけど、姿は見えないし」
《解。私は人ではなく
うん、知らない単語だらけで訳わかめ。
《順番に解説します。
とりあえず俺のエクストラスキル【魔術師】よりかなり強力なスキルを持ってるってことは分かった。
「へぇ、お前の最初のエクストラスキルは【大賢者】でなくて【魔術師】なのか。俺とは異なる進化をする可能性が高いな」
《肯定。しかし
「なるほど。だから【魔術師】と【熱変動耐性ex】しかスキルがないのか。まあ、この世界で最低限必要そうなスキルを得られてラッキーだったな、サトル」
「なんで俺のスキルが分かるんだ? 【魔術師】はさっき話したから分かるが、【熱変動耐性ex】については一言も言ってないぞ?」
「俺くらいの上位存在になると、見ただけで相手のスキルや状態が分かるのさ!」
《まあ、私が解析して情報を送っているのですが》
「ってシエルさん⁉︎ 俺の威厳とか貫禄がなくなるじゃん!」
《元からそれらは伝わってないので問題ありません》
「マジか……まあいいや。サトル、お前この国に来てから
「あ、ああ。だって暑くもなく寒くもないだろ」
「シエル。ここの気温、摂氏何度だ?」
《現在は28℃、昼間ならば35℃は超えると予想されます。いわゆる南国です》
「──ッ! まったく気づかなかった……」
「ということで、サトル。お前は自分のスキルを全然理解していない。それではもしもの時に生き残れないぞ。だから提案だ。サトル、俺の部下のひとりに師事してみないか?」