チュンチュン。
「ふぅ。朝、か」
朝日が木製の窓の隙間から寝室内に入ってくる。
「はぁ、はぁ」
豪奢なベッドにいるのは俺と、息も絶え絶えなアウラ。
うん、ヤり過ぎちゃった!
いやね、俺も
「……とりあえず換気しよう」
この生々しい匂いは、いくら侍従とはいえ他人に嗅がせられるものではない。
まあ子どもを望まれている以上『こういうこと』をするのは前提条件としてあるけどさ、それとこれとは別だ。
人並みの羞恥心は持ち合わせている。
「う、サトル? 朝なのか……?」
「あ、おはようアウラ」
「ああ、おはよう。ところでサトル」
「ん?」
「腰が抜けて立てないから侍女を呼んではくれぬか」
「あ、はい」
……かなりヤり過ぎてしまったようだ。
俺は近くに落ちていた寝巻きを着て侍女を呼びに部屋を出た。
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「ふう、男女のまぐわいとはこんなにも激しいものなのだな。比較すべきではないが、戦場の方がまだ楽だ」
「……ごめんなさい」
「ああ、本気で言っているわけではないのだ。ちょっとした冗談だ、サトル」
いや、ほんとすみません。
実際にいたしたのが初めてでも、この精力が異常なのは分かる。
AなVの男優ですらこんなに保たないはずだ。
いったい何が俺の身体に起こったんだ……?
「どうした、サトル? 深刻そうな顔をして。──まさか、まだ足りないのか……?」
これは側室も考えねば、とアウラが小さく呟いたようだが、それを気にする余裕はなかった。
「アウラ。とても言いにくいのだが、おそらく俺のこの精力は異常だ。元の世界にいた頃にこれだけ、その、出したことはなかったし、知識として知っている一般的な男性よりもかなり多いと思う。何かこの異常の原因に心当たりはない?」
「そ、そうなのか。うむ、原因かは分からぬが『治癒の宝玉』は傷や病気の治癒だけでなく生命力を活性化させる効果もあると聞いたことがある。しかし治癒の宝玉を使用したのは二週間も前のこと。その効力がそこまで残っているかは疑問だな」
うーん、『治癒の宝玉』かぁ。
「今までに治癒の宝玉を使った人はどうだったの?」
「治癒の宝玉が使われるのは大病を患った者がほとんどなのだ。そのため生命力を活性化させても、病気で失った分を取り戻すのが精々だ。そなたのように死にかける大怪我を治すように使った記録は、少なくともこの国にはない」
「前例がないからどう影響するか予想できない、と」
「その通りだ」
だが治癒の宝玉で怪我を治してもらってからの二週間、そういった欲求が異常に湧いたということはなかった。
昨晩はアウラといい雰囲気になって昂ぶったが、それも異常なほどというわけではない。
「なんというか、どれだけ出しても充填されるって感じが一番しっくりくるな」
「それは実質底なしではないか……。やはり側室を早急に──」
「用意しなくてもいいです」
「む? しかし毎日ここまで求められるとなると、私も政務に支障が出てしまう」
「えーと、加減するように心がけますので、側室は遠慮したいです」
「男は誰しも複数の女を囲いたい欲求を大なり小なり持っていると思ったが、違うのか?」
「誰しも、ってのは違うと思うよ。確かに奥さんがいても他の魅力的な女性に目が行くことはあるだろうけど、それは男のサガと言いますかなんと言いますか……。とにかく、今の俺はアウラでいっぱいだから他の女性の入り込む余地はないの!」
「そ、そうか。そう言ってもらえるのは妻冥利に尽きるが、心に余裕ができたら考えてみてくれ。────加減されても身がもたん可能性もあるし」
最後にボソッと言った言葉は聞こえなかったけど、側室かぁ。
つまりハーレムですね分かります。
だけど童貞を卒業したばかりの俺には荷が重すぎる。