生まれ変わっても私は"私"   作:*Alice*

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第3話

私が川に落ちてから一月がたち我が家は今まで通りの生活を取り戻したらしい.......私の周り以外はな...。

 

「ねぇ~、つきひちゃ~んあそぼ~、あ・そ・ぼぉ~!!きょうはいいおてんきだし、おそとでままごとしよ!わたしがおかあさんでつきひちゃんが.......わんちゃん!ね?ね?すてきでしょ!」

 

わぁ~ステキステキステキすぎてマジうぜぇ~。

何だよワンちゃんって、ままごとしよ!私がお母さん.....までは良いけど何で私がペット何だよ。

てか犬ってこの時代の中国だと食りょu.....私は何も考えなかった。

 

さっきの通り、私がいるのは遥か昔の中国大陸、王朝は漢.......やめてよぉ~何の冗談だよぉ~って感じ。

田舎そうだし学問的な何かが根付いてればとか思ってちょっと心の中でファンタジーの世界なら魔法とか?魔物とか?それとも錬金術とか!!.....と目が覚めた私は期待に胸を膨らませたが蓋を開けたらコレだよ....。

そして旦那様、つまりこの身体のパパの家名は司馬....私の名前は司馬懿......三国志にバリッバリ絡むビッグネーム.....もうやだ隠居したい。

 

「つきひちゃ~ん!なんではなしきかないのっ!なくよ!ないちゃうぞっ!ないちゃうかんなっ!!.......なんでおはなじじでぐれなびのぉ~~~」

 

うおっと!ヤバイ泣かしてしまった昔から考え出すと周りに目がいかなくて困る。あぁ~あぁ~ごめんよ~ごめんて~ほら良い子良い子したるから泣かんといて~......。

この私の前で泣いているのが司馬郎、真名が火憐.......火憐と月火!二人合わせて司馬家のファイヤーシスターズ!...てか?ふざけろ、怪異なんてものが 登場する枠何てねぇんだよ!帰りなっ!...まったく..。

あぁ、真名って言うのは性、名、字、以外にあるもう一つの名前でめっちゃ神聖なものらしい、1歳児の私の真名を呼んでしまった新人さんは家の裏にある小屋でおっきいマッチョさん達にペチペチされ、一時期姿が見えなくなったが私が「あのおにぃちゃ、どこ?またあそびたいな~」って言ったらその3日後位に帰って来た、めっちゃ土下座され、めっちゃ感謝された。何があったんだよおにぃちゃ...。

とにかくそれぐらい真名って言うのは神聖なもので本人が許した者しか呼べないそれはそれは貴重なもの何だって......重てぇ~......真名ちょ~重てぇ~、預かるのも預けるのもどっちも遠慮したい代物だよ、まったく。

私のこの身体が司馬懿のものであるならばいずれくる戦乱の世を生き残らなければならない。なぜなら!!本が読めなくなるからな!!.....のんびり隠居したいょ~、まぁ本来の歴史で行けば成長した私を曹操が迎えにくるが、私はそれを何度も拒否する.....曹操の近くにいた方が安全だし、曹操の周りには多分多くの知識を持つものが集まる、つまり!私の理想郷はソコに出来るのだよ!!フフフッ、考えただけで涎が出ますねぇ、王佐の才と言われた筍彧、曹操にいれば赤壁で勝てたとまで言われた郭嘉、他にも程昱や賈詡など有名な名前は出るわ出るわ....ぐへへへへっ.....。

 

「ぱぱ~、つきひちゃんがこわれた~」

 

「何っ!それはいかん!今すぐ仕事を放り出して!」ガシッ!

 

「だ・ん・な・さ・ま?私の耳がおかしくなったのですかな?大切な、大切なっ!!お仕事を放り出して!と聴こえたのですが、どういう事ですか?」

 

「じ、爺や....じょ、冗談だよ!冗談!!私が大切な仕事を放り出すわけ無いじゃないか!」

 

「そうでしょうそうでしょう、つい一月前にも司馬家の当主とはどうするべきかとあれ程、あ・れ・ほ・ど!説いたのですからね、コレでダメなら以前よりもみっちり!懇切丁寧っ!お話致そうと思いましたが私の聞き間違いという事で今回だ・け・は!このままお仕事にお戻りになれば聴かなかったことに致しましょう」

 

「.....はぁ、わかった、わかりましたよ。大人しく仕事に戻る。火憐と月火の事は侍女たちに任す、これで良いな?」

 

「はて?旦那様は身体を解すために立っただけでは?」

 

「そうだな、そうだったよ」

 

「はい。お前達、お嬢様方を頼みますよ。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

 

私のお仕えしている司馬家のお嬢様、司馬懿お嬢様は少し変わられている。まだ幼く物心ついていないだろうに時折何か深く思考なさっているような、そんな感じがする。思考中のお嬢様はお仕事中の旦那様に雰囲気がそっくりでやっぱり親子は似るのかと1人納得している。

司馬懿お嬢様の姉君である司馬郎お嬢様は年相応の無邪気さがありお外で身体を動かすのがとてもお好きです。侍女達とよく遊んでいる姿をお見かけするが司馬郎お嬢様以外はバテバテになってしまう、恐ろしき子供の体力。

逆に司馬懿お嬢様はとても落ち着きがある。まだまだ幼い子供でよくお昼寝をしたりする......が1点、1点だけ我々も手を焼いているのが寝るまえに詠んでとせがまれる絵本である。

これだけでは、何だ絵本詠むだけでしょ?楽ちん楽ちん!と思うでしょ?違うんです!!!

司馬懿お嬢様は何度も詠んでとせがみます。何度も.....何度も.....何度も.....。

それも毎回同じ題名の絵本です!!題名は『胡蝶の夢』という荘子が書いた物の絵本版である。

司馬懿お嬢様がお昼寝する前、夜御休みする前、夜中起きてしまいもう一度寝る前.....何度も何度もこの『胡蝶の夢』を詠まされます、お嬢様が詠んでとせがむようになったのはこないだおきた司馬懿お嬢様水没事件以降です。

眠たそうにしているお嬢様が私の方にトコトコやって来て本棚に入っている『胡蝶の夢』を指して見つめてきます。「どうしました?」と聞いてからあまり意志疎通しないお嬢様が小さい声で「........ヨンデ...」と言ってキュっと私の服の裾を掴みました。その愛くるしいこと....。私は直ぐ様お嬢様の為に『胡蝶の夢』を詠んでみると詠んでいる途中でお嬢様は眠りにおちていきました。それからです。寝る前に私や他のお嬢様付きの侍女に詠んでとせがむようになったのは。最初の数日は1度詠めばお嬢様も気持ちよく御休みしていたのに気付けば「.....モッカイ...」とおねだりされ、日を追う毎におねだりの回数は増え今では3、4回詠まねば御休みしてくれません。お嬢様付きの侍女は特別賢いものは多くありませんが一月たった今では殆どが絵本等見ずとも詠めるほどに『胡蝶の夢』の内容を暗記してしまいました.....これこら雇われる司馬懿お嬢様付きの侍女の必須科目には『胡蝶の夢』の暗唱が加わるかもしれませんね...全然笑えませんね。

 

.......クイックイッ...

 

「......ヨンデ...」

 

「...かしこまりました、お嬢様」

 

さて、今日は何回詠むことになるのか.....あわよくばこれ以上回数が増えないこと祈ります...。

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