2012年冬――――――
クリスマス間近となった東京では多くの人がクリスマスのプレゼントや料理を買うために行き来し、若者は仲間とともにカラオケボックスなどに向かっている。
時間帯は昼間を過ぎたぐらいか、外を歩く人は多い。
少し前までは、夜もこのくらいの活気があったのだが最近は物騒な事件が夜に何度か起きたため夜中の町を歩く人々はほぼいない。
人で交差点がごった返している中、その男はビルの間の路地に身をひそめていた。
年齢は20歳に届くかどうか、顔立ちは整っているがその双眸からは剣呑な光が見える。
茶色の革製のコートを着ており口にくわえた煙草からは紫煙が立ち上っている。
そんな男に声を掛けたのは男より若い黒い学生服をきた青年だった。
「時継さん、どうですか?なにか収穫は有りましたか?」
時継と呼ばれた男はため息と一緒に煙草の煙を吐き出しながらその声に応える。
「ああ・・・・・やっぱ都会は可愛い娘が多いねェ。シグナもそう思うだろ?」
その答えにシグナと呼ばれた青年はため息を吐く。
「はぁ・・・。そんなこと言ってると紅月の姉さんから怒られますよ?」
「おっと、これやるから紅月には黙っといてくれ。」
そういうと時継は懐からチョコレートを取り出しシグナに放る。
シグナはそれを受け取ると「子供じゃないんですけどね・・・」といいながらチョコレートをかばんにしまった。
「で、結局のところ鬼は見つかったんですか?」
それから30分後彼らはカラオケボックスの一室にいた。
ここならば他の人に話を聴かれる心配がないためである。
「いんや、見つからねえ。鬼の目を使っても痕跡すらないってことは鬼じゃない可能性が高いな。最近裏でよく聞く化け物かもしくは・・・・」
「吸血鬼ですかね」
彼らの正体はモノノフである。
近年鬼の出現率が上がってきており何年もしないうちに鬼たちが現世に大量に侵入してくる【オオマガトキ】が起こるという予想結果が出たため、最近頻繁に物騒な事件が起きている東京にモノノフの監視部隊を霊山が送り込んだのである。
彼らは監視部隊の一員であり、いくつかあるチームの内の一つ【マホロバ】の隊長である布笠時継と副隊長である雨宮シグナである。
「そっちの収穫はどうなんだ?シグナ」
「こっちもどっこいどっこいですね。ただ、少し気になることがあって」
「お、なんかあったのか?」
「ええ、関東地方のいくつかの病院にあった輸血パックがなくなっているらしいんです。一つ一つの病院ごとからなくなった輸血パックはそこまで多いものではないんですが、被害に遭った病院からなくなった輸血パックを合計するとおそらく関東地方だけで一万近くの数がなくなっているみたいですね」
「一万!?ってことは・・・・」
「近日中に吸血鬼が動き出すということでしょうね」
「もし、鬼がそれと同時に動き出すとしたら、ヤバくないか?」
「間違いなく東京は墜ちます。しかもその規模は関東地方だけではなく日本各地もしくは世界規模で起こる可能性が高いです。霊山にはこの可能性を伝えてありますが、それでもいくつかの町を防衛するだけで精一杯でしょうね」
「博士はどうだ・・・?なんかいい案とかはなかったのか?」
「どちらもお手上げだそうです」
「はぁ・・・そうか」
「とりあえず、一旦里に戻って準備を整えましょう」
「・・・そうだな」
世界に滅びが訪れるまであとわずか。
人物紹介
布笠時継:容姿はGE2の真壁ハルオミ。苗字はゲーム内で時継がいつもかぶっている帽子?から思いついた。「勇者」とは言わないが、作者の思惑でハルさんのようにナンパ癖がついた。 使用武器は銃。
雨宮シグナ:容姿はペルソナ3の主人公(男)の髪を薄い紫色にした感じ。
趣味は読書。 使用武器は盾剣。