…あれ?ここは?
目が覚めると、"いや或いは"、夢に落ちると、そこは不思議な空間だった。
輝くステンドグラス、豪華な垂れ幕。
大地は星のように煌めいて、重厚な戸口が音をたてて開いていく。
まるで万華鏡の中。
そう思ったのは、歩いてもいないのに扉の中へと進む自分や、まるで現実味のないその光景にのまれていたからだった。
覚醒夢。
そんな単語が頭をよぎる。
たぶん正解の事実にストンと納得のいく心と感じる足場。
どうやらここからは歩いていけ、と言うことらしい。
だが、どこへ向かえと言うのか。
果てなく続く光の地平、極彩の雪降る漆黒の大地。
無に落ちればこんな感じなのだろうか。
終わりと思えば、不思議と落ち着きすら感じる。
ゆれる虚無の揺り籠。静かな静かな日々の終わり。
…なんだか少し眠い。
夢の中なのにそう感じた。
或いはここで溶けるように横たわるのが最も正しい行動なのではないかと、そう思った時、不意に、誰かに呼ばれた気がした。
…どうくん?工藤くん?
あぁ、確かに聞こえる。優しく穏やかなこの水溶性の世界に、その声は確かに響いて…
「「「工藤くん?聖(セイント)ニコラウスじゃよ?」」」←黒くて無愛想なの・白くてちっこいの・仮面で怪しいの
「っ嘘だ‼」
一発で眠気がとんだ。
「嘘だ!…なんてひどいですね」
「全くです!ちゃんと口髭もこうやって付けてきてるのに!」
「フム。モフモフしてて、少し話しずらいがこれはこれで雰囲気が出るものだ」
もふぁさ、もふぁさ、と口を動かす不審者's。
うるさい自称サンタ×3
シーズンだからと言って雨の後の筍のようにぽんぽん湧きやがって!
白いのは可愛いが、黒いのと仮面のはおかしいだろうが!
「…何?黒はダメだと言うのか?いいではないか!闇に紛れて生きるのがサンタ道だろう!」
「か、かわい…え、へへへ…!…っは、ち、ちがいますからね!わたし優しい"いげん"のあるサンタですから!」
「仮面の何がいけない!某ロボットシリーズだって必ずいるじゃないか!」
地の文につっこむな!
トントンマクートにHK!
後、闇に紛れるのは妖怪人間!
仮面のはもう、ジャブローに帰れ!
大体なんだ、この寸劇。
夢かと思ったら、見覚えのある顔で溢れてるし、ネタはバレンチヌス様のものだし、マシュの手紙は読めないし…
「え?夢だよ夢、もう仮面にかけてもいいくらい夢だね」
「うむ。夢だな。後、バレンチヌスは青銅故、黄金の我等が真似出来るのは当然と言うもの」
バレンチヌス様ブロンズセイ○トなの⁉
セイントってそっち⁉
つーか、ゴールド!光速の動きを手に入れているというのか⁉ク、聖衣は⁉
「「「ソリ(ラムレイ2号)」」」
まさかの歴代!あのソリ動力エンジン以外にもそんな機能ついてたのか⁉
「ちなみにバレンチヌスさんはハート型のチョコです。着る度に溶けます」
容赦ない!ビター過ぎる!チョコだけに!チョコだけにっ!
「何で二回言ったんですか…別にうまくもありませんよ?」
…やだ、チビッ子に否定されるのって結構痛い…。
「というより普通、現状を気にするべきでしょうに」
いや、仮面かけてる人に言われても…
「いえ、お師匠さんの言うとおりです。ここは[英霊の座聖者方面季節企画番地冬年越し前]、通称"サンタアイランド"ですから」
英霊の座⁉え、嘘‼
そんな住所みたいな分類あんの⁉
じゃあ向こうの方で背中合わせに今にも走り出しそうな男女のいる辺りは⁉
「あそこは[一歩間違えると一般人方面本編通り虚無前]通称"HA"…あ、あん…アン…?アン某のいる辺りだ。この間ウチ(円卓)のベディヴィエールが越してきていた。引っ越しにラムレイ2号を使ったから間違いない」
マジで⁉
あれ?んじゃ何で英霊の座にオレがいるの?
「偉業でもなしました?カルデアの中心で愛を叫ぶとか?」
え?愛(欲しさに)叫ぶなんていつもだけど?
「「「マジか(あの三人の前で的な意味)」」」
?
「あ、じゃなくてですね、契約しているサーヴァントによるものじゃないですかね?」
ああ、夢だしね。
え、でもオレ契約してる人いないよね?ここにいるみんなぐだ子先輩と契約してるし。
「じゃあ混線でしょうか?工藤さんうちのマスターとxxxな事でも、っへぶ‼」
「ふ、ふけつです!お師匠さん!」
なんか波動の勇者っぽい技で吹き飛ばされるHK。
小さい子の前でなにを聞いとんのじゃ。
「女の前で聞く話でもないぞ…。まぁ、ヘタレにそんな期待はしていない。とすればよほど近くにいるのか…?」
ははは、オレの扱い何処いても変わらねー。
そして疑問。近くにいると混線かますラインって、いろいろやばくない?
「まぁ、カルデアの召喚後の維持が電力によるものだからでしょう」
「楔はマスターだが、動力は別なわけだしな。そういうこともある位に思っておけ」
「マスターも、実質お二人だけですし、気にするほどでもありませんよ」
ふむ、そういうものか。
…ん?でも近くってどれ位の距離を言うの?
「ふれあう位はいるんじゃないですか?」
「抱きつく位じゃない?」
「フォーリンラヴ?」
……………………え?(困惑)
なにその状況。
記憶にな…う、頭が…
「だ、大丈夫ですか?工藤さん」
ーーー瞬間混濁する視界。
湯水のように沸き上がる記憶は、鮮烈な一瞬を長々と見せつける。
降り下ろされる鉄塊。
砕けるリノリウム。
狂笑をうかべた鬼が迫り来る。
助からない、という確信と、助かりたいという願いが足を今にももつれそうにする。
風圧で体が痺れ、掠れる破片が未来に色をつけた。
死ぬ。
間違いなく。
いや、
何故未だに"死んでいないのか"?
そうして遂に理解する。
この相手は追い詰めるその様を楽しんでいると…。
或は、それは狩りの基本と言えた。
追い込み、回り込み、罠を仕掛け、消耗したところを穿つ。
動きを明確に読みきる卓越したセンスに、時おりかいまみえる追い込みの美学。
なんと言うことか。
なんたる絶望か。
だが、…だからこそ隙がある。
完璧であるが故に"それ"が乱れた時必ず突破口は生まれる。
決めにきたのか、殊更大きく振りかぶる死神の姿に死と生の境を幻視する。
1/2の結末。1秒後の幕引き。
文字通り刹那の生存競争。
0.01秒の決断をもって、0.1秒後の生存を掴み取る!
ーーーーー勝利への脱出!
(((えー)))
そうだった。
思い出した。
危うく後輩に仕留められるとこだったんだ。
「…なんかオケアノスでヘラクレスに追いかけられたマスターみたいな文晁でしたけど(ひそ)」
「…実際は痴情のもつれだったよなぁ(ひそひそ)」
「…大体、工藤さんってマスターの事好きなんでしょうか?なんか、こー、矢印の向きが分かりませんよねこの人(ひそひそひそ)」
ん?なぜにひそひそ話?
もっとオレとも話そうぜサンターズ。
「はぁ、では端的に。工藤さんはマスター(ぐだ子)の事好きなんですか?」
え?好きだよ(先輩として)。
「今含みましたよね。大事な部分。ではマシュさんは?」
…襲ってこない?
(((うんうん)))←全員で頷く
…なら、好きだよ。(後輩として)
まっすぐで、いい子だし。
(((あぁ、こいつもタラシかぁ…)))←全員で遠い目
しかし、なんか記憶があやふやだなぁ…こう、その後何か…
『本日は終了いたしました。』
エミヤめ‼
…っは!何故オレは今叫んだんだ…!
「ヤバイです。こっちに飛ばされた衝撃で記憶が欠如してます」
「あぁ、エミヤはどう考えても悪くないが、他に攻める相手がいなくて叫んでしまっているな」
「えぇ、シロウつながりとかでこっちに矛先向かないでしょうね…」
う、またしても頭が…いた
「あ、また始まりそうですよ。誇大妄想」
ーーーそれは盾というにはあまりにも大きすぎた。分厚く重くそして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった。
「ーーー!ーーーーー!ーーーー!」
不思議と彼女の言葉を思い出すことはできない。だが、捕まれた肩の痛みと、その威圧感は覚えている。
彼女はオレの命を狙っていた。
恐らくは純粋であるが故に。
それが少しだけ悔しい。
だってオレにとって彼女は大切な後輩だったから、こんな形にはなったけれど、隣にいてほしい人の一人だったから、
「ーーー!ーーー?ーー!」
再び、後輩が鉄塊を振り回す。
それを辛うじてかわし、ただ願う。
都合のいい人間だと、そう言われたとしても、
いつものかわいい、やさしい彼女を覚えているから、
だが、その行為は悪手だった。
豹変。
そう表すしかない変化だった。
その目は嗜虐の目的以外を写していない。
今度こそ盾は本来の意味を置き去りにして、彼女の本懐をなす矛へと変貌するだろう。
加害者と被害者。
その立場にあって、だがオレが思ったのは"すまない"という謝罪の意思だった。
しかして、其は成されなかった。
「ーーー!」
割って入った人影はあまりに小さかった。
だが、優しさと温もりに満ちていた。
当然だ。だからこそ、
だからこそ、好きになったのだから
人影が飛び込んでくる。
背中に回された手に抱きつかれたのだと悟る。
そして、意識が…
ーーーあれ?何故オレはここにいるのかしらん?
「最初に戻りましたね。しかもマシュさんドラゴンスレイヤーになってます」
「むしろ口説いてなかったか今の」
「口説いてます。間違いなく口説いてました。マスターに至っては相思相愛ぽくなってますが、そんな事実ありましたか?」
うーむ、頭でも打ったか?(半分正解)
しかし、そうかまさかオレが三角関係の一部になる日が来るとは…まさにトライアングラー。恋はドックファイト。
でも、一番かわいいのはクラ○だと思うんだ。
「酸欠のせいかずいぶん都合のいい頭になってるねぇ」
「叩けばなおるか?」
「治りません。治りませんから黒い聖剣出さないで」
で、オレ戻っていいの?戻れるの?
「死んではいないみたいですから戻れると思いますよ」
「と言うより、帰れ。マスターが泣く」
「そうです。好きな人なら泣かせちゃダメです!」
いや、言っといてなんだが、その辺り怪しくて…
「泣かせちゃダメです!(真摯)」
あー、眩しい!これが汚れなき乙女!
目が、目がー……(パァー…)
「…光になって消えたな」
「座に帰るサーヴァントのようでした。そのまま召されてませんよね」
「主は悲しい結末等望まれてません。きっと大丈夫です!」
それは元がオルタとは思えぬほど清らかな笑顔だった…。(〆)
「さて、では月在住のアルテラ(リリィ)ちゃんにプレゼントを持っていくか」
「あれ?月は赤王さんじゃないんですか?」
「うむ、身内らしくてな。身バレは不味いと連絡があった」
…あれ?ここは?
目が覚めると、"いや或いは"、夢に落ちると、そこは不思議な空間だった。
見覚えのあるカルデア、そのレイシフトルーム。カルデアスの前。
それを"斜め上"から覗きこんでいる。
そう、斜め上。視界がやたらと高い。
「工藤くん!」
何処からともなく聞こえる愛しの先輩ボイス。
辛うじて動く首から上を振るように動かして、自分がどういう状況にあるのか理解する。
足元を埋め尽くす木片の山。
手足を固定する縄は硬く、鉄の十字は工藤の体にジャストフィットでピクリとも動きそうにない。
ここでナゾ謎!"上は洪水、下は大火事"いったいなーんだ。
うん火刑だね。(滝のような汗)
すげぇ、これだけ書いても、一番書きたい話までまだ遠い。はやく■■■書きてー。