出会いとは突然だ、俺が彼女と出会ったのは。
入学式を終え、数ヵ月が経った時のことだ。
「あ~。全員、席に座れ」
担任がいつもの通り入って来て、今日が始まる。
だけど、その日は違った。
「転校生を紹介するぞ」
そう。転校生がいたのだ。
黒髪の前髪が目元まで隠れ、腰まである髪。
特に目立った特徴がないごく普通の子だった。
「自己紹介を」
「あ、はい!」
緊張していたのか、彼女は声が裏返ってしまう。
クラスの皆はクスクスと笑い、彼女は頬を赤くしてしまった。
「それぐらいにしておけ」
担任が注意して、彼女の自己紹介を再開する。
「
それが俺……織斑一夏と彼女の最初の出会いだった。
◇
加奈が転校生して来て数日が経った。
特にパッとした特技や趣味もない彼女は……まあ、クラスに馴染んだだけは良しとしよう。
虐めとかもなく、ごく普通の日々が流れる。
だけど、彼女から誰かに話しかけることもなく、かけられることもない。
だから、俺は。
「この後、開いているか?」
「え?」
いきなり話かけられた為、加奈は驚く。
「あ、すまん」
「う、うんん。大丈夫」
「そうか。で、この後は暇なのか?」
俺はもう一度、加奈に質問を問いかける。
「暇だけど?」
「そうか。これから俺たちと一緒にゲーセンに行かないか?」
そう言って、俺は後ろを指す。
後ろには、友人の鈴と弾たちがいた。
鈴は小学五年からの付き合いで、弾たちとはこのクラスになってから馬が合ってからの友だ。
「えっと……」
流石の加奈もこれには戸惑う。
いきなり声をかけて、ゲーセンに誘う。
これに戸惑わない人なんてそういない。
「一緒に行こうよ」
鈴が彼女の手を取る。
「う、うん」
彼女の了承を取ると。
「よっし、パッと行こうぜ!」
「今日は負けないぜ」
「俺の不敗伝説を見せてやるぜ」
「それはいいが。別にあれを倒してもいいのだろう?」
先程までの静けさは何だったのか、騒がしくなった。
「おら、行くぞ」
そう言って、俺は加奈の手を握り、教室を出た。
◇
初めて訪れたゲーセン。
皆に流されるまま、私は彼らに付いていく。
「楽しかった?」
数時間が経ったころだろうか、鈴が私にそう問いかけた。
「う、うん」
「そっか」
鈴はそれを聞いて安心したのか、一夏たちを遠目で眺める。
「り、鈴は、一夏たちとは……」
「あ~。まあ、幼馴染かな」
「幼馴染……」
「うん。あいつってさ、孤独を特に嫌っていてね。そんなあんたを見て誘ったんだってさ」
鈴はやれやれと手を振り、私は一夏を見る。
「…………」
その時、私の中で何かが鼓動を打った。
私はその場から立ち上がり、一夏たちの元に寄る。
「私もやってもいいかな?」
「お?」
以外だったのか弾たちは驚き、一夏は持っていた物を私に渡す。
一夏がやっていたのはシューティングゲームだった。
私は一連の動作を確認し、ゲームが始まった。
◇
それは突然のことだった。
加奈は自分から行動しない。そんな加奈が代わってほしいといってきたのだ。
俺たちは加奈に代わり、後ろに待機する。
そして、俺たちは加奈の実力を目の当たりにした。
初めてやったはずの加奈はノーダメージでそれをクリアしたのだ。
そして、ゲームをクリアすると笑顔でこっちを振り向く。
「加奈です。よろしくお願いいたします」