インフィニット・ストラトス 仮名   作:ぬっく~

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第13話

その時、全ての者の時間が止まった。

一夏の胸から背に目掛けて突き出した剣。加奈の一撃を防ぐことすらできず受けてしまったのだ。

 

「一夏……」

 

箒はその光景から目が離せなかった。

 

「一夏ァアアア!!」

 

加奈は何も言わない一夏から剣を抜き、眼鏡に手をかける。

 

「これは、返してもらうわ」

 

どさ、と一夏はその場に倒れ伏せる。

その横から箒が加奈めがけて突き進んでいた。

 

「貴様ァ!!」

 

箒が加奈めがけて剣を振り下ろすが、加奈はその場から動こうとしなかった。

まして、急過ぎて動けなかったとではない。

加奈はあえて動かなかったのだ。

 

「!?」

 

箒の剣は加奈の身体を通り過ぎ、地面に当たった。

確かに当たった。しかし、箒の手からは当たった感触がなかったのだ。

 

「これが、万華鏡写輪眼か」

 

加奈の眼は先程までの紅眼の形が変わっていた。

一夏を殺したことにより開眼したことが証明されたのだ。

 

「箒下がれ! そいつは先程までの奴ではない!」

 

ラウラは本能的に加奈の異変に気付いた。

 

「この力の実験相手になってくれる?」

 

まるで新しい玩具を手に入れた子供のように加奈は笑い、箒の方に向き直る。

箒はその笑いに背筋が凍った。

 

須佐能乎(スサノオ)

 

加奈の身体から炎と思わしき物が現れ、形を成していく。

巨大な人の骸。

それは誰もが言葉を失った。

そして、骸は箒たちを巻き込むようい薙ぎ払う。

 

「がッ!」

 

何も出来ず箒、ラウラ、シャルロットは骸の薙ぎ払いを受けた。

 

「あははは! 素晴らしいわ! この力! これで……」

 

だが、すぐに加奈に異変が現れた。

 

「ぐっ!」

 

眼から血が流れたのだ。

 

(これだけしか使っていないのに?)

 

文献にはあった力を少し使っただけだというのに、加奈はこの力の代償を思い知った。

 

(まぁいいわ。もうこの力を手に入れた以上、ここにいる必要はないね)

 

加奈は万華鏡写輪眼を解除し、下がった。

 

「目的は果たしたわ。帰投する」

 

加奈はそう言い残して、飛翔する。

 

「M。撤退するわよ」

 

「…………」

 

Mは加奈の言葉に何も反応しなかったが、加奈と共に飛び去った。

その後を追う者は誰もいない。

 

 

 

 

「一夏しっかりしろ! おい!」

 

心臓を撃ち抜かれた一夏を揺する箒。

しかし、一夏は何も反応しない。誰もが一夏の今の状況を見ても生きているとは思っていない。誰もがそう諦めた時だった。

 

「待て!」

 

ラウラが一夏の胸付近に耳を付ける。

そこから僅かながら鼓動を感じたのだ。

 

「まだ生きている! 医療班!!」

 

心臓を打ち抜かれたのにかかわらず一夏は生きていたのだ。

 

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