インフィニット・ストラトス 仮名   作:ぬっく~

15 / 18
第15話

「大分集まったな」

 

「そうね」

 

二人はある塔の上から眺める。

オータムとスコールは宣戦布告の際にあえて位置が特定されるように放送していた。

そして、それを逆探した各国のISの所持者を一ヶ所に集める。

既に亡国機業の周りにはISで溢れていた。

 

「決行時間までやりましょか」

 

オータムとスコールは自らのISを展開し、飛び降りた。

その後を追うようにMも続く。

 

「残り時間後……3時間」

 

加奈はその眼を万華鏡写輪眼にし、空を見上げる。

ある物が出るその時までに加奈を止めれば、彼らの勝ち。だが、そのことに気付く者はいなかった。

 

 

◇

 

 

「くっ……」

 

世界に喧嘩を売った亡国機業が徐々に追い詰められる中、その物がようやく姿を現す。

 

「時間ね」

 

「何?」

 

楯無はスコールの言葉に耳を傾ける。

圧倒的に不利の中、スコールは笑っていたのだ。

 

「この戦いは私たちの勝利が確定したのよ……」

 

「どう意味よ……!?」

 

スコールは上を指す。

楯無はすぐさま上を見上げる。

そこには美しく輝く満月があり、その中央には……加奈がいたのだ。

 

「あんたたち一体何を……」

 

「自分が最も望んだ世界へと旅立ちなさい」

 

そして、その時が訪れた。

 

「無限月詠」

 

加奈は月に己の万華鏡を投影する。

月の表面にいくつもの輪廻と勾玉が映り、輝く。

 

「くっ……」

 

「この光は影も貫く。建物に隠れようと無意味よ」

 

楯無は光を遮ろうとするが無駄だったようだ。

そして、意識が朦朧とし始めた。

 

「!?」

 

だが、同時にスコールはあることに気付く。

 

「どう言うこと……」

 

自分自身も意識が朦朧とし始めたのだ。

周りを見渡すと全員同じ症状が出ていた。

 

「確かにレジストするように……」

 

「あぁ。それは私が書き換えといたわ」

 

スコールの前に加奈が降り立つ。

 

「どう言うつもりよ……加奈」

 

「いつも言っているわよね? 私の望みは、永遠の平和。なら、あんたたちもこの世からいなくなるのも当然じゃない」

 

加奈はスコールの質問に高笑いしながら答える。

 

「貴様ぁ!!」

 

スコールの言葉は虚しく、加奈には届かなかった。

 

「あははは! これで……」

 

ジャリ……

 

「!?」

 

高笑いしていた加奈の耳に聞こえる筈のない音が聞こえた。

全ての者を無限月詠に落とした今……その場で立っていられる者はいないはずだったのだ。

そして、加奈はその音の主を見つめる。

 

「…………」

 

加奈はその者に驚きを隠せず、言葉を失った。

その者は絶対に自分の前に現れないと思っていた者だったからだ。

 

「織斑……一夏」

 

病院から抜け出したのだろうか、一夏は病服のままで加奈の前に現れたのだ。

 

「なんでかは知らないけど、なんであんたは私の邪魔ばかりするのよッ!!」

 

加奈は確かに一夏を殺した。

しかし、その一夏が再び自分の前に現れたのだ。

 

「『雷神招来』」

 

加奈は〈ヴィルムヘルム〉の能力を開放し、一夏の後ろへと回りこむ。

 

「あたしの前から消えなさい!!」

 

加奈の剣は一夏の首元を捉えていた。

しかし、その剣は一夏の首には届かなかったのだ。

 

「ッ!?」

 

加奈の剣から甲高い金属音が響く。

一夏は部分展開で雪片弐型を呼び出し、加奈の剣を受け止めたのだ。

 

「はぁあああ!!」

 

加奈は場所を変えては高速移動を繰り返す。

しかし、加奈の一撃を一夏は全て避ける。

音速を越える加奈の攻撃を一夏は始めからそこに来ることが分かっているかのような素振りで避けていた。

 

「須佐能乎」

 

攻撃が当たらないことにイラついた加奈は須佐能乎を呼び出し、渾身の一撃を一夏に叩き付けた。

 

「やったかし……」

 

加奈の言葉が言い終える寸前に土煙が晴れると無傷の一夏が未だに立っていたのだ。

一夏は須佐能乎の一撃が当たる寸前に後ろに下がり、回避していた。

そして、加奈はあることに気付いたのだ。

 

「そっか、そうよね。なんで、あんたが無事な理由が分かったよ」

 

須佐能乎の一撃で発生した風で一夏の前髪が上がり、一瞬だったが一夏の顔が全て見えたのだ。

その時、一夏の眼がいつものとは違っていたことに加奈は気付いた。

 

「幻術にかからない。動きも先読みされる。……これ以上の物がないじゃない」

 

一夏の眼は赤く、血の様に紅い。それはまるで……

 

「私と同じ血を受け継いでいたのね……一夏」

 

加奈と同じ眼であったのだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。