インフィニット・ストラトス 仮名   作:ぬっく~

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第16話

(何故一夏が生きているかは知らないけど、あの時にうちはの血が覚醒してしまったのね……)

 

一夏の血筋にうちはの者がいたことが驚きだったが、加奈は写輪眼が開眼した理由は分かっていた。

キャノンボール・ファストの時に一夏の心臓を貫いた時に一夏の写輪眼が開眼したのだと。

 

「だけど、開眼したばかりのその眼では私は倒せないわよ。一夏」

 

加奈は剣を一夏に向ける。

 

「そうだとしても、俺はお前を止める!」

 

一夏は〈白式〉を完全展開する。

そして、お互いに得物を構えた。

 

「一夏ァアアア!!」

 

「加奈ァアアア!!」

 

お互いに瞬時加速で一気に距離を詰めた。

 

 

◇

 

 

お互いに一歩も引かない。

先読みする写輪眼で全ての剣撃を受け流す一夏と加奈。

しかし、加奈の亡国機業で鍛え上げられた力は一夏を凌駕する。

 

「ぐっ!」

 

しかし、一夏はISによる加護により、傷はすぐさま再生してしまう。

 

(ISには操縦者の生命を維持する為に傷を癒す機能が備えてあるけど、あれは異常ね)

 

加奈は一夏の予想以上の回復速度に焦っていた。

心臓を撃ち抜かれても、直ぐに再生する程の能力。

もう既に一夏は不死と言っても良かったのだ。

 

(なら……再生できないまでの一撃を叩き込むまでよ)

 

加奈は剣を鞘に納め、居合の構えをする。

一夏も加奈の行動に次に大きいのが来ると察した。

そして、一夏も自分の持てる全ての力を雪片弐型に託す。

 

「これで、終わりにしてあげるわ!!」

 

加奈は鞘から抜くと同時に剣に電撃を乗せる。

 

「来い!!」

 

一夏は上段構えから一気に振り下ろす。

 

「雷切!!」

 

「零落白夜!!」

 

一夏、加奈の最初で最後の最強の一振り。

雷撃を纏った剣とシールドエネルギーを無効化させる剣が激突する。

 

「「ハアァァァ!!」」

 

お互いに引かない。

そして、二人を中心に地面が陥没する。

 

「くっ! 織斑一夏ぁ!!」

 

「ッ! 裡覇加奈ぁ!!」

 

お互いの一撃はさらに強くなり、それは剣には重すぎたのだ。

 

ビキッ……

 

そして、決着の時が訪れた。

一本の剣がその者の剣を折り、切り付ける。

 

「…………加奈」

 

勝ったのは一夏だった。

一夏の雪片弐型は加奈の剣を折り、その身を傷つけたのだ。

全力の一撃を受けた加奈の傷は余りにも深かった。

 

「……勝者がそんなだらしない顔をしないの」

 

加奈の傷口は肩から腰まであり、もう助からない程まで入っていた。

流れる大量の血。加奈のISは強制的に解除される。

加奈は瓦礫に横わった。

 

「俺は……」

 

「泣かないの。あんたは男でしょ?」

 

一夏のISも限界が訪れ、強制的に解除される。

加奈は残った力で一夏を招く。

 

「            」

 

加奈は一夏の耳元で何かを呟く。

そして、加奈は……

 

「さよなら一夏。先に待っている……よ」

 

笑顔で息を引き取った。

 

「……うっあああ。ああああああ」

 

その声は誰にも届かない。

そして、同時に一夏の写輪眼の模様が変わっていた。

 

 

◇

 

 

一年後。楯無たちは亡国機業との戦いから無事に生還した。

亡国機業のメンバーの殆どが捕まり事件は終わったのだ。

無限月詠はたった一日で終わってしまい。事件の解決をしたのが誰なのかは分からなかった。

しかし、一部の者が行方不明になっていたのだ。

楯無はそのリストを見つめる。

 

「織斑一夏」

 

リストには一夏の名前があった。

事件解決後、楯無の元に一夏が病室からいなくなっていることが判明したのだ。

すぐさま編成隊が組まわれ、捜索にあたったが結局その行方は不明のまま。

そして、一夏の下には同じく裡覇加奈の名前もあった。

酷い争い後に大量の血痕が残され、それが加奈の物だとわかったが、その遺体がなかったのだ。

 

「お嬢様」

 

「ん。何かしら?」

 

生徒書記の虚がある事件の報告書を楯無に渡しにきた。

楯無がそれを受け取り、ため息を吐く。

 

「また、なのね」

 

「はい。これでもう30件目になります」

 

「IS襲撃事件……」

 

現在、各国で大きな問題になっている事件があった。

ISを所持者、研究している所が次々と襲撃されると言う大事件が発生していたのだ。

亡国機業の仕業かと思われたが、壊滅状態の奴らがこんな大掛かりな事件に関与しているとは楯無はちょびっとも思っていない。

 

「今度はアメリカか……しかも、襲撃された所って、軍事施設」

 

壊滅され、ISはコアごと破壊されていた。

死者も多数出ているが、それらは全て操縦者だけで、研究員や非戦闘員にはいなかったのだ。

 

「完全にIS狙いね」

 

「はい。画像解析の結果、犯人は一人しか写っておりませんでした」

 

「相当な腕前ね。だけど肝心な顔が映っていないと……」

 

フードを深く被ったその者はISを展開した素振りを見せず、ISに突っ込み、コアのある所を肉体ごと突き出したのだ。

 

「残りのコアを所持しているのは、この日本だけになってしまいました」

 

「上からも何としてでも守れと言われているわ」

 

楯無は椅子から立ち上がり、外を眺める。

 

「襲撃されるとしたら、このIS学園ね」

 

そして、それは楯無の言う通りになった。

突如、警報が鳴り響く。

 

「!? 何!?」

 

そして、IS学園のISが保管されている区画から大爆発が起こり、楯無は唖然するのだった。

 

「言った傍から……」

 

すぐさま行動に移り、生徒会室から飛び出す。

そして、前から誰かが近づいてくることに気付く。

最初は生徒かと思ったが、あからさまに違う雰囲気を臭わせていた。

 

「あなたが事件の首謀者ね」

 

楯無はすぐさま自らのIS〈ミステリアス・レイディ〉を展開する。

その者は何も言わず、楯無めがけて走り出した。

 

「貰ったわ」

 

楯無はランスを突き出す。

しかし、相手は避ける素振りを見せなかった。

 

「!?」

 

そして、あり得ない光景を目にする。

ランスがその者の身体を通り抜けていたのだ。

 

「え?」

 

そして、あっという間に決着がついたのだ。

相手の剣は楯無の急所一歩手前で外し、強制的にISを解除された。

楯無にはその剣に見覚えがあったのだ。

 

「なんで……」

 

近づいたことで、その者が誰なのか分かる。

しかし、その言葉が届く前に楯無のISをその者が踏みつける。

完全に砕け散ることを確認すると、次の場所へと行ってしまった。

 

「なんで……あなたなの……」

 

楯無は落ちる意識の中、その者に手を伸ばすが届くことはなかった。

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