加奈が転校してから半年が経ち、鈴が家庭の事情で転校することになり、中国へと帰ってしまった。
そして一夏の元に一通の手紙が贈られて来たのだ。
「モンド・グロッソ?」
「あぁ。千冬姉が出場するから、その関係者の俺に贈られてきたんだ」
一夏が公欠届けを出したことが噂になり、その理由が日本代表の織斑千冬がドイツで行なわれる“モンド・グロッソ”の決勝戦が行なわれるということで、唯一の弟の一夏の元に招待状が贈られてきたのだ。
もちろん、旅費から宿泊費はアッチ持ちである。
「そう。ならお土産」
「おう」
加奈や弾たちが一夏がドイツに行くと言うことで、お土産を頼むのであった。
◇
「予定通り、織斑一夏はドイツに向かいます」
一日の授業が終わり、加奈は帰り道にあるとあるカフェに入る。
そしてそのカウンタ-に座るとコーヒーを頼みながらそう呟いた。
「そう。なら、これをあなたに渡すわ」
加奈の隣に座っていたのは金髪の女性だった。
そのスタイルはグラビアアイドルをやっているような、女性がいたのだ。
加奈は渡された物を開けると、中には一枚の空港チケットだった。
「私も……ですか」
中に入っていたのは、ドイツ行きの交通チケットだったのだ。
しかも、一夏と同じ日の便であった。
「えぇ。あちらには必要な物は用意してあるから、合流次第開始してちょうだい」
「わかりました。では、スコールさんも気お付けてくださいね」
加奈はコーヒー代を置いて、出て行ってしまった。
◇
そして、一夏がドイツに旅たち、加奈もその後を追うようにドイツへと向かった。
一夏はそのまま、ホテルへと向かう。
「こっちだ」
加奈がドイツに到着すると、スコールが用意したと思われる人物に呼び止められた。
そして、その男の後ろに続き、一台のワゴン車に乗り込む。
車は国道を抜け、とある廃墟の前に止まる。
「お前がXだな?」
「えぇ。そうよ」
加奈のことをXと呼ぶその男は近くにいた男に合図を送る。
送られた男は一つのアタッシュケースを加奈に手渡し、加奈はその中身を確認した。
「えぇ。確かに受け取ったわ。それで、ターゲットは?」
「ホテルを出て、今会場に入った」
男の回答を聞いた加奈は、アタッシュケースを閉める。
「では、始めましょう」
男たちはそれを聞くと、ワゴン車に乗って行ってしまった。
「我々の方も準備しましょ」
「了~解」
残った男たちともに加奈は別の所に向かう。
◇
「ターゲットの確保したそうです」
「そう。大まかなことはそっちに任せるわ。あと、ターゲットには危害を加えないように言っといてよ。死にたくなかったら」
「うす」
加奈は報告を聞き、アタッシュケースの中に入っていたスーツと仮面を取り出す。
アタッシュケースに入っていたのは、IS用のスーツだったのだ。
そして、加奈の隣に《ラファール・リヴァイヴ》があった。
「ターゲットが到着したっす」
加奈はISスーツに着替え、仮面を着て表に出る。
「後は我々がやっておくわ」
そう言って、男たちがワゴン車からある少年を下ろす。
下した少年は、織斑一夏だった。
「さて、準備は整ったわ」
裡覇加奈。彼女は亡国機業と呼ばれるテロ組織の人間だった。
一夏はもちろんそのことなど、気付いていもいない。