あれからシゲルに「こんな所で立ち話もなんだし、僕について来たまえ」と誘われたのでシゲルの後をついていき、オツキミやまの頂上まで来たんた。
そして今は頂上に一つだけ建っていた、小屋の中に居るんだ。
因みにさっきのおじさんたちは縄をキツく縛って放置した。後でジュンサーさんが来て捕まえるらしい。
「いや〜しかし、キミがここまで来ているとは思わなかったよ。正直、まだトキワの森をさまよってる頃だと思っていたよ」
シゲル。オーキド博士の孫で、俺と同い年だ。
キザな奴でこんな風によく俺をバカにする奴だ。
「しかし、か〜ずと君、さっきは本当に危なかったね〜。優秀なポケモントレーナーである僕が助けにはいらなかったら、どうなってたんだろうね〜」
確かにさっきはピンチだったけど。
シゲルが助けてくなくても、逃げれたと思うんだが。
「別に、どうにもならなかったと思うよ!」
「そんな訳ないだろ。相手はあのロケット団だよキミ〜。あっ、さてはか〜ずと君、ロケット団を知らないんだな。全く、か〜ずと君は相変わらず世間知らずだね〜」
何人も女の子をスーパーカーに乗せて乗り回してるコイツに、世間知らずなんて言われたくないやい!
でもそれを指摘しても「羨ましいのか?」とかバカにされると思うから、触れないでおこう。
「しょうがないな〜。親切な僕が、ロケット団の事も知らない世間知らずな、か〜ずと君に教えてあげるよ〜。感謝したまえ」
あーーー、いつもの事とはいえ、ムカつく!!
いつか絶対、シゲルをポケモンバトルで負かしてやる!
シゲルからロケット団がどんな奴らかを教えて貰った。
どうやらシゲルはこの小屋の管理人さんに、オツキミやまで悪さをしてるロケット団が居るから退治してくれとお願いされて、ロケット団の奴らを倒していたらしい。
あんなに強い奴らを1人で何人も倒したなんて。……悔しいけど、やっぱりシゲルは凄い奴だな。
……しかしお金儲けのために人のポケモンを奪ったり、ポケモンを悪さに利用するなんてとんでもない奴らだ!
今度出会ったら絶対にやっつけてやる!
「うーん、でもさー。シゲルはオツキミやまになんの目的があって登山してるんだ?」
「ん?何故そんな事を聞くんだい?」
「いや。この頂上にいつも乗り回してるスーパーカーが無かったじゃないか。だから多分、ここまで徒歩で来たんだろ。後、いつも一緒にいる女の子達も居ないみたいだし。だからスーパーカーも女の子も何処かに置いて来たんだろ。シゲルが大切なものを置いてまでここを登山するのには、何か重要な目的でも有るんじゃないかなって思ってさ」
「ほぅ、キミにしてはなかなか鋭いじゃないか。どうやら多少は成長したみたいだね〜」
ほんと、なんでシゲルは俺の事をここまでバカにするんだろ。
「いや、実はね〜。月の石という珍しいアイテムを探して、オツキミやまにやって来たんだよ」
「つきの…いし?」
「おやおや。無知なキミにはまず進化の石の説明からした方が良いかな」
そうやってシゲルは俺をバカにしながら、進化の石の説明をしてくれた。
「へー、道具で進化するポケモンも居るんだなー」
「それでねぇ。僕の手持ちのニドリーノとリドリーナは月の石を使う事で進化をするポケモンなんだ」
「ふーん、そうなんだー。珍しい石を2つもゲットしないといけないなんて、大変だな。……でもそれがオツキミやまを登山することと何の関係があるんだ?」
「このオツキミやまには、ごく稀に月の石が落ちている事があるという情報があってね。その噂を信じてガールフレンドたちを置いて、探しにきたんだよ。いやーでも僕は優秀なだけでなく、運もいい子からね~。これを見たまえ!」
シゲルは懐から黒い石を、俺に見せびらかす出してきた。
………あれ、この石って。
「これぞ、月の石さ!え~、か~ず斗君。すごいだろ~、うらやましいだろ~!月の石はもう一つ必要だが、運もいいこの僕にかかればあっという間にもう一つも手に入れることが出来るのさ」
「……言いにくいんだけど。その石なら、俺も持ってるぞ。ほら」
俺はロケット団のおじさん達に会う前に拾った、黒くて綺麗な石を出した。
そうかだったのか、これが月の石か。
シゲルは俺の月の石を見た瞬間、固まっていた。
よし、シゲルの鼻を明かすことが出来たぜ!かなりいい気分だ!
「……な、なぁ、モノは相談なんだがカズト君」
シゲルは目に見えて狼狽えながら、言ってきた。
いつものバカにした態度じゃ無くて、かなりきみが悪い。
「何を言うかはだいたい予想が出来るけど、なに?」
「その石を僕にくれないかね、いや、ください!」
「いいよ、はい」
俺はシゲルの前に月の石を置いた。
ちょっと気に入ってたから少しだけ名残惜しいけど……まぁ、良いか。
「え?……い、良いのかい。そんなあっさりと」
シゲルは拍子抜けした顔をしていた。
そんなに驚く事かな?
「シゲルにはさっきロケット団から助けてくれた恩があるし。そのお礼だよ」
「あ…あぁ、それならありがたく貰うけど……」
シゲルは釈然としない顔をしながら、月の石を手に取って懐に入れた。
「これで貸し借りは無しだな。だからもう、ロケット団の事で俺をバカにするなよ」
「あぁ。……(全く、キミは相変わらずだな。そんな所をお爺様は気に入ったんだろうね」
「何か言った?」
「いや、タダでキミから施しを受けるのは、僕のプライドが許さないだよね。だから、キミにコイツをあげるよ」
シゲルはそう言って、俺に渡すようにモンスターボールを投げて来た。
俺は難なくそれをキャッチした。
コイツは……どうしてこんなこと言うかなぁ。
「そいつはここで捕まえたポケモンが入ってるんだが……全然、僕の言う事を聞いてくれなくてねぇ。お爺様から聞いたけど、キミは全然ポケモンを捕まえて無いそうじゃないか。 だから、そいつをたしにするといい。 ……礼はいらない。何故なら僕にはたくさんのゲットしたポケモンたちが居るからねぇ」
「あっそ。じゃあ、貰っておくよ」
やった!なんかよく分からないけど、ポケモンゲットだぜ!
おっと、コイツの前で浮かれちゃダメだな。またバカにされる。
「あと一つ良いことを教えてやろう。セキチクシティという町にサファリゾーンという、ポケモンを捕まえることが出来る施設がある。その町に着くまでに手持ちが少なくて困って居るなら、そこに行ってみると良いぞ」
セキチクシティのサファリゾーン、そんな施設が有るんだな!
絶対、行きたい!いや、行く! 手持ちが沢山いても、絶対に行く!
「……さてと、月の石も手に入れた事たし……もうここに用はない。ガールフレンドたちが首を長〜くして待っているし。僕はもう下山するよ……ではまたどこかで会おうカズト君。goodrack!」
そう言ってシゲルは小屋から出て行ってしまった。
……そうだ!せっかくシゲルに会ったんだし、バトルすれば良かった!うわー、ミスったー!
まぁ、いまさらそんなこと言っても、しょうがないよな。
それよりもシゲルごくれたこのモンスターボールには、どんなポケモンが入ってるんだろな。
よし、さっそく外に出て、出してみよう!
結論から言うとモンスターボールに入っていたのはゼニガメだった。
ゼニガメは珍しいポケモンだから、いつもなら大喜びなんだけど、今回は喜べなかった。
何故かって、ゼニガメがサングラスを掛けてるからだよ!
ゼニガメって凄く可愛いのに、サングラス1つでこんなに悪そうに見えるんだな。
えっと……取り敢えず自己紹介をしようかな。
「俺はカズト。シゲルに変わって、俺が今からお前のトレーナーになるんだ。これからよろしくな」
「ゼニ。……ゼーニュー!」ブシュー
……あれ、なんで俺こんなとこで倒れてんだ?
そんで持って、なんで身体中が濡れてるんだ?
……あっそうか、ゼニガメのみずてっぽうをくらったのか。はっはっはー!
なぁ。俺なにか、ゼニガメの気に触ることでもしたかな。ただ自己紹介をしただけなのに。
それからもゼニガメはことあるごとに、俺にみずてっぽうを打ってきた。
そして全く俺の命令は聞いてくれない。
どうしようもないのでゼニガメを戻した時には(当然、すんなりとは戻ってくれなかった)、全身がびしょ濡れに成っていた。
……うん、よ〜く分かったよ。コイツは俺の事が嫌いなんだってな。
「……シゲル。…覚えてろよ…」
目指せポケモンマスター?
ゼニガメ:♂
特性:げきりゅう
技:みずてっぽう、からにこもる、ロケットずつき、かみつく