頼むから6V来て。
あれからジム戦に向けての特訓の続きを、やり始めたんだけど。
さっきのお礼にって言って、イミテが特訓に付き合ってくれたんだ。
イミテは俺にポケモンや技の事を、バトルをしながら的確にアドバイスしてくれたんだ。
そのお陰で俺もポケモンたちもかなり成長したと思う。
そして十分に特訓した後、ポケモンセンターでポケモンを休ませた。
これで準備は全て整った。後はジムに行ってバトルするだけだ。
今度という今度こそ、絶対にジムリーダーに勝つ!
「そう言えばカズちゃんさー。セキチクシティのジムリーダーがどんな人かとか、どんなポケモンを使うのかとか知ってるの?」
何故かイミテもついて来る事になった。ジム戦を見学するらしい。
なんでも、メタモンと自分の気分転換にらしい。
……正直、俺の応援のためとかだったら、嬉しかったな。
「いや、全然」
「全然って、あのね〜……戦う相手の情報をきちんと調べて対策を練るのも、トレーナーの重要な役割の1つなんだよ」
「そんなこと言われても、俺そういうのニガテだから」
「はぁ〜、しょうがないな〜。あたしがジムリーダーのことを教えてあげるよ」
「そいつはどうも」
「いい、セキチクシティのジムリーダーの名前はキョウさん。忍者の末裔らしくて、どくタイプの使い手なんだよ」
「忍者の末裔!! スゲ〜!影分身とか螺旋丸とか使えるのか!?」
「いやいや、忍者って所よりも、どくタイプの使い手って所に注目して欲しかったんだけど」
「いやだって、忍者って男の憧れだからさー」
「もう、真面目に聞く気あるの!」
「ごめん、ごめん」
「先が思いやられるわね。……それでね、どくタイプは基本的に耐久力が高いポケモンが多いの。さらにね、とってもトリッキーな戦い方をする子が多いんだよ」
「なるほど……簡単に勝てる相手じゃあ、なさそうだな」
最も、それでこそやりがいがあるんだけどな。
そもそも、ジム戦が簡単な訳ないんだし。
「因みに、カズちゃんはどの子で挑むつもりなの?」
「ヒトカゲ、ピカチュウ、ケンタロスの3匹だ」
「へ〜、悪くないと思うよ。後はトレーナーの実力次第だね」
「わ、分かってるよ!」
こんな感じでイミテにキョウさんの事を教わりながら、ジムに向かった。
「ファ、ファ、ファ。拙者との戦いは一筋縄ではいかんぞ」
所変わって、今俺が居るのはジムの中。
セキチクジムは忍者屋敷みたいな所で、あちこちに罠があった。
それをなんとか突破して、ジムリーダーのいる場所にたどり着くことが出来たんだ。
忍者の装束を着ているキョウさん。いきなり目の前に「シュバ!」って感じで現れたんだ。
正直、スゲーカッコよかった!!
あっ、そうだ!セキチクジムのフィールドは木で出来ている(多分)床で、いくら壊してもOKらしい。
「使用ポケモンは3対3。そしてポケモンの交代はチャレンジャーのみに認められてます。いいですね、カズト殿」
この審判の人はアヤさん、キョウさんの妹さんらしい。
そしてこの人も忍者らしい。女の人だから、俗に言うくのいちってやつだな。
「はい!」
「よい返事だ!……挑戦者よ、覚悟は良いな。忍びの術の極意!どくタイプの恐ろしさ!とくと味あわせてやる!」
「望むところです!」
今この瞬間から、俺の本当のジム戦の始まりだ。
タケシさんの時やカスミさんの時とは違う!
俺はあれから仲間を増やして、必死に特訓して強くなったんだ!
今の実力ならジムリーダーとも対等に戦える筈だ!
自身を持つんだ俺!
「行くぞ!拙者の先鋒を務めるのはコイツじゃ。行け、ドガース!」
「ドガース」
ドガースか……ポケモン図鑑で調べてみよう。
……ふーん、どくガスポケモンか。
ということは……煙を使った攻撃が得意なんだな。だったら。
「俺の一番手はお前だ!行け、ピカチュウ!」
「チュウ!」
「では、これよりセキチクシティジムリーダー キョウと、マサラタウンのカズト殿によるジム戦を始めます!……それでは試合始め!」
「先手必勝だ!ピカチュウ、でんこうせっか!」
「ピカ!」
「させぬ!ドガース、あたり一帯にえんまくだ!」
「ドガー」プシュー
ドガースのえんまくによってあっという間に、フィールド全然がえんまくで覆われてしまった。
くっ、煙を出すスピードが早いな。これは用心しないと。
「ゴホゴホ!くそ、これじゃあドガースが何処にいるのか分からない!」
「ファ、ファ、ファ、これぞ我が家に代々伝わる戦い方の1つ、煙隠れの術じゃ」
「でもこれじゃあ、貴方も何処にピカチュウが居るのか、分からないんじゃないんですか」
「だからどうした。例え敵が見えなくとも、このドガースに影響はない!ドガースよ、今度はあたり一帯にどくガスを撒き散らせ!」
「ドガース」モクモク
「チュ……チュウーー」
毒ガスの煙を浴びたピカチュウは、苦しそうな悲鳴を上げた。
「ピカチュウ!」
「カズちゃん、気をつけて!多分今の攻撃で、ピカちゃんは毒状態になっちゃったよ!」
毒状態になったポケモンは少しずつだけど、どんどんと体力が減っていく。
……ってイミテが言ってた。
治すにはどくけしを使うかモモンの実を食べさせればいいらしいけど、俺そんな道具持って無いし。
ここはピカチュウに踏ん張って貰うしかない。
「畳み掛けるぞ、ドガース!次はスモッグを出し続けろ!」
「ドガー」モクモク
「チュウー」
ピカチュウはドガースが出した新しいガスを受けて、苦しそうに唸りだした。
「マズイよカズちゃん!これじゃあドンドンと、ピカちゃんの体力が削られちゃう」
「そんなこと言ったって。相手が何処にいるのか分からなきゃ、手の内ようがないよ」
今フィールドはえんまく、どくガス、スモッグの三つのガスが充満していて、ピカチュウの姿さえ薄っすらとしか見えない。
「さぁ、どうする! このままでは、やがてピカチュウは倒れてしまうぞ」
ヤバい、どうしよう?
適当に技を打っても、ドガースに当たるわけ無いし。
無駄に技を打ってピカチュウを疲れさせれば、それこそキョウさんの思うツボだ。
なら、ピカチュウを交代させるか? いやそんなことをしても交代したポケモンが毒を浴びるだけだ。
何かいい手はないのか?この状態を変える方法……そうだ!ピカチュウのあの特性を利用すれば、ドガースの位置が分かる!
「ピカチュウ!じゅうでんをしながら、尻尾を立ててドガースの気配を探れ!」
「ピカピー!ヂュウーー!!」バチバチ
「何!?」
この戦い方はオツキミ山での特訓の最中によく使った手だ。
だってあそこは暗闇や岩陰に隠れてるポケモンがたくさんいたからさ、そいつらを見つけるためにピカチュウの特性を利用してたら、この方法を思いついたんだ。
最初は上手くいかなかったけど、何十回もやってる内に、ポケモンの気配を探りながら技を出せるようになったんだ。
「ピカピー!」
「よし!ピカチュウ、ドガースに最大パワーで10万ボルトだ!!」
「ピカーーー、ヂュウーーー!!」バリバリバリー
「ドガーー!」バリバリー
「ドガース!」
じゅうでんのエネルギーを加えた10万ボルトは、ドガースにしっかりと命中したみたいだ。
しばらく10万ボルトを出し続けていると、不意に爆発音がしてフィールドに充満していたガスが爆風で吹き飛ばされた。
視界が晴れていくと、フィールドにドガースが倒れていた。
「ドガース戦闘不能、ピカチュウの勝ち!」
た、倒した。……いーーやった〜!!
ついに……ついにジムリーダーのポケモンを倒せた!!
俺はようやく……ジムリーダーと互角ぐらいの強さになったんだ!!
「戻れ、ドガース。御苦労であった。……お主、なかなかやるではないか」
「はい、ジム戦に備えて、ひたすら特訓しましたから」
「カズちゃん、やる〜。見直したよ!その調子で頑張れ〜!」
「あぁ!」
「浮かれるのはまだ早いぞ。勝負はまだまだ、これからじゃ!今度はお前だ!ゆけ、モルフォン!」
「フォー」
モルフォン……どくがポケモンで敵を状態以上にして戦うのが得意なのか。
どくタイプに加えて虫タイプも入っているなら、ここはお前の出番だな。
「いったん戻れ、ピカチュウ。休んでてくれ。……出て来い、ヒトカゲ!!」
「カゲー」
「うんうん、いい判断だね。このバトルも勝てそうだね」
「行くぞモルフォン!手始めにしびれごなを吹きかけろ!」
「フォー」パラパラ
「ヒトカゲ、ひのこで迎え撃て!」
「カゲー」ポポポ
大量のひのこはしびれごなを相殺しつつ、幾つかがモルフォンに命中してダメージを与えた。
よし、モルフォンはひのこを受けてひるんでる、今が一気に攻めるチャンスだ!
「ヒトカゲ、一気にかえんほうしゃで決めろ!」
「カゲー」ゴォォー
「ふっ、甘いぞ!モルフォンよ。かわして、かなしばりをかけるのじゃ!」
「フォーー」
モルフォンは空中を独特に飛び回り、かえんほうしゃをかわした。
そしてヒトカゲに接近してきて、変な技をかけてきた。
なんだかよく分からない技を受けたけど。
こんなに近くまで接近してくれるなら、確実に技を当てられるぜ。
「ヒトカゲ、もう1発かえんほうしゃ!」
「カゲーー!……カゲ?」
あれ?かえんほうしゃが出ないぞ!?
PPはまだまだ残ってる筈だ!いったい、どうなってるんだ!?
「ファ、ファ、ファ!
「何やってるの!! かなしばりを受けると、直前に使った技がしばらく使えなくなっちゃうんだよ!」
「そ、そうなの」
「はぁー、ちょっと見直したのに。やっぱりカズちゃんはまだまだだね」
「スキあり、モルフォン!ヒトカゲにねむりごなを吹きかけろ!」
「フォー」パラパラ
「カゲー……zzzz〜」
ヒトカゲはねむりごなを受けて、その場で眠ってしまった。
「ヒトカゲー!」
「今じゃ。一気に畳み掛けるぞ、かぜおこし!」
「フォー」ブワ
ヒトカゲはモルフォンが起こした風の渦に巻き込まれた。
「ヒトカゲ、しっかりしろ!起きろ!起きてくれ!」
俺の叫びも虚しく、ヒトカゲは全く起きる気配がなかった。
「次はサイケこうせんじゃ!」
「フォーー」ビィーー
サイケこうせんは無防備なヒトカゲに命中して、ヒトカゲはその衝撃で吹き飛ばされてフィールドの床に叩きつけられた。
おいおい、なんて威力だよ。
こんな攻撃もう一回くらったら、お終いだ。
「ヒトカゲ頼む、目を覚ましてくれ!!」
「モルフォンよ、とどめを指すぞ。今度は時間を掛けた、最大威力のかまいたちじゃ!」
「フォーーー」ビュワー
モルフォンの周りにどんどんと風が集まり、その風は凝縮されて刃のような塊に形成された。
ヤバい、あんな攻撃を受けたらひとたまりもない!
「ヒトカゲ!起きろ!!目を覚ましてくれ!!」
目指せポケモンマスター!
自分に取ってポケモンは殿堂入りした後が、本当の始まりです。
早くアルファサファイアのガチポケモンたちを、サンに送りたいです。