申し訳ないっす!
ブリューヌ王国……強力な騎士団と有力な貴族の力で安定した国力を誇る大国。だが、〝ディナントの戦い〟で王子レグナスが死亡した報を受けて国王ファーロンが政務を放棄し、国家体制か瓦解。テナルディエ公爵とガヌロン公爵の二大貴族が争う内乱へと突入しようとしていた。
その〝ディナントの戦い〟が起こる数週間前、ブリューヌ王国 王都ニースの王宮内の修練場では剣や槍を振るう集団がいた。その中でも、一際鋭い一撃放つ者がいた。
「ハッ!せいっ!ハアァァァァッ‼︎」
彼が今回の主人公・カル……家名はなく、一騎士として、この騎士団にいる。
「フゥゥゥ!……こんなもんかな」
「おう!カル!今日も気合いが入ってんな!」
「団長……こんなとこで何やってんすか?今日は会議ですよね?」
「ああ、メンドクセェから行かなかったわ」
「はぁ⁉︎なにやってるんですか⁉︎今日は将軍も参加する大事な会議ですよね⁉︎」
「あーそれはヴァンベルクに任せた!」
「はー…そうすか…」
この人は…生粋の人たらしだな… この赤い髪で誰から見ても、イケメンと言える顔から繰り出される人懐っこい笑顔にみんなやられたのかな……。
「カル!今から、やるか!」
「え?なにをすっか?」
いきなりなに言い出してるんだ?この人は?
「やるといえば1つだろ!戦うんだよ!お前ら!そこどけろ!今から、俺とカルがやるからよ!」
「はぁっ⁉︎ちょっと待ってくださいよ!団長!」
「いいから!いいから!ほらっ!やんぞ!」
俺は腕を引っ張られ、引きずられていくが、なんとか抵抗を試みた
「ぐおおおおっ!」
なんつー馬鹿力だ!毎度思うけど、どうやったらこんな力つくんだよ!
「ほらよ!」
「うわっ!」
ドシャア!俺は投げ飛ばされ、団長の五アルシン(約五メートル)位の感覚で向かい合った
「まったく…なにやってんだよ ヴァルガス」
そこに現れたのは、この騎士団の唯一の良心にして、絶対的な盾
「ダンさん!」
ダルバンシェル=シールド…騎士団の軍師てにし、団長を止める役を買って出てくれた、この騎士団の唯一の救いである。戦いになれば、軍師として、作戦を立案し、自らも前線にでて戦える程の技量を持つ。中途半端ではなく、武でも秀でている、文武両道をこなす優秀な戦士であるのだ。ちなみにかなりの愛妻家。まだまだ現役の齢60歳
「ダンさん!あの団長止めてくださいよ!」
「フハハハハハッ!」
「……あーなったら、止められんから、ここは潔く戦ってくれ。ワシじゃ止められんわ」
「そんなー……」
「ほれ!刃引きした槍じゃ」
俺が得意とする武器は槍なので、ダンさんは槍を渡してくれた。対する団長は大剣を扱うのだが、刃引きした大剣などなく、模擬剣を手にしてる。
「さあ!早くやろうぜ!」
そう言うと団長は、剣を構え、無言になる。
「………」
「クソ……」
俺も槍を構え、いつでも鋭いを突きを放てるように準備をする
「では、開戦の合図はワシがやろう。両者!準備はよいな?」
「……」
「……」
俺と団長は無言になって、ただ合図を待っている。
「……始めぇ‼︎」
その合図と共に闘争の火蓋がきられた
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「ハァーッ!ハァーッ!」
俺は大量の汗をかきながら、地面に倒れていた。
「ハハッ!まだまだだな!カルゥ!」
大笑いしながら、俺のことをバカにしてくる団長に無性に腹が立ったが負けたのと息切れでなにも言い返せなかった。
「ハァーッ!……クソッ!いつか必ずぶっ倒してやる……」
「おうよ やれるもんならやってみやがれ!ハハッ!」
「お疲れさん よく頑張ったな」
ダンさんが俺に労いの言葉をかけてきてくれたが俺は……
「いや!一刻も打ち合ってれば、さすがに疲れますよ!」
周りに騎士団の団員はもういなくなっていた。見飽きたのか各々、宿舎や自宅に帰っていた。
「ワシも何度か止めようと思ったんじゃがな?なにせ、ワシの盾がなけりゃ、介入できなんだ。しかも、家にあるしのう」
ダンさんは困ったような顔して、俺に訳を話してくれた
「あーそうなんすかー……。すいません なんか……」
「なぁに、ワシも悪かったしのう。まあ、一番悪いのは……」
そう言った、ダンさんの目線の先には……
「フハハハハハッ‼︎やりたりねぇぜ‼︎」
目をギラギラしながら、剣を振り回す、団長の姿だった。
「……ですね」
「うむ……では、今日は帰ろうかのう。お主も早く帰りなさい。彼女も心配してるであろう」
「はい そうします。では、ダルさん!失礼します!」
俺は頭を下げ、礼を言った
「うむ ではな」
俺はそれを聞いて、修練場から出たが、その背後から……
「ほれ!行くぞ!騎士団の皆はワシ達以外、全員帰ったぞ!」
「はっ!なにぃ?やる気が足りねぇぞ!あいつら!」
「お前が溢れすぎてるだけだ!ワシはもう帰るぞ!これ以上駄々をこねるのなら、アヴァンに迎えにきてもらうからな!」
「⁉︎ それはダメだ!すぐ帰る!今帰る!」
俺はそれを聞いて、自然に笑みがこぼれた
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「ただいまー」
俺は王都の中心街から、少し離れた我が家にやっと辿り着いた
「おかえりなさい カル。ご飯にする?お風呂にする?それとも……わ・た・し?」
「なーに言ってるの姉さん」
家に入った瞬間、青髪の可愛いというより、綺麗な女性が待っていた
「もーう つれないなー……。もう少し甘えてもいいのよ?」
「俺はもうそんな歳じゃないよ 姉さん」
「あら 残念♪」
この女性は、かの有名な六英雄の子孫の一人。現在の氷を司る英雄セレナ=レクシーダである。彼女もサーマ騎士団という、女性騎士団をまとめる団長である。なので、かなりの実力者なのは受け売りだ。
俺はそんな彼女と二人暮らしをしている。なぜなら、俺は彼女の両親に拾われたからだ。そんな彼女の両親も今は他界しているため、この家で俺とセレナ姉さんとの二人暮らしをすることになったのだ。
「ほら!早くお風呂に入って来なさい。その間にご飯…作っておくから♪」
「わかったよ 姉さん」
俺はそういい、風呂場に向かった
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「そういえば、またアグニの団長は会議に出席してなかったわよ?なにかあったの?」
姉さんは今日の会議に出席しなかった、うちの団長のことを聞いてきた
「ああ……それがね 姉さん。うちの団長めんどくさいからって、副団長に任せて、俺らの修練場で暴れてたよ……」
「あら……そうなの?私は気にしないけど、宰相のボードワン様が顔をしかめて、大きなため息をついていたわ。他の団長もね」
「ハァ〜あの人は……」
俺もため息をつくほど、呆れていた
「それに今日は帰りが遅かったわね」
「……団長が急に俺と勝負しろって、言われて、この時間までずっと戦ってたんだよ……」
俺はおそらく、疲れ果てた表情をしているであろう。それが伝わったのか姉さんは俺を心配してくれた。
「大丈夫?なにかあったら、お姉ちゃんに言うのよ?すぐに行くから。………今度、ヴァルガスにお話ししなくちゃね……」
「ありがとう 姉さん。姉さん?すぐに行くからの後、なんか言った?」
「え?あ!なんにも言ってないわよ!うん!なにも!アハハ」
「? ならいいけど……」
「うん!ほら、冷めちゃうから、温かいうちに食べて?」
「わかった!いただきます!」
その後、姉さんは笑顔で俺のことを見つめていた
サボらないように頑張ります( ̄∇ ̄)