ラブライブ!サンシャイン!! ─ キセキの星 ─   作:またたね

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Re A Rise ─ 昇る朝日 ─

 

1話 Re A Rise ─ 昇る朝日 ─

 

 

 

「……っと。じゃ、行ってきまーす」

 

「はい、気をつけてね、昴」

 

 見送りの声に手を挙げて答え、俺は外へと飛び出した。

 

 4月。桜が満開のとある日のこと。

 ローファーの靴底を軽快に鳴らし、俺は最寄りのバス停へと駆け出す。

 今日は俺がこの春から通う学校の始業式だ。

 俺は今年の3月にここ、静岡へと引っ越してきた高校2年生。そう、つまりは転校生というわけ。

 転校初日の今日、新たに始まるここでの暮らしを…楽しみとまではいかなくとも小さな期待を抱えていた俺は真新しい制服を身に包んでバス停までの道のりをかけて行く。

 そしてその時、目の前でドアを閉めようとするバスの姿が目に入った。

 

「待って!乗ります乗りまーーす!!」

 

 俺の叫びは運転手に届き、バスは途中で動きを止めた。

 

「危ない危ない……」

 

 最後列の右奥。バスに置いて神席だと思われるそこが空いていたのでそこに座り、俺は荒れた息を整えながら窓の外を眺め、物思いに耽る。

 

 

 

 朝日に照らされて輝く海。遮るものもなく、どこまでも広がる青空。一面“青”の景色に、俺は心を奪われていた。

 最初引っ越してきたときは何もないただの田舎かと思っていたけど。

 

「──結構いいとこ、かもな」

 

 “何もない”この場所で、“言葉に出来ない何か”を感じた俺は小さく呟く。俺はここから始めるんだ───俺の“第2の人生”を。第2の人生なんて言い方は大袈裟かもしれないけど。

 

『次は─────』

 

 車内アナウンスが告げたのは俺が通う事になる学校の最寄のバス停。前日から忘れないようにと頭の中で念じ続けた、初めて聞くはずなのに妙に聞きなれたように感じるその名前だった。

 俺と同じ制服を着た生徒が数名、ガサゴソと動き始めたのを見ながら、俺も同じように席を離れてドア付近へと移動する。

 

 

 

 始めるんだ、もう一度。

 

 新しい、俺なりの、俺らしい学校生活を。

 

 ここ内浦で──()()()()()()()()この場所で。

 

 

 

 

 

「……ふぅ」

 

 バスを降りて、一呼吸。

 ここにきてからつくづく思うことだけど、空気が美味しい。前住んでたところの空気が不味いわけじゃないけど、ここの空気は何故だか体を浄化していくような……そんな透明さを感じる。

 俺も周りの生徒同様、学校への道のりを歩こうとして───

 

「うわあぁぁぁぁん……」

 

 

「ん……?」

 

 背後から聞こえた小さい子供の泣き声のような音に気付き、後ろを振り返った。するとそこには案の定というべきか、蹲って涙を流しているランドセルを背負った少年の姿が。

 俺は道を引き返し、その子に声をかけた。

 

「君、どしたの?」

「足、こけて、擦りむいて……ぐすっ」

 

 その子の言う通り、膝が擦れて血が出てしまっている。そこまで大怪我ではないが、これだけ小さければ泣いてしまうのも無理はない。

 

「本当だ……ちょっと待ってね」

 

 俺はカバンからポーチを取り出し、その中の絆創膏を一枚少年へと渡した。

 

「はい。もう大丈夫だよ」

「んぐすっ……ありがとう…っ」

 

 不思議なもので子供というものは傷口が見えなくなると痛みをあまり感じなくなるというか、急激に元気になる。血に不安を抱くとか絆創膏の安心感とか何か理由があるのかもしれないけど詳しいことは俺にはわからない。

 

 しかし絆創膏が少年に与えた効果は絶大で、少年は勢いよく立ち上がりさっきとは打って変わってにかっと笑って見せた。

 

「もう大丈夫なの?」

「うん!ありがとうね!」

「そっか……よかった」

 

 そして俺は笑顔で、その子の頭に優しく手を乗せた。

 

「もうこけちゃダメだよ?」

「うん!気をつける!」

「それだけ元気なら、大丈夫そうだね。それじゃ、行くね!」

 

 俺はそう言い残してその場を去ろうとしたのだが……

 

「ねぇ、待ってよ!」

 

 少年の呼びかけに、俺は再び足を止めた。

 

「ん、どしたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「───()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……あぁ本当。ありがとね!」

「僕の方こそありがとう!それじゃあまたね!」

 

 そうして少年は急いだように駆け出していった。

 ……本当に嵐のような子供だったな。

 そんなことを思いながら俺も自らの学校へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 ───自己紹介が遅れたね。

 

 

 俺の名前は、朝日昴(あさひすばる)

 

 

 この春から、“浦の星『女』学院”に通う───

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()

 

 

 

 




お久しぶりです、初めましての方は初めまして。またたねと申します。

前作完結から一ヶ月半、またたねが新作を引っさげて帰って参りました。
たくさんの感想をありがとうございました!時間はかかりますが必ず返信させていただきます。

さて、今回の1話ですが皆さん驚いて頂けましたでしょうか。
新しい“朝日”、スバルくん改め『スバルちゃん』をよろしくお願いします!

くどいようですが、今回の作品はこれ単体でも楽しんでいただけるようなストーリーですが、作者の前作「ラブライブ!─ 背中合わせの2人。─」を読んで頂いた方にはもっと楽しんでいただけるようにしてあります!前作を読んで頂いた方へ私からの感謝の気持ちです笑

改めまして「キセキの星」をよろしくお願いします!
目標は失踪しないこと、です笑

それでは今回もありがとうございました!
感想評価アドバイスお気に入り等お待ちしております!
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