虚栄の国。ある作者の妄想から出来たその国の首都一のデートスポット。
多くのカップルが朝から晩まで健全にイチャイチャしていていた。空気そのものが非常に甘く、糖度40の酸素を吸いながらしかめっ面で歩く独りには、少しキツ過ぎた。
今日は一段と甘く、ハロウィンの仮装をしたカップルが互いに菓子を渡しあっているのだ。そんな空気に耐えかのか、
「ふはははははははは!!」
カボチャの戦車に乗っている、カボチャを被った男が次々とカボチャを投擲して、カップルを攻撃していた。
投擲されたカボチャは寸分違わずカップルに当たり、カボチャの匂いが立ち込める。戦車の後方からは、カボチャで出来たゴーレム達が、戦列をなして、カップル達を襲撃している。
「「「マッドハロウィン!マッドハロウィン!」」」
男達はゴーレムに無理矢理カボチャの被り物を被せられると、そう叫びながら他のカップル達を襲い始めた。
~~~
事の発端はこの男の一言だった。
「ハロウィンって、どんなイベント?」
ベクセルMK5。常にキャラ付けの為に五号と書かれた紙袋を被っているその男は、虚栄の城の城主である。
「てか、ここ自体作ったの俺だからな?」
で、どんなイベントよ?と、適当に作った兵士達に問いかける。
――――――――――曰く、子供が
――――――――――曰く、幽霊や怪物、モンスターの仮装をして食事をするイベント。
――――――――――曰く、色々な仮装をして厄を払う儀式。
「――――――――――曰く、カップルがイチャイチャする口実・・・・・・」
「――――――――――――――――――ほう?」
紙袋の奥で何かが光った。眼光か、それとは違う別の何かか。
最近彼は恋人ができたばかりであり、つい本音が出てしまったのだ。
「では、兵士A君。口を開けたまえ」
「は、はぁ・・・・・・」
言われるがままに口を開ける兵士A。そこに、
「そおぉい!」
「ふがぁ!」
カボチャの種を口の中に放り込まれた。間髪入れずに呪文を唱えるMK5。兵士Aの目から生気が失われ、立ったままぐったりと脱力する。
「おはよう、兵士A君。君は今から私が『やめていい』と言うまでカボチャを収穫し続けろ」
「あい、わかりました」
そのまま、斧と鉈を片手に出て行く兵士A。彼はしばらくの間カボチャ畑勤務となった。
~~~
それから数日後
「よし、では始めよう」
種だけ取り除かれたカボチャの中に、菓子や料理の材料のみを入れながら呪文を唱えるMK5。
「何が始まるんです?」
「大惨事大戦だ」
袋ではなくカボチャの頭とかしたベクセルMK5が答える。
カボチャ達はなんと、カボチャの頭をしたゴーレムへと変身した。
「カボチャ魔術。カボチャを触媒に、様々な結果を発生させる魔術だ。今回はゴーレムを作っただけだが、やろうと思えばもっと凄い事ができる」
こんなふうにな。と言いながら巨大カボチャに触れながら呪文を唱える。
「
唱えた瞬間、カボチャを被った馬3頭立てのカボチャ型の戦車が現れる。
「お前たちはこのビラを配りながら街をカボチャで飾っていけ。俺とゴーレム達はカップルを襲撃してくる」
そう言って城門を開き、跳ね橋を下ろす。そのまま戦車に乗って首都一のデートスポットを襲撃した。
「ふははははははははははは!!」
笑い声と共に、カボチャ爆弾を投げていく。爆発した爆弾はカボチャとナニかの甘い香りと漂わせながら、ビラをばら撒いている。
『集え冒険者諸君、我が名はベクセルMK5。
諸君らが攻略しようとしていたダンジョンやらは我がもう既に制圧し、宝は根こそぎ奪い去った!
宝が欲しくば、仮装した状態でトリック・オワ・トリートと言いながらダンジョン内にいるエネミーを全滅させ、宝がぎっしり詰まったプラチナカボチャを取りに来るがいい!!』
おはようございます!・・・・・・もう夜だけど。
このあとは冒険者sideで書きます。
五話位を予定しているんですけど、長いですかね?