儚い夢はいずれ目覚める
その後、どうするのかが正解
布団から出て、意識を覚醒させる
微睡みに身を委ね、二度寝をする
答えはあなた次第
「ついにここまで来た」
城の城壁を眺めながら、ヒロインは呟いた。彼女は先程までキーパーと戦っていたのだが、ふたりを分断するように襲ってきたカボチャドラゴンを相手にしている間に離ればなれになってしまった。
(やっとここまで、やってこれた)
ここに来る経緯を思い出す。
――――――――――君は王になるべきだ。
村でカボチャの収穫をする日々を送っていたヒロインは、ある日白いボロ布を纏った男にそう言われた。
――――――――――さあ、この剣を君にあげよう。この剣が君を王にしてくれる。
千本の剣で出来ている大剣を渡され、促されるがまま、旅に出た。
――――――――――王になるなら、非常な選択も必要だ
王になるための修行の旅で、初めて人を殺した。だが、殺していくうちに、慣れてしまった。初めて殺した時にあった違和感は徐々に消えていった。
――――――――――大丈夫。その剣はどこにあったとしても、君に力をくれる
剣を手に取ってからというもの、剣と一体化していくかのような感覚。
――――――――――君はカボチャの城に住む魔王を倒すために、紅いコートの男と出会うだろう
出会って、間違えて殺そうとして、殺し合って、けど今は離れている。
「きっとここにいる。彼も」
キーパーも、そして啓示を告げる男も。ヒロインは剣を掲げる。この、剣の真の機能を使うために。
「『神々の威光、奇蹟の片鱗、落陽を呼ぶ銀の光牙』」
一本の大剣が解け、10本、200本、500本、999本の剣となる。
「『
999本の剣が光を反射し、ヒロインの持つ一本の剣に収束させていく。眩い光を放つ一本に、先ほどの999本の剣が纏わり着く。
――――――――――振り下ろす瞬間、纏わり着いていた剣が喇叭状に広がり、一太刀の砲撃と化して、城門と城壁の一部を蒸発させた。
~~~
「うおっ!派手なの来たな~」
城内から城門と城壁の一部を蒸発させた一撃を見るキーパー。
その周りには、大量のカボチャゴーレムの残骸。
「毎回驚かされるが、こいつらのエキスって血と同じ定義なんだな」
血を見る度に理性を削る異能が突如発生したため驚かされたが、なんとその正体はカボチャエキスだった。
「さてと、さっさとプラチナカボチャを・・・・・・」
玉座の間まで向かう途中にいるカボチャゴーレムを肉斬り包丁で切り崩す。
飛び散るカボチャエキスを弾丸替わりに、空飛ぶカボチャ畑の案山子を打ち落とす。
「「「そこまでだ!」」」
「・・・・・・あ?」
目の前には、カボチャを被った奇妙な格好をした戦士が立っていた。
「カボチャセイバー!」
斧を持ったカボチャ騎士が名乗る。
「カボチャランサー!」
農業用フォークを構えたカボチャ戦士が名乗る。
「カボチャアーチャー!」
よくわからん大筒を構えたカボチャを被ったコートが名乗る。
「「「三人揃って、カボチャスリーな「『落陽詠う白銀の剣砲』うわあああああああああ!!」」」」
「三騎士枠が出オチ!?」
一瞬で消滅するカボチャ三騎士に戦慄するキーパー。
「ちっ、消滅してなかったか(あ、無事だったんですね!)」
「逆になってるんだが!?しかもわかりやすく!」
合流するなり、ハードなボケに対して無茶振りツッコミを強要されるキーパー。
「ほう、カボチャ三騎士たちを一瞬で」
「ディフフフフフ、お嬢さん、中々いい剣でごじゃるな」
「PPPPpumpkin」
何たることか、何時の間にか、鎌を持ったローブのカボチャ頭と、調理用ナイフと、牛刀を持ったカボチャの仮面を付けた男と、カボチャを被って、鉈を持った甲冑に囲まれているではないか。
「ではまずは拙僧からいくでおじゃ・・・・・・るヴわぁ!」
南無三。カボチャアサシンは名乗る間も無く、カボチャコアを抜き取られて消滅してしまった。
「か、カボチャアサシン!おのれえ!
相手に強制的に悪夢を見せるカボチャメイガスの必殺技。しかし当たらず、カボチャバーサークと同時に首を切り落とされてしまった。
「次で最後だ。気を引き締めろ」
~~~
「やあ、よく来たね」
「呑気なもんだな。自分が死ぬかもしれねぇって時に」
目の前には、五号とくり抜かれたカボチャを被った男が立っていた。
「ん?生物はいずれ死ぬ。それは当然のことだ。それに、君たちは自分から来たように振舞っているが・・・・・・」
「――――――――――え?」
突如五号かぼちゃの姿が白いボロ布を纏った男に変身する。
「――――――――――君たちを招いたのは、私だよ」
「そんな、貴方が・・・・・・」
「さて、ヒロイン。君を王にするための旅の終わりにしてスタートラインだ。見事私を倒してみろ?」
「『神々の威光、奇蹟の片鱗、落陽を呼ぶ銀の光牙』」
「三度目の発動!それが何を意味するのか、わかっているのか?」
「当然です。
「うおおおおおお!止まれぇぇぇぇぇぇぇ!」
カボチャの馬を握りつぶし、戦車の車輪を思い切り砕く。
「「『落陽詠う白銀の剣砲』」
「
銀と、カボチャ色の閃光が弾けた。
~~~
ガラガラという音を立てて、カボチャの城――――――――――虚栄の国は崩れ落ちる
城も、街も、人も、エネミーも、みんな消える。
主演も、エキストラも、観客も、皆平等に。
さて、生きているんだろう?最後の仕事だ。
「最後?否!俺の仕事は終わらない。俺の役割は消えない。思いついた世界を、書き綴るだけ、それが作者。お前はそれを、語るだけ。それが語り部」
だから、俺たちの
「そうそれ」
全く。処で、剣になった少女は?
「彼女?ああ、彼女なら自分の国を作りに行ったよ?」
――――――――――はい?
「新興国フェイラード。4カ国全てに囲まれてるもん、大変そうだな」
こうして、ハロウィンへの挑戦は終わりを迎える。
完結しました。
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