「ね、姉さん、ひ、人が、人がイッパイイル…。」
「ほらほら、もう少しで選手待合室に着くから。頑張ってね♪」
「うぅ…………。」
やって来ました、闘技大会。
時間のギリギリまでスライムさんを作っていました。お陰で様で更に十体増えたよ!宝石も途中で足りなくなったので、また、買いました。
名前は全員プニですよ。どれがどのプニか、もう分からなくなってきたけど、まあ良いよね?
おっと、そんなことを話している場合じゃないや!
人前に出るのが苦手な僕に、大舞台に上げるなんて…。やっぱり断るべきだったか…。人前に出るのが当たり前な姉さんの様に、堂々としてられません。
「お!皆居たよ!おーい、クリスさーん!」
「あ、赤ちゃん!こんにちは。」
「赤ちゃんは止めて!」
クリスさんも出るのかな?戦ってる姿は想像が出来ない。
「や、弟君。勝てそうかい?」
「え、あの、ギルギルさん…?」
「俺も居るぞ。」「僕もね~。」
「ジャックさんにジオさんも…。皆さん出るんですか?」
「勿論、出場させて貰うよ。」
「俺もだ。お前、絶対勝ち上がって来いよ。良いな!」
「ひゃ、ひゃい!!」
「僕はお祭りに乗じて荒稼ぎかな。この日の為に三日間アイテムを作り続けたからね!」
「す、凄いですね…。」
皆、準備を整えているらしい。まあ当然ですね。
ガシッ
「うぇ?」
「良いか?最低でも俺に当たるまで、死ぬ気殺す気で勝ち進め。」
「…えぇー…。」
「これはお願いではない、命令だ。」
「………………えぇ~。」
VR初心者にそこまで求められても困るんですが…。
***
[皆さんこんにちは。はじめまして。闘技大会司会進行を勤めます。Fco開発副主任の神尾乃亜です。]
[基本的に回復しか出来ないけどなんとかしてこのお祭りに出てみたかったので、解説を勤める事になったクリスチャンです~!]
あなたは何してるんですかクリスチャンさん!?
「…やけにテンション高かったのはあれか。」
「ああ見えてプロレスとか好きだしな、クリスさん。」
「…あの、良いんですかね、あれ。」
「知るか。運営に聞け。」
[それにしても乃亜さん、今回は何だか熱気が溢れてますね!]
[そうですね、βプレイヤーは”回復以外何でも有り”と言うルールに乗じてどんな汚い手段をするのか非常に楽しみです。新人の皆さんには時に頭を、時にごり押しで頑張って頂きたいですね。それに、この大会が終わった後のアップデートもあって、全員が浮き足立っているでしょうね。]
[中々えげつない事言いますね乃亜さん。新人の皆さん、十分気をつけて下さい。]
「お母さん敬語が自然だね。」
「え、あー、うん。」
僕は知ってる、昨日の夜、一生懸命敬語でお父さんとリハーサルしていたことを。姉さんは姉さんで始まる30分前までずっとレベル上げしてたね。三連徹夜おめでとう。
ちなにみ、お父さんは更なるアップデートを進めているらしい。
[それではルール説明をします。先ほど少し言いましたけど、“回復魔法、回復アイテム以外は何でも有り”それから“アイテムは合計20個まで”です。HPの回復、またはMPの回復を行った場合は即刻退場です。しかし、スキルによるHP、MPの回復は有りです。]
[まあ序盤からそんなスキル持ってる人はそうそう居ないですよね~。]
「そうですね。」
そんなスキルが有るんだ。その内探してみようかな?
[それでは、一次予選の1試合目を始めます。]
[誰と戦うかはこちらに有ります「くじ引き君」?にてランダムに決まります!では、くじ引き君!ゴー!]
・プレイヤー 藍 VS パーティー 新人同盟4番隊
[選手の方はステージへどうぞ~!]
「絶対に仕組まれている!」
「はは、頑張れ!」
「ジャックさん!死んじゃっても文句は言わないで下さいね!」
「無理な相談だな。」
くそぅ…そんなことを考えながら歩む足はとても重かった。
***
「おい、アイツか?」
「らしいな、ソロで魔法職とかwボッチかよw」
「こりゃあ前衛で囲ってリンチだなw」
何か怖いこと仰ってるよ!それになんかムカッとくる!
「ハハハ、ちびっこちゃん、さっさと棄権した方がいいんじゃないかな?人数はこっちが上だし?実力もこっちが上だと思うよ?w」
た、確かに、今はそうだけど…。
「か、数の上ではこちらの方が上ですから。」
「「「「「「はw、ほざけw」」」」」」
[さあ、両者とも挑発は終わったー?それでは、レディ~ゴー!]
「ガアアアアアアアアアァァァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
「はあああああああ!?」
合図と共に20体一斉に召喚したゴブリンゾンビ達。空気に当てられたのか、状態は興奮(弱)ですね。プニさん達も5匹程出しときましょう。手の内はまだ残ってますし。弱そうだし。このくらいで大丈夫か。
後は淡々と援護射撃ですね。