にじファン→TINAMIと移転し、遂にこちらにやってきました。
これから、よろしくお願いします。
目が覚めると、なにもない白に支配された部屋に俺は横たわっていた。
「ここは、どこだ?」
キョロキョロと辺りを見渡すが、あるのは白という単色。
遠近感が狂いそうだ。
「やっと目が覚めたか」
ふと、若い男の声が聞こえた。
振り向くと、そこには予想通り若い男の姿が。
「誰なんですか?」
「俺は神だ?」
……は?
思考がフリーズする。
今、この人はなにを言った?神?実在したのか?
「実在してるさ。ま、お前らの想像よりは遥かに無能だがな」
どうやら、心を読めるらしい。
ここで、よくある二次小説みたく『紙?』とか『黄色い救急車呼びますよ』なんて茶々は入れない。あんなこと、単なる一般人になんかできるはずがない。見ててイライラするし。
「で、その神様が僕に何の用ですか?」
「お、否定しないんだな」
「ここに来る前の最後の記憶が、ベッドに寝転がって寝る直前でしたからね。まぁ、どこぞの組織が秘密裏に俺をこの部屋に移動させた、っていう漫画みたいな展開ならあなたは神様ではないんでしょうけど」
「ああ、それなら大丈夫だ。俺は正真正銘、神だよ」
「でしょうね。そんな現代風な若者の格好をした研究者なんていないでしょうしね」
「ははッ、ちげぇねえ」
パーカー姿の神様は笑う。
「それでもう一度聞きますけど、何の用ですか?」
「そうだった、本題に入るぞ。……簡単に言えば、お前は生まれる世界を間違えたんだ?」
「は?」
「スマン。言葉が足りなかったな。生まれる世界を俺達が間違えてお前を送って、世界の修正力に魂ごと消される前に俺達がお前をここに運び入れたって訳だ」
「……ちょっと整理させてくれ」
ってことはあれか?神様達のせいで俺は危うく消滅するところだったと?
「早い話が、そうだ。だが安心しろ。お前はまだ人生を謳歌できる」
「どうやってですか?」
「お前を生まれるはずだった世界に送る」
おお、それはありがたい。
「だが、その世界に待ち受ける運命ってのは残酷だ。嫌でも戦いに巻き込まれる」
「どんな世界なんですか?」
「ヨルムンガンドっていう漫画によく似た世界だ」
ああ、あの血と硝煙にまみれた世界ですか。
「よく似た世界、所謂パラレルワールドだから原作介入しても修正力は働かない。するもしないもお前次第。ま、転生するにあたってお前の能力の封印を解く」
「封印?」
「ああ、本来なら備わっているはず才能だ。世界が違うから修正力に抑えつけられていたんだ。おかげで強化されてやがる」
負荷が掛かった筋肉のようにな、と神様は付け加える。
「質問、いいですか?」
「ん、なんだ?答えられる範囲で回答してやる」
「最初、『お前らの想像より遙かに無能だがな』って言ってましたよね。あれはどういう意味なんですか?」
「言葉の通りだ。俺らに出来ることなんてあんまないんだよ」
「神様なのにですか?」
「一つ訂正しておく。俺が神って名乗ったのはお前らの主観に合わせたからだ。俺からすれば、俺らなんか特殊な能力を持った人間だよ。ま、世界の管理を任されているが」
カハハ、と彼は笑う。
「本来なら、管理している世界の人間を別の世界に転生なんて出来ないんだ。そんな力は俺らにはない。せいぜい魂のバランスを整えたり輪廻転生の輪を調整したりするのが限界だ」
だが、例外もある。と彼は付け加える。
「原因はなんでもいいが、魂の行き場に問題が起こると世界間での魂の移動が出来る。特例としてな。その処置をするときだけ、俺らの力は高まる。ま、それを私利私欲の為に使うと問答無用で地獄行きだがな」
「そうなんですか……」
「っと、転生の準備が出来たぞ」
「早いですね」
「話している間にやってたからな。じゃ、いってこい。そこの扉をくぐれば転生できる。記憶は5歳の誕生日に戻してやるから、安心しな」
「解りました。ありがとうございます」
俺は、扉をくぐりぬけた。
あ、どんな才能か神様に聞き忘れた。
ま、いっか。
今日は三話まで連投します。