ヘクマティアル分隊に本当の意味で入隊した。
俺が真の意味で入隊してから三年。
また新しい仲間が増えた。
ウゴ、という名前の白人の大男だ。
彼はとあるイタリアンマフィアの運転手をやっていたが、所属するグループがココとの取引に代金代わりとして麻薬を提示して交渉が決裂。皆殺しにしたが麻薬を出した時に唯一嫌そうな顔をしたことが彼女の目に留まり、彼だけ助命され、以後ココに気に入られて運転手としてスカウトされた。
「今日からわたしの隊の運転手を務めるウゴだ」
「よろしくお願いします」
礼儀正しいな。俺の第一印象は上々だ。
「皆も知っての通り、彼はこの前のイタリアンマフィアの運転手を務めていた男だ。体格もいいし、血にだって慣れている。みんな、仲良くしてやってくれ」
「力仕事なら任して下さい。腕力には自信があります」
胸を張るウゴ。ふーん、腕力には自信がある、ねぇ……。
「よし、じゃあ新入りが入ってきたから恒例のアレをやりましょう」
「アレか」
「アレですか」
「アレね」
「アレですか」
「アレだな」
? と頭に疑問詞を浮かべるウゴ。
そんな彼を気にせず、ココは机を中央に持っていく。
「わたしの隊では、新入りに必ずトールと腕相撲をさせるのだ。その勝ち負けをわたし達が予想して賭けをやる。賭けに勝った方が掛け金を総取り。負ければ没収。簡単でしょ?」
「トールっていうと、このガキですか?」
「ガキ言うな。お前の先輩だぞ」
明らかにナメてやがる。そんなに自信があるのか。
「じゃあ、私はトールに500ドル」
「俺もトール1000ドルだ」
「俺も600」
「トールに700」
「トールに2000だ」
「OK。バルメは500、レームは1000、マオは600、ワイリは700、トージョが2000だな。じゃあ、わたしは10万ドル。もちろんトールにな」
ニヤリ、と笑うココ。
「しかし、これでは賭けにならないな。では、こうしよう。ウゴ、キミがトールに勝ったら掛け金は全てキミの物だ。頑張りたまえ」
「ココさん。いいんですか?俺、勝っちまいますよ?」
「安心しろ。トールが負けるなんて天地がひっくり返ってもない」
その言葉に火を付けられたのか、ウゴの表情が真剣そのものになる。
ココぉ。余計なこと言うなよ。勝つけど。
「それじゃ、見合って見合ってー」
互いに手を握り、腕相撲の体勢になる。
ってうお、結構力あるな。その見た目は伊達じゃないってことか。
「……GO!!」
ウゴの力が、圧力となって俺の腕に襲いかかる。
しかし、俺は顔色一つ変えない。対して、ウゴは顔を顰しかめている。
俺の腕は、びくともしない。
もはや、デュラララ!!の平和島静雄以上の腕っ節を持つ俺に、腕力勝負で勝てる人間はいないと自負している。
「じゃ、決めるよ」
一気に力を篭め、ウゴの腕を押す。
「うっ、ぐおぉぉ……」
必死に抵抗しようとするウゴだが、無慈悲にも拳がテーブルにつく。
「勝者!!トール!!」
ココの威勢がいい声が飛ぶ。
「勝負は俺の勝ちだ。だけど、あんたは今までで一番腕っ節が強い相手だったよ」
「そうか……。聞かせてくれないか?ベンチプレスは何キロなんだ?」
「んー。計ったことがないからなぁ。解んないや。でも、軽自動車までなら放り投げられるよ」
「……規格外だな」
「よく言われる」
俺達は笑った。
これが、ウゴとの出会いだった。
「レーム〜。暇だよ〜。なんか面白いことない〜?」
「ゲームがあるだろ?」
「全クリしちまったからつまんない〜」
「はぁ〜。めんどくさいな……」
とある街のホテル。
商談を終えたココ達は休息を取っていた。
「というか、なんで俺なんだ?他にもいるだろ」
「最初に見つけたから」
「なら、運がないな。俺は」
はぁ〜、と溜息をつくレーム。
トールに絡まれたからではない。
彼は気づいてないが、廊下の角からココがこちらを見ているのだ。目に影を作って。
(どう見ても嫉妬してるな、俺に)
ココの手が動く。
『こっちにトールを寄越しなさい』
『了解』
(愛されてるねぇ。トール)
新入りのウゴ以外、彼女のトールに対する気持ちに気づいている。
バルメなんて、ココに相談された時凄い取り乱していた。
『ココがあの力馬鹿にぃぃぃぃぃッ!!』
すぐに落ち着きを取り戻したが、あれは酷かった。
しかし、彼は公私をきっちり分けるタイプだ。それに、雇い主であり恩人でもある彼女に恋愛感情を抱いてはいけない、とも思っている。
バカだねぇ、とレームは思う。
そんなの、誰ひとり気にしていないってのに。
彼に自覚はないのだろうが、トールはココにできた初めての歳が近い異性の友人なのだ。
それに、あの無自覚な女たらし。意識しないほうが難しいだろう。
(さっさとくっつけよ。トール、ココ)
レームは、トールをココのほうに追いやりながらエールを送った。
「ふんっふふん、ふふーん♪」
わたしは上機嫌だった。何故なら、自分の意中の相手であるトールを捕まえれたからだ。
「ちょ、ココ!!どこ行くんだ?」
困ったようにトールが叫ぶ。
「どこって、街に行くのよ。さあ、キビキビ歩けー!!」
ふふふ、今日は逃がさないわよ。
遊び倒してやるんだから!!
上機嫌なココに連れられて、俺達は街に来た。
ここは東欧の片田舎。
海が綺麗で、海産物で有名な街。
おそらく、食べ歩きをしながら店を回るのだろう。
そんな俺の予想通り、店で食べ物を買った後、露店を回った。
「わぁー。これかわいー♪」
キラキラと目を輝かせ、子どものようにはしゃぐココ。
……やばい、超可愛い。抱きしめたくなるほど可愛い。
自分自身の気持ちには、気づいている。
俺は、ココに恋をしてるんだ。
しかし、この気持ちを伝えるわけにはいかない。
彼女は武器商人だ。余計な感情は判断に揺らぎを与えるし、彼女は雇い主であり恩人だ。
押し止めておくしかないだろう。
だけど、まぁ、プレゼントくらいならいいだろう。喜ぶだろうし。
「これが欲しいのか?」
「へ?」
彼女が見ていたのは、イルカをモチーフにしたであろうネックレス。
「払える値段だしな」
「で、でも高いよ?」
「たった20ユーロ(2100円相当)だろ?それくらい払わせろ。おっちゃん、これ買うよ」
「まいどー。兄ちゃん、彼女にプレゼントか?」
「か、彼女!?いや、わたしとト「いえ、彼女とはそんな関係ではありませんよ」……そうですよ」
あれ?ココが元気なくした。
だけど、誤解は解いておかないとな。
彼女とそんな関係になるなんて、一生ないんだろうからな。
「ほら、ココ。上を向いて」
俺は彼女の首に腕を通し、買ったばかりのネックレスを着ける。
「あ……」
「似合ってるぞ。ココ」
「えへへ」
顔を赤らめ、嬉しそうにココは笑う。
「じゃあ帰るぞ。もう遅いしな」
「ええ、そうね」
もう日が沈み、夜になっている。
これ以上外にいるのは、彼女の職種上危険だろう。
「ねえ」
「ん?」
「手、繋いでもいい?」
「いいぞ、そんくらい」
互いに手を取り、ホテルへと向かう。
顔が赤くなっていたのは、俺だけの秘密だ。
ホテルに着き、バルメに会った瞬間、彼女は叫び声を上げた。
何故だ?
新しい仲間、来る!!←リボーン風にやってみました。
特にネタがありません。強いて言えば、ISの二次小説を書こうと思ってるくらいです。
次回も、よろしくお願いします。
更新、頑張ります。