ヨルムンガンド~十人目の私兵~   作:アスラ

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前回のあらすじ

ココにキスされた。


8 空輸=危険

「はあ!?今なんて言った!?」

 

 

「今回の仕事は空輸でやるって言ったのよ」

 

 

いきなりの空輸宣言。

 

 

俺は驚愕した。

 

 

俺だけではない。

 

 

バルメ以外の全員も唖然としている。

 

 

「おいおい。ココが仕事で空飛んだらろくなことがないっていうジンクスがあるんだぞ。本気か?」

 

 

「そんなことはない。ジンクスとは人間が不安という感情が溜まった時に起こるものだ」

 

 

「ジンクスの存在は認める訳ね」

 

 

「とにかく!次の仕事は空輸でやるよ!!各自気を引き締めて!!」

 

 

「「「「「「「「「うぃーッす」」」」」」」」」

 

 

「ひ、引き締め方は各自に任せる」

 

 

緊張感のない返事にココはうなだれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の仕事はI共和国の正規軍に武器を売ること。

 

 

最近その国は紛争が激化しているらしく、武器が必要になったとのこと。

 

 

内陸国だし、陸路も封鎖されている為、空輸という方法を選択したらしい。

 

 

「ありがとうございます。ミス・ヘクマティアル。これで我が軍はまた勝利に一歩近づきました」

 

 

「いえいえ、とんでもない。今後もよろしくお願いしますよ、大佐」

 

 

ココと正規軍の大佐が話している。

 

 

今回、行きはなにもなかった。そう、行きは、だ。

 

 

「どうトール?危険なことなんて一度もなかったでしょ?」

 

 

勝ち誇ったようにどや顔をするココ。どうやら話は終わったらしい。

 

 

「確かにな。でも、気は抜くなよ。ここは紛争地域だ。何があってもおかしくない」

 

 

「解ってるわよ。さぁみんな!帰るわよ!!」

 

 

ぱんぱん、と手を叩き集合をかける。

 

 

俺達は飛行機へと乗り、その場をあとにする。

 

 

「今回はなにも起こらなさそうだねぇ」

 

 

「だから言ったじゃないですか!!ココにそんなジンクスはありません!!」

 

レームの言葉にバルメが反応する。

 

 

確かに、今回は何も起こらなさそうだ。もしかしたら、運が悪かっただけかもしれん。

 

 

 

 

 

 

同時刻、コックピット

 

 

 

「む?」

 

 

ウゴはある異変に気づく。

 

「ココさん。レーダーに反応があります。数は三。後ろにいます」

 

 

『解った。アールに確認させる』

 

 

通信が切れ、静寂が戻る。

 

 

「機長。まさか反政府軍の軍用ヘリじゃないですよね」

 

 

「……そうではないことを祈ろう」

 

 

 

 

 

 

 

「ウゴから連絡があった。レーダーに反応があったそうだ。数は三。後ろにいる。アール、ハッチを開けて確認してくれ」

 

 

「解ったよ、お嬢」

 

 

ココに呼び出されたアールは命令を受けハッチへと向かう。

 

 

「反応が三つ、ね。まさかとは思うけど」

 

 

ハッチを開け、双眼鏡を覗く。

 

 

「……おいおい、マジかよ。お嬢、聞こえますか!!」

 

 

『なに、アール?』

 

 

「完全武装した軍用ヘリです!!おそらく反政府軍です!!」

 

 

『ッ!?解った。すぐに戻るんだ』

 

 

「解りました!!」

 

 

 

 

 

 

 

「アールが軍用ヘリを確認した。数は三。おそらく反政府軍がこれ以上武器が正規軍に渡る前に武器商人わたしたちを撃墜しようという腹積もりだろう」

 

 

「迷惑千万だな。もう商品は積んでないってのに」

 

 

「しかし、他の武器商人への牽制にはなるだろう。わたしはコックピットへと向かい指示を出す。レームと……なに!?ミサイルだと!?フレア発射!!全員対ショック態勢を取れ!!」

 

 

次の瞬間、飛行機の横で爆発が起き、機体が激しく揺れる。

 

 

「くッ!!レーム、ルツ、トールは何とかしてヘリを撃墜するんだ!!」

 

 

「「「了解」」」

 

 

レームとルツは重機関銃へと向かい、俺は鋼鉄殺しを持ち出す。

 

 

ハッチを開ける。強風が舞い込む。

 

 

「ミサイルでもあったら楽だったのにな」

 

 

「ない物言ってもしょうがない。つべこべ言わずやるぞ」

 

 

「うぃーッす」

 

 

『来るぞ!!』

 

 

ヘリからミサイルが放たれる。

 

 

レームとルツがそれを打ち落とし、俺はヘリへと狙いをつける。

 

 

「対空戦に特化した『鋼鉄殺しM-KⅡ』をナメるなよ」

 

 

照準を合わせ、引き金を引く。

 

 

直前、大きく機体が揺れた。

 

 

「くそッ!!ココ、どうなってやがる!!」

 

 

『地上に山岳兵がいたのよ!!対空ミサイルを何発も撃ってくる!!』

 

 

「解った。俺はそっちの対処に向かう。レーム、ルツ。ミサイルは任せた」

 

 

「了解」

 

 

「まかせとけ」

 

 

視線を山岳地帯へと向ける。

 

 

確かに、山岳兵と思われる人間がいた。

 

 

実は『鋼鉄殺し M-KⅡ』には対空戦以外にもう一つの側面を持つ。

 

 

それは、

 

 

「超長距離射撃だよ。バカヤロー」

 

 

ババババババ!!と鋼鉄殺し M-KⅡが火を噴く。

 

 

俺は、そんなに精密射撃が得意ではない。

 

 

だから、『数撃ちゃ当たる』戦法をとることにした。

 

山岳兵は身体中に穴を空けて倒れる。

 

 

「よし、次!!」

 

 

山岳兵を探しだし、次々に射殺する。

 

 

「手伝うよ」

 

 

いつの間にかレームが隣で狙撃銃を構えていた。

 

 

「ヘリは?」

 

 

「全部墜としたよ。いつ新手が現れてもいいようにルツが警戒してる」

 

 

「解りました。助かります」

 

 

「いいってことよ」

 

 

レームの援護もあり、どうにか山岳地域を抜けて国外へと脱出できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐすッ、私のせいじゃないもん。運が悪かっただけだもん」

 

 

国外へと脱出できたやいなや、ココがべそをかきはじめた。

 

 

「大丈夫です、ココ。本当に運が悪かっただけです」

 

 

すかさずバルメがフォローに入る。

 

 

さすがだ、アネゴ。

 

 

「あー、気にしなくていいぜ?こうしてみんな生きてるんだし。なぁ、みんな」

 

 

うんうん、と頷く一同。

 

 

「みんな、ありがとう。……じゃあ、今度からバンバン空輸するぞー!!」

 

 

「「「「「「「いや、それだけはやめてくれ!!」」」」」」」

 

 

ココの発言にすかさずツッコミを入れる俺達だった。

 

 




今回は短いし、疑問に思う人も多いかもしれませんが、大目に見てくれるとありがたいです。

次は、早めに更新するつもりです。

これからも、よろしくお願いします。
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