ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか 作:フリーク
気づくと、外に出ていた
正直これは賭けだった
さっきやったのは、黒魔法の『エスケプ』だ
効果は『ダンジョンから脱出させる』だ
マッブ名がダンジョンだったから出来るとは思っていたが実際に魔法が使えるのは少し違和感を感じる
ふと、周りを見ると沢山の人がこっちを見ていた
まあ、確かにいきなり人が現れれば驚くか…
そう結論づけて俺はそこを離れた
◇◇◇
俺は今大きな市壁の上に立っている
眼下には神殿や、闘技場など巨大建造物が見える
それだけここが高いのだろう
だが奥にはそれを越える大きな、塔がそびえ立っていた
塔の名前は『バベル』といい、神々が住んでいるようだった
だからバベルを抜いて市壁は一番高い建造物ということだ
だから俺は現状を確認することにした
アイテムはゲームのままだった
しかし、収納出来るアイテム数が80から???に成っていた
どう考えても『無限』に収納出来るのだろう
しかも、モグサックや、モグ金庫などからアイテムが取り出せるようだ
それに、倉庫として使っていたアカウントの方からも、取れるみたいだ
次はジョブなどだ
ジョブレベルはカンストしていた
だが、ジョブスキルや魔法などが全て使えるようになっていた
恐らく今使っているジョブが『全て』なのだろう
そのせいか装備も全てのジョブをつけることができた
最後にメニューだ
ログなど、至って普通だがメニューの中に『転移』というものがあった
それを選択すると『モグハウス』『モグガーデン』『神界』というのがあった
恐らくそこで寝泊まりが出来るのだろう
今日は早めに寝ようとモグハウスを選ぼうとすると、不意に視線を感じた
視線を感じたところを見ると、バベルからだった
だがそれも、直ぐに止んだ
気のせいかと思いながら、そこから姿を消した
◇◇◇
「あの子…おもしろいわ…」
そんな声がバベルより静かに響いた
◇◇◇
翌日俺は街を歩いていた
正確には、姿を消して屋根の上を走っていた
前日モグハウスに帰ってからアイテムの効果を検証していた
それは、プリズムパウダーと、サイレントオイルだ
どちらも、説明の通り体に塗って見ると姿が消え音が無くなった
そのお陰で、誰にも見られずに街を見ることができた
ダンジョンのある都市オラリオは凄く大きく、全部を見るのは無理なようだ
◇◇◇
しばらくすると、二つの効果が切れそうになっていた
急いで路地に入るとそこでは
「やめてください!!」
そこでは薄鈍色の髪を結びエプロンを着けていた少女が、男逹に絡まれていた
「良いだろ嬢ちゃん」
「だからやめてください」
「そんな事言わずによ~」
「俺達と来たらイイコトしてやるぜ~」
なんというかいかにもな状況だな
「だから俺達とグハッ!」
あまりにも男逹の言動に苛ついてつい手が出てしまった
当然攻撃をしてしまえば透明化や消音が消えてしまい、俺の姿が現れた
「テメエいつからそこグハッ!」
「ちょっとうるさい」
「おい、お前グヘェ!」
直ぐに三人を無力化した
やはり、レベルカンストのせいか、力などが以前よりも上昇しているようだ
壁にめり込んだりしているのは目をそらしたいものだが…
「あの…」
声を掛けられ振り向くと、先程絡まれていた少女がいた
髪と同色の瞳を持つ少女は恐らく美人の部類に入るだろう
「大丈夫だった?」
「はい、助けてもらってありがとうございます」
「いえ、別にッ…!」
殺気を感じ後ろを振り向くと、彼女と同じエプロンを着けた少女が立っていた
「貴様、シルをッ!!」
その掛け声と共に少女は木刀を刺してきた
それが普通の少女の突きなら良いのだが、それは明らかに普通を越えたスピードだった
急いで後ろに跳び間合いを取ると、少女は木刀を構えた
それに触発されるように剣を抜こうとすると、
「ちょっとストップ、リュー!」
そんな声が後ろの少女から発せられた
リューと呼ばれた少女は決して構えを解かなかったが明らかに困惑していた
「だが…」
「違うの、彼は私を守ってくれたの」
「そうなのか?それはすまない」
すると彼女は構えを解きこちらに近づいてきた
「先程はすまなかった」
「別にいいよ、そんなに気にしてないし」
「私の名前はリューという。あなたは?」
「俺はクラウドだ」
そんな感じで自己紹介をしていると
「ずるいわよ、リュー!」
と後ろの少女が言ってきた
いや、ずるいって何が?
「私の名前はシルって言います。さっきは助けてくれてありがとうございました」
「別にいいよ、そんなこと。それじゃあ、また」
そう言い立ち去ろうとすると
「私達、豊穣の女主人っていう所で働いています。できれば来てください!!」
と、シルが言ってきた
「わかった。今度行くよ」
と返事を返し、路地を出た