ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか   作:フリーク

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第3話

<豊穣の女主人にて>

 

「楽しんでますか?ベルさん」

「圧倒されてます…」

 

シルからの問いに彼はそう答えるしかできなかった

何せ300ヴァリスも食事で使ってしまったからだ

 

だいたい、一食は50ヴァリスあれば足りるのだ

しかしそれの倍以上を使ってしまい本人、ベル・クラネルは今になって後悔していた

 

「それにしても、シルさん。こんなところにいてもいいんですか?」

「大丈夫です、ちゃんと休憩を取っているので」

 

そう微笑みながら言っていたが、厨房の中から何か悲鳴のような声が聞こえた

…多分気のせいだろう

 

そう思っていると、店に団体の客が入ってきた

その中には様々な種族が入り交じっていたがどれも、歴戦の戦士を思わせるものだった

そこには、先程ダンジョン内で会っていた金髪の少女がいた

 

「あの、シルさん。あの人逹は?」

「あれは、ロキファミリアの団体さんです。うちのお得意様なんですよ」

 

そんな説明を聞きながら僕は、彼らを見ていた

彼らは、一つのテーブルに座り、

 

「ダンジョン遠征みんなごくろうさん!今日は宴や!みんな飲めェ!」

 

一人の人物が音頭をとると、彼らは騒ぎだした

酒場に来ていた他の客もそれと同時に騒ぎだした

 

「なぁアイズ、さっきの話もう一度聞かせてくれよ」

「何の、話?ベート」

 

ベートと呼ばれた狼人がアイズに聞いていた

 

「ダンジョンで出会った幽霊の話に決まってんじゃねぇか」

 

その話を聞いていると何となくベートが聞いていた事がわかった気がした

 

「んー?何の話や」

「ちょっとそれ気になる!」

「気になるね」

 

同じテーブルを囲んでいたロキファミリアの面々も、その話に興味を持っていた

 

「下層から逃げ出したミノタウロスを全部撃破してアイズのところに戻って見たらよォ、アイズが『目の前から、人が消えた』なんて、おかしすぎるだろうよォ。」

「だから幽霊か…」

 

その後もその人物について話していた

だが、全て彼を『幽霊』としか話していなかった

 

周りで聞き耳を聞いていた客も、興味を無くしたかのように普通に騒ぎだした

 

そして、彼は言ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダンジョンに幽霊なんてのはいねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それは違う!!』

 

気づくと僕は声に出していた

しかも僕だけじゃなく、アイズさんも言っていた

店内が静かになり、視線が集まった

 

「アァ?誰だよてめぇ」

 

怒りが籠められているのかその声で僕は冷や汗をかいてしまった

だけど…

 

「て、訂正してください!あの人は絶対にいますッ!!」

 

訂正してほしかった

あの人は確かに僕を助けてくれた

だから、あの人が『居ない』なんて言って欲しくなかった

 

「だがよォ、あのあとおめェは見てねェんだろ」

「そ、そうですけど…」

 

「ううん、あの人は、確かにいたよ、ベート」

「ああン、オメェもかよ、アイズ」

 

アイズさんもあの人がいたと言ってくれるようだ

 

「じゃあ、証明してみろよォ。そいつをここに連れてこいよォ」

 

そんな言葉に肩が震えてしまった

アイズさんも強く手を握りしめていた

 

いつの間にか店内の空気が凍っていた

全員食べる事すらできずただ固まっていた

 

すると、奥からドワーフの女性を先頭に店員の人達がカウンターから来ていた

そして、ドワーフの女性が大きく息を吸い込み始めた

何故か周りの客が耳を塞ぎ始めた

 

そこでやっとわかった

 

…アレハ、ヤバイと…

 

大きく息を吸い込み、声を出そうとした

 

「おま…」

 

『すいませーん』

 

女性の声を遮るように声を出したものがいた

全員の目が発せられた方向に向いた

 

 

そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、ここじゃなかったっけ豊穣の女主人?てか、何この空気…」

 

僕を助けてくれた人がいた…

 

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