さてと
なんとか生き残ったわけだが
生き物が生きるためには食料が必要だ
んでもって俺には手持ちの食料はない
住んでいた場所は奴らに襲われて壁やらなんやらが壊された
今頃は劇的ビフォーアフターを遂げて
開放的な空間になっている頃だろう
つまるところ戻るって選択肢は無いわけだ
取り敢えずこんなしょうもないこと考えてねぇで食料を探すか
「おっ ラッキー」
思わず声が出ちまったが本当に運が良い
咄嗟に飛び込んだこの建物は元々民家だったらしく
携帯できる保存食なんかを見つけることができた
節約しながら使えば恐らく3日は保つ・・・はずだ
他にも野菜なんかを見つけたが全部腐ってて使えそうにない
まぁ当たり前だよな
当然水道やらなんやらの生活ラインは整ってない
つまり水は手持ちのものでやりくりする他ない
状況を整理すると
今現在の俺の持ち物は
鞄
スタングレネード2つ
ライター
水筒(約1L)
拳銃(残弾5発)
保存食(3日分)
・・・まぁこれだけあれば数日はなんとかなる
ちなみに拳銃は結構前に拠点代わりに使っていた場所で手に入れた
どうやら旧時代の警察なんかに関係する施設だったらしく
なかなか興味深い物もあったが・・・奴らに通用しない物ばかりだからな
火種になるライター以外は置いてきた
拳銃は人間相手になら脅しなんかに使えるし
携帯するうえで邪魔にならないから持っている
水筒は雨水を溜めたもの
スタングレネードは奴らに唯一対抗できるゴッドイーター達が落としていったもので
所謂不発弾という奴だ
こういうものは多少いじれば使えるようになる
大抵は戦闘中に泥が詰まったりするのが原因だからだ
常に最悪の事態を考えて必要なものを鞄に詰めておいたのが良かったな
これも生き残るための知恵ってやつだ
食料は吹き飛ばされたときに落としちまったが結果オーライだろう
さて・・・状況はある程度再確認できたがここからどうするか
今すぐに動くのは論外だろう
体力的に俺が保たないうえに
外が暗くなってきている
夜に行動するのはバカのすることだ
なにせ暗くて周囲をまともに確認できない中で動くわけだ
そんなことをしてりゃあすぐに死ぬ
奴らのなかには視覚情報を使わず聴覚や嗅覚だけで
餌を探すようなものもいる
そんなやつに遭遇したら夜の闇の中では即死だろう
明かりがあれば良いが街灯なんざない
自分でライトを持つのもありえない
そんなことをしたら視覚を使う奴まで寄ってくる
つまり今の俺に出来るのはここで一夜を過ごし
夜明けと共にできるだけ奴らの少ない場所に逃げることだ
そうと決まれば寝てしまおう
休めるときに休まなければいざというときに動けない
これも生き残るのに必要なことだ
最悪だ・・・・
今俺は猛ダッシュ中だ
いやぁなんだその・・・うん
夜明けまでは見つからずに済むだろうとか思ってたんだが
甘かったな
・・・・・・畜生め・・・
睡眠をとっていた俺を起こしたのは強烈な死の予感と
壁の崩れる音
・・・そして獅子のような貌の巨躯
たしか・・・ヴァジュラと呼ばれる化け物だ
奴の速さはオウガテイルの比じゃない
加えて奴は電撃を飛ばす
人間がまともに受ければ間違いなく即死
ゴッドイーターであっても大怪我は免れない
「クソッタレが・・・」
悪態をつく
そんなことをしても意味はないが
このくらい言ってないとやってられねぇ
即時に窓から飛び出して走る
建物の影に隠れつつ奴から遠ざかる
後ろから建物の崩れる音がする
喰われるッ!!!
それがどうしようもなく俺の恐怖を煽ってくる
無視だ
これが俺の足をすくませる原因になるなら
俺は自分の感情に蓋をする
「慣れたもんだ」
このくらいの感情の制御は本当に慣れたものだ
思考がクリアになる
現状奴からなんの考えもなしに逃げるだけじゃあ殺される
ならスタングレネードを使うか?
まだ早い
あと2個しかないんだ
コイツはできるだけ奥の手として取っておきたい
本当にどうしようもなくなったときに使おう
とにかく奴の足止めに使えるものを探せ
持ち物で使えそうなものはライターくらいか
取り敢えずこれを持っておこう
単純な火じゃあ奴にダメージは入らないし足止めにもならない
コイツを使って建物に生き埋めにするしかない
近くに木造の建物はーーーーーー
あった
最悪の運勢かと思ったが
どうやらまだ俺にも運が残ってたらしい
丁度奴の巨躯が収まるくらいのサイズだ
そこに飛び込み柱に火を付けていく
丁度全部の柱を燃やしたと同時に奴が壁を壊しながら突っ込んできた
「容赦ねぇなぁ・・・クソがッ・・・」
建物の裏口部分から即座に逃げる
柱が全部燃えたうえに壁が壊されたせいで耐えきれなくなった建物は一瞬で崩れた
「本当に化け物だなぁ・・・おい・・・」
稼げた時間はどうやらほんの数秒程度だったようだ
だがそれで良い
それだけあれば隠れるには十分だ
これで奴は俺を見失った
更に辺りは建物が焼けたせいで焦げ臭い
奴の嗅覚は使えないはず
つまり餌を探すのに使えるのは聴覚のみ
あとは俺が音を出さなければなんとかなる
・・・・・・・・・勝った
完璧だ
俺が内心でほくそ笑んでいるのをよそに奴は・・・
辺りの建物を片っ端から壊し出した