IS 女神と少年の物語【作者の受験により投稿停止中】 作:シアン
お気に入り人数も48人となりました。ありがとうございます!
今回からオリジナル展開です。
戦闘描写は下手くそです。すみません。
では、どうぞ!
クラス対抗戦当日。
あの訓練の日の夜、一夏は凰と喧嘩したらしく、話をしているのを見ていない。というか、凰が一方的に一夏を避けている。一体何をやらかしたんだか。
クラス対抗戦の初戦は2組となっていて、いきなり凰と当たる羽目になっていた。都合がいいのか、悪いのか。
だが、凰との戦いはなくなった。今さっきクラス対抗戦を中止にするとのアナウンスが流れたからだ。加えて、専用機持ちは会議室に集合しろとのことだった。
「ただ事じゃないな……」
専用機持ちの召集は滅多な事では行われない。そもそも、ISは一体一体が国家戦力となる兵器だ。その専用機持ちが召集されるとなっては、よっぽどの事があったと言うことだろう。
「嫌な予感がしますね」
先ほど合流した一夏達は何も言わない。普段には無い緊張感が専用機持ちの面々に漂っている。
場所は会議室の前である。まあ、考えてても仕方ない。とりあえず中に入ろう。
「1年1組千代紙夕音、その他専用機持ち到着しました。入室許可を」
「了解、入れ」
「失礼します」
扉が開かれたので会議室に入る。織斑先生が険しい表情をして立っていた。険しいだけではない。緊張と真剣さが入り混じったかのような表情をしていた。
「全員、集合したな。それでは、話を始める。クラス対抗戦が中止になったのは聞いているな?」
「はい、アナウンスが流れていましたので」
シアが答える。
「その理由だが……IS学園近郊で、戦闘が発生した。それもIS同士のだ」
「「「っ───!?」」」
全員が息を呑むのがわかった。俺とシアはそれなりに場数を踏んでいるので、驚きはあるがそこまででもなかった。
「現在、先行している現日本代表と2年、3年の専用機持ちが戦況を抑えているが数が多く対処仕切れていない。近隣住民には、まだ被害が出ていないが……状況的にこのまま抑えるのは厳しいと結論された。よって、1年専用機持ちは直ちに戦場に急行し加勢せよ、とのことだ」
「そんなっ……私、実戦経験も無いのに」
凰がそんなことを言う。実際、ISの実戦経験があるものなどほとんどいないだろう。俺達のような例外、国の代表や、ISのテロリストぐらいのものだろう。
「私もお前達を危険にさらしたくはない。が、これは国の指令だ。断ることはできん」
そう言う織斑先生の顔には苦悩が浮かんでいた。
「織斑先生、数が多いとは一体? まさか……無人機ですか?」
俺が質問をする。織斑先生は数が多いと言った。ISにおいて数が多いということは有人機では無い可能性が高い。それ程までのIS搭乗者を集めることが難しいからだ。
「……そうだ。今回の相手は無人機、人の乗っていないISだ」
「「「っ───!?」」」
再び、俺とシア以外の専用機持ちが息を飲んだ。それもそうだろう。『ISには人が乗らないと動かない』という概念が崩されたのだから。
「そんなっ!? 人が乗らないISなど存在するはずがありませんわ!」
「存在するさ。今、こうして出てきてるんだからな」
「それは……」
信じられないのも無理はないか。
「……話を続けるぞ。相手は無人機、詳しいスペックデータはお前達のISに送ってある。移動しつつ見ろ。そして、相手はもう一ついる。……これだ」
スクリーンに写真が映し出される。その写真は……
「なっ……こいつは……!?」
その写真を見た瞬間、俺は思わず声を上げていた。
「ユウ……?」
「どうした? 千代紙」
シアが訝しげに呟き、織斑先生が疑問の声を上げるが、俺にはそんなこと聞こえていなかった。
「何で……何でこいつがここに……!?」
動揺を隠せない。何故なら、スクリーンに映ったその姿形は俺のよく知るものだったから。
怪しく光るツインアイ、額のブレードアンテナ、全身のビーム砲、漆黒の巨体その全てが俺の記憶と一致する。
「……ウ、ユウ!」
「───っ! ごめん、動揺した」
「何があったのか説明してもらえるか?」
「はい。……あれを、あの殲滅兵器を俺は知っています。俺の記憶道理のものなら」
「何………?」
「あれは『サイコガンダム』。巨大殲滅兵器にして、Iフィールドと呼ばれる特殊兵装によりビーム攻撃がほぼ聞かない。まさに、悪夢のような存在です」
そう、『サイコガンダム』。俺が居た世界において、Zガンダムに登場する巨大殲滅兵器。
「サイコガンダム? それにビームが効かないだと?」
「はい。正しくは、一定威力までのビーム攻撃を無効化します。ビームサーベル等の近接ビーム兵装ならば突破が可能ですが、ビーム砲となるとほとんど効果がありません」
「……なる程。その情報は確かなんだな?」
「俺の記憶のものならば、間違いなく」
「わかった。その情報は戦闘を行っている、専用機持ちにも送っておく。そのほかに、知っていることはあるか?」
「……先ほど近接ビーム兵装ならば突破が可能と言いましたが、全身のビーム砲により接近はかなり難しいものです。全身に10以上付けられていますから」
「そんなの、馬鹿げてるだろ……」
一夏が呟く。同じ感想だよ、一夏。俺も初めて見たときはそう思った。
「他に方法が無いという訳ではないですが、初見では難しい方法です。なので……そいつの相手は俺がします」
「……勝算はあるのか?」
その返答に俺は不敵な笑みを浮かべた。
「当然。負ける戦いはしない主義ですから」
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「なあ、夕音。お前は何者なんだ?」
会議室を出てISスーツに着替えている時、一夏が聞いてきた。
「ん? 何者って言われてもな……」
「あの殲滅兵器の名前やスペック、無人機の存在も知ってるみたいだったじゃないか」
「そうだな……よし、こうしよう。一夏、お前は強くなれる。だから、俺に追いつけ。その時、お前の質問に答えてやるよ」
そう言って、ニヤリと笑ってやる。一夏は目を見開いていたが、ニヤリと笑い、言った。
「そうかよ。なら、とっとと追いつかないとな」
「ああ、追いついて来い」
そう言って、ふたりで部屋を後にする。今回の任務はなかなか難しいものだ。けど、やれる。俺達なら。
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神無月 夜華side
「くっ……」
また一機味方が墜とされた。IS学園の生徒だろうが、助けに行ける余裕は無い。
今まで、日本代表としてそれなりの場数を踏んでいる私だが、ここまでの戦闘は初めてだった。専用機である『四季菊』の戦闘持続時間の限界にはほど遠いものの、集中力は着々と限界に近づいてきている。
既に戦闘が開始されてから1時間。10機以上の無人機を墜としたが、まだ50機はいる。味方もほぼ墜とされていて、残るは数機のみ。
「っ!?」
思考は隙を生む。その隙を無人機が、プログラムされたAIが見逃すはずがない。
背後から凶刃が迫り、前方2方向からビーム砲で狙われている。
(拙い! やられる!?)
刹那、3本の火線が無人機を貫いた。的確にコアを貫き、無人機は爆散する。
(なっ……誰が!?)
振り向こうとした視線を追い越すように白い影が躍り出る。
『遅くなった。IS学園1年1組、副クラス代表 千代紙 夕音。救援要請を受諾し参上した』
「千代紙 夕音……? 1年の副クラス代表……? 貴方がさっきの無人機を……?」
『ああ、そうだ。現日本代表 神無月 夜華さん』
この行動だけで彼女は目の前にいるISとISパイロットの実力を理解した。
ロックされていれば無人機は回避行動を行うはずだ。しかし、先ほどの無人機はそんな素振りは見せなかった。これが意味するのは、無人機の索敵範囲外から狙撃したと言うこと。しかもコアを的確に狙ってだ。
その後、ここまで接近してきたのだろう。
だがそうするとよほどの射撃能力を持っていて、一瞬で接近するほどの機動力があると言うこと。
政府から彼の噂は聞いていたが、まさかこれほどのものとは……。
「救援感謝するわ。見ての通り戦況は厳しいものよ……背中、預けても大丈夫かしら?」
彼の実力を信じての言葉だった。彼は今ここに居る誰よりも強い。私よりも強いかも知れない。
『勿論。最も、預かるのは俺だけではありませんが』
彼がそう言った途端、背後から複数の火線がのびた。それは、無人機を蹂躙するように横凪した。
多くの無人機はそれを躱したが、続く雨のようなようにのびる火線により蹂躙された。
この数秒の間に無人機はその数を10程度まで減らしていた。
「す、すごい……これが1年生の実力なの……!?」
2年、3年の生徒よりも明らかな実力がある。
『さて、殲滅戦といこうか』
彼はそう呟くと一瞬で視界から消えた。ハイパーセンサーで確認して、ようやくわかるほどの加速だった。
「負けてられないね、これは」
バススロットから『夏』の装備を取り出し、換装する。
『四季菊』の最大の特徴である『換装』は、こと持久戦において大きな効果をもたらす。
『換装』とは、一括りにされた装備一式をバススロットからコールし、装備するというものだ。いわば、複数のパッケージをバススロットの持っているようなものだ。
そのため、いかなる敵にも、状況にも対応出来る最強の万能型といえる。
詳しく言えば、『春』『夏』『秋』『冬』の4つの換装装備があり、それぞれ『万能型』、『攻撃特化』『機動力特化』『防御特化』という仕様になっている。それぞれの換装装備には大容量シールドエネルギーバッテリーが着いているため、「不沈」という異名を持っている。
「やってやるわよ」
先ほどの攻撃を見て興奮しているのかも知れない。限界に近づいていたはずの集中力は既に回復していた。
私は、勢いよくスラスターを噴射し、戦場に身を踊らせた。
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千代紙 夕音side
シアとセシリアの援護射撃によって、無人機はその大半が破壊され残るものも既に駆逐されようとしていた。
しかし、無人機の中に一機、形状が異なるものがいた。カラーリングもさることながら、モノアイではなくバイザーでそもそも、武装が腕に連結されていない。一言で言えば、有人機。そんな印象を受けた。
その機体はその場から動かず、こちらの戦いを傍観しているようだった。
残りの無人機が10を切った時、それは動いた。生き残っていた2年の機体を吹き飛ばしたのだ。
『うあぁぁぁぁあああ!?』
物凄い勢いで地面に撃墜された。ISの絶対防御によって怪我は無いだろうが、気絶はしているだろう。
更にその機体は3年の機体を撃墜し、こちらに標的を移した。
「ちぃ!」
一般的な機体なら避けることも出来ないほどの速射だ。が、その無人機らしき機体はそれを躱してガトリング砲を発砲する。
「っ! ──セシリア、ビットを!」
『わ、わかりましたわ!』
ガトリングをビームシールドで防ぎ、
しかし、そいつはシールドを展開。真っ正面に突っ込んできた。ダメージを無視しての特攻。ビームサーベルを掲げてこちらへ迫る。
それは俺が考え得る限りの最善の策。俺が同じ状況になればするであろう行動。
「───っ!」
「く……!」
撤退していく。追撃はしない。できない。
破壊した右足、その装甲の内部に足を見た。間違いなく、生身の人間の足だった。
「千代紙くんで良いかしら? 後は任せて貰って良いわ。早くあの巨大殲滅兵器を破壊して。貴方にしか出来ないのだから」
「了解。ここは任せます」
(あれは確かに人間の足だった。ならあれは有人機、一体何者なんだ……?)
この事件の首謀者か? 自らが前線に立つのか?
『ユウ、行きましょう。目標は目の前です』
「……ああ、行こう。あいつの居る場所に」
「あいつ」と言うのが、サイコガンダムのことなのか、あの有人機のことなのか自分でもわからない。が、はっきりしたことがある。考えていても仕方が無い。考えて駄目なら確かめるのみだ。撤退方向からして、サイコガンダムの方に向かったのは間違いないはずだ。
今は考えずに進むだけだ。
今回のオリジナル機体説明
四季菊 (しききく)
多数の武装を持ち、換装機能によりいかなる状況にあっても対応が可能な万能機。『春』『夏』『秋』『冬』の換装装備がある。現日本代表の神無月 夜華の専用機。
『春』 万能型。装備はビームライフル、バズーカ、実体シールド、ビームサーベル×2、追加スラスターとシンプルなもの。
『夏』 攻撃特化。武装はビームバズーカ×2、レール砲、強化型ビームサーベル×4、小型シールド、追加スラスター。
『秋』 機動力特化。武装はビームライフル×2、ビームサーベル×2、追加スラスター×5となっており、まさしく機動力特化という具合。
『冬』 防御特化。武装は実体シールド×6 ビームサーベル×2 バズーカと言った具合。アンロックユニットすらもシールドと接続させ、防御に回している。
それではまた次回(。・ω・。)ノシノシ