IS 女神と少年の物語【作者の受験により投稿停止中】   作:シアン

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シアン「すみません、皆様。たいへんお待たせしました。やることが増えて書く時間が少なくなりまして……」

夕音「まあ、時間を有効活用することだな」

シアン「まだ居るんだ……」

シアラ「ふふっ、読者の皆様。これからもよろしくお願いしますね! では、どうぞ!」

シアン&夕音「!?」




黒い欲望と、痛む心
3人目の男子


「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ」

 

「うーん、でもハヅキ社製のはデザインだけって感じがするし……」

 

「予算もあるからあんまり高いのも無理だしねぇ」

 

 月曜日の朝。カタログを持った女子達がわいのわいのの談笑している。そう、俺達の周りで。囲まれてるのだ、俺と一夏が。

 なる程、これが石兵八陣、孔明の罠か(錯乱)

 女子で周りを囲むとはなんて策士なんだ! あ、普段からか。

 

「そういえば織斑君と千代紙君のISスーツってどこのやつなの? 2人とも見たことない型だけど」

 

「あー、俺のは特注品だって。男のISスーツがないから、どっかのラボが作ったんだと。もとは……たしかイングリッド社のストレートアームモデルって聞いてる………って、あれ? 皆、どうしたんだ?」

 

 周りにいた皆が口を開いてポカンとしている。無論、俺もだ。

 

「お、織斑君が……」

 

「ISの知識を……」

 

「な、なんで……!?」

 

「皆、ひどくないか!?」

 

 流石の一夏も涙目だ。いや、男の涙目って誰得だよって思ったけどね。取りあえず、フォローしておこう。

 そう思って一夏の肩に手を置く。

 

「ん、夕音? どうしたんだ?」

 

「一夏……頑張ったな」

 

「このクラスに味方がいない……!?」

 

 あれ? 追い打ちかけた? 俺。労ったつもりなんだがなぁ。

 なお、後ろで「はぁはぁ、織斑君の涙目……夕音君×一夏君で決まりね……! はぁはぁ」とか聞こえた。

 どうやら大分前に建てたフラグが回収されたようだ。一夏の涙目は腐女子得だったらしい。

 後、俺と一夏でカップリングするな。撃つぞ。

 

 

**********************

 

 

「なんと今日は転校生を紹介します! しかも2人です!」

 

 朝のSHR。

 ほぅ、転校生か。そうか………なんで内のクラスなんだ。

 いや、別に嫌なわけじゃない。ただ、分散させるもんじゃないのかと思っただけだ。

 何かしらの事情があるんだろうけど。

 さて、耳を塞ごう。

 

「「「「えええええええええっ!?」」」

 

 うん、最近もう慣れてきた。このテンションに。まだ、入学してから2カ月なのに慣れてしまった。大丈夫か、俺。

 

「失礼します」

 

 そんな事を考えていたら、教室のドアが開く。それと同時に喧噪がピタリと止まる。

 なぜか。それは、入ってきたふたりのうちひとりが、男子だったのだから。

 

**********************

 

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

 

 そう言って、ペコリと一礼する。

 一言で言えば柔らかい。そんな雰囲気がする。

 

「だ、男子……?」

 

「はい、こちらに同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を───」

 

「きゃ………」 

 

 まずいな。第二波が来るぞ、これは。それに加えて、第三波。この声を聞いた他クラスの女子達がこの後、襲撃に来るだろう。まさか、三体目の客寄せパンダが来るとは思わなかった。

 SHRが終わったら、速攻で移動しよう。俺はまだ、死にたくない。

 

「きゃああああああああ────!!」

 

 うん、耳を塞いでいてもわかる。いつも以上にでかい。窓ガラスご割れないか心配になるほどだ。

 ちなみに、ガラス製のコップに一定の周波数の音を当て続ける事で、声でも割ることが出来るらしい。うん、どうでも良いな。

 そんなくだらない事を考える俺をよそに、クラスメイト達は更に盛り上がる。

 

「男子! 三人目の男子!」

 

「しかもうちのクラス!」

 

「美形! 守ってあげたくなる系の!」

 

「グ腐腐腐腐……カップリングが増える……いや、3Pも……」

 

「地球よ、ありがとう。神よ、ありがとう!」

 

 おい、待て。またよからぬ事が聞こえた。何でめきめき頭角を現してくる、腐女子。

 

「あー、騒ぐな。静かにしろ」

 

 心底面倒臭そうにぼやく、織斑先生。お疲れ様です。今度、息抜きに博士と電話でもさせてあげようか……

 

「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わってないですから~!」

 

 その声で、皆ハッとする。忘れていた訳ではない。というか、忘れられない。無造作にのばされた銀髪。カスタマイズされた制服も、完全に軍服のそれだ。まんま、軍人。少なくとも、軍事関係者だろう。そして、

 

「……………」

 

 無言である。腕組みをして、クラスメイト達をつまらなそうに見ていた。

 そして、今はその視線を織斑先生の方に向けけいた。

 

「……挨拶をしろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

「……………」

 

 今度はクラスメイト達がだんまりである。うむ、静寂だ。

 

「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」

 

「了解しました」

 

 なる程……ドイツか。織斑先生は訳あって一時期ドイツで教官をしていたことがある。教官と呼ぶからには、奴はドイツの代表候補生と言ったところだろう。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「…………」

 

 ……これはひどい。一夏の更に上をいっている。

 

「あ、あの、以上……ですか?」

 

「以上だ」

 

 山田先生をいじめるなよ……。泣きそうな顔をしてるじゃないか。かわいそうじゃないか。

 

「!! 貴様が───」

 

 そう言うと、つかつかと一夏の方に近づいて、

 

 ヒュッ! ガシッ

 

 平手打ちを放とうとして、その手を一夏に掴まれ、止められた。

 

「いきなり何だ?」

 

 まさか、止められるとは予想外だったのか驚いた顔をしていたラウラ・ボーデヴィッヒだが、直ぐに手を振り解く。

 

「……私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

 

 それだけ言うと、自分の机に座り黙って腕を組んだ。

 なんだこれ? 急展開過ぎて、皆ついて行けてないぞ。なんで内のクラスは問題児ばっかりなんだ。

 

「あー……ゴホンゴホン! ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。二組とIS模擬戦闘を行うぞ。では、解散!」

 

「よし、行くか一夏。デュノアさんも着いてきてくれ。時間が惜しいから歩きながら話すぞ」

 

「う、うん……」

 

 さっきと違い落ち着かない様子のデュノアさんに、一夏が言う。

 

「どうした? トイレか?」

 

「トイ……っ違うよ!」

 

 そうして、教室を出たのだが……

 

「あっ! 噂の転校生!」

 

「「「「「なんだって!?」」」」」

 

 まずい。このまま波に飲み込まれては授業に間に合わない。

 

「………一夏」

 

「…やるしかないよな………」

 

「えっ? えっ?」

 

 廊下が塞がれてるのなら仕方がない。

 

「ちょっと失礼するぞ!」

 

 そう言って、デュノアさんを肩に担ぎ上げる。

 

「えっ!? な、何!?」

 

「夕音!」

 

「ああ!」

 

 俺が担ぎ上げている間に一夏が窓を開ける。そして……

 

「よっと!」

 

「へっ? ……きゃぁぁぁぁあああ!?」

 

 飛び降りた。

 

「せーの!」

 

 地面に足で着地すると、そのまま跳躍。半回転して片手を地面につき、さらに1回転して着地する。

 勢いを殺さないとさすがに痛いからな。

 

「だりゃぁ!」

 

 一夏もご到着のようだ。大幅なショートカットになったな。うん、良いことだ。

 

「…………な、なにがあったの?」

 

 恐る恐るといったように、デュノアさんが聞いてくる。

 

「おっと、担いだままだったな。悪い」

 

 そっとデュノアさんを下ろす。

 

「あのままだと、女子達に捕まってもみくちゃにされてただろうからな。やむを得なかったんだが……すまない」

 

「い、いや。大丈夫……。ありがとね」

 

 そう言って、笑ってくれるデュノアさん。天使か……

 そうして、歩きながら自己紹介をすることにした。

 

「さて、自己紹介が遅れたな。俺は千代紙 夕音。好きなように呼んでくれ。よろしくな、デュノアさん」

 

「俺は織斑 一夏。一夏って呼んでくれ。よろしく」

 

「うん、よろしくね。僕はシャルル・デュノア。2人とも、シャルルって呼んで」

 

「わかったよ、シャルル。……っと、着いたな」

 

 そうこうしている内に、着いた。ショートカットのお陰で時間は余裕がある。

 

「にしても、2人とも凄いね。三階から飛び降りたのに無傷なんて。夕音なんて僕を抱えてたのに」

 

 どうやら、俺の呼び名は夕音になったようだ。

 

「まあ、ね。訓練してるからな」

 

 一夏には、護身術もみっちりと教え込んでるからな。

 

「さて、時間に余裕もあるけど早いとこ着替えるか」

 

「それもそうだな。あれ着にくいしなぁ。引っかかって」

 

「ひ、引っかかって?」

 

「おう」

 

「………」

 

 何で顔を赤くしてるんだ。変な奴だな………

 

「いいから着替えるぞ」

 

「おっと、そうだった」

 

 そう言って、制服とTシャツを一気に脱ぎすててる、一夏と俺。

 

「わあ!?」

 

「どうしたんだ?早く着替えないと遅れるぞ」

 

「う、うんっ? き、着替えるよ? でも、その、あっち向いてて……ね?」

 

「俺も一夏も人の着替えをじろじろ見る趣味はないよ」

 

 そう言って、ズボンも脱ぐ。

 

「わあ!?」

 

 本日二回目の声と共に後ろを向くシャルル。…ふむ……。

 まあ、いいや。とりあえず着替えるのが優先だな。下着も脱ぎ捨てると、ISスーツを体に通す。

 俺のISスーツは博士の特注品。何でも、伸縮自在の素材を使っているとかで、着るときはダボダボだが、首の辺りにある器具をずらすと、肌に密着するのだ。着るのが楽でいい。脱ぐときも同様にすればすぐに脱げる。便利だな。

 カシュッと言う音と共にISスーツが肌に密着する。

 

「ふぅ……」

 

 なので、着替えるのが早い。一夏はまだ腰の辺りまでしか着れてない。シャルルは……もうほぼ着れてる。早いな。

 

「やっぱ、着にくいなぁ。夕音のが羨ましいよ」

 

「シャルルはもう着れてるけどな」

 

「うわ、着替えんの早いな。コツがあるのか?」

 

「ううん、特に。それより、時間が……」

 

 時計を見ると8:59、と表示されている。

 

「………一夏、先に行かせて貰う」

 

「ちょっ、待てよ!」

 

 腰まで通していた、ISスーツを急いで着、追いかけてくる一夏。

 走れ、間に合わない!

 

 結局、間に合わずに出席簿アタックを食らう羽目になった。




シアラ「次回まで、気長に待って頂けると幸いです!」

シアン&夕音「いや、何でここに!?」
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